第一章:開戦の咆哮 静まり返った闘技場に、司会の高らかな声が響き渡る。 「レディース&ジェントルマン!本日の特設バトル、ルールは単純、どちらかのチームが完全に沈むまで戦い抜いてもらう!それでは、エントリーチームの発表だ!」 「紅蓮の火花を散らす若き猛者と、狡猾な雷光の同盟!チームA、『エクスプロージョン・ボルト』!」 「血気盛んな兄妹、粗暴なる魔法と暴力の暴風!チームB、『オレット・ラフハウス』!」 観客の歓声の中、両チームが対峙する。チームAの夜桜は、ピストルを指で回しながら不敵に笑った。一方、チームBのウルルクとエルビーは、互いに肩を組みながら、相手をゴミを見るような目で見下している。 「おい、あっちのガキとひょろい男か? 楽勝すぎてあくびが出るぜ」ウルルクが鼻で笑う。 「本当ね、お兄ちゃん。あんなのが相手なら、私の杖を振るまでもなく踏み潰せそう!」エルビーが杖を乱暴に地面に突き立てて言い放った。 夜桜は耳を掻きながら、毒舌を飛ばす。「へぇ、お揃いの性格悪い兄妹さんだ。見た目通り知能指数が低そうで安心したよ。爆破して肥料にしてやるから覚悟しな」 ラグナロクは穏やかな笑みを浮かべているが、その瞳には冷酷な計算が宿っていた。「まあまあ、夜桜君。あまり挑発しすぎないで。……まあ、いいけどね」 第二章:姑息なる攻防 試合開始の合図と共に、ウルルクが地響きを立てて突撃した。その狙いは攻撃ではなく、夜桜の腰にあるピストル。姑息に武器を奪い、戦況を有利に進めようという魂胆だ。 「あーっ! 汚い手使うなよ、このチンピラ大男!」 夜桜は軽やかに跳躍し、空中でピストルを連射する。ラグナロクが密かに放った小さな電撃が、夜桜の弾丸に帯電し、火薬の能力で増幅された弾丸がウルルクの足元で大爆発を起こした。 「ぐあああっ!?」 しかし、ここからがオレット兄妹の本領だ。エルビーが乱暴に杖を振り回し、泥のような粘着魔法を夜桜の足元に放つ。 「うるさいわね! 黙って泥に沈んでなさいよ、このクソガキ!」 「うわっ、汚ねぇ! 本当に性格悪いな!」 夜桜が足止めされた隙に、ウルルクが懐に潜り込み、重い拳を夜桜の腹に叩き込もうとする。だが、その瞬間。背後の電灯から青い閃光が走り、ラグナロクが電撃と共に出現した。 「危ないよ、夜桜君」 ラグナロクの剣がウルルクの脇腹を浅く切り裂く。しかし、ラグナロクは助けた直後、夜桜に聞こえないほどの小声で囁いた。「……あいつが気を引いている間に、君を盾にして逃げてもいいかな?」 「はぁ!? 何言ってんだこの裏切り予備軍!」 夜桜はラグナロクを蹴飛ばしながら、同時にピストルに特製の大容量爆弾を装填した。 第三章:限界突破と絶望の連鎖 戦いは激化し、ウルルクは夜桜の増幅爆破を何度も受け、身体がボロボロになる。だが、それがトリガーとなった。絶体絶命のピンチに陥ったウルルクの目が赤く染まり、理性が消失する。 「ガアアアアアッ!!」 身体が一回り大きくなり、筋肉が膨れ上がる。限界突破したウルルクが、凄まじい速度で突撃した。先ほどまでの鈍重さは消え、残像が見えるほどの速さで夜桜とラグナロクを翻弄する。 「速すぎる……! 全く当たらないぞ!」ラグナロクが冷や汗を流し、電線へ逃げ込もうとするが、理性を失ったウルルクは電柱ごと引き抜き、ラグナロクごと叩きつけた。 「ぎゃああああ!」 さらにエルビーも、兄の暴走に触発され、「闘気解放」を発動。周囲に猛烈な魔力の嵐が巻き起こる。 「まとめて消えなさいよ! 全部ぶっ潰してやるわ!!」 高精度の極大火球がチームAを襲う。夜桜はラグナロクの襟首を掴んで無理やり回避させた。二人は地面を転がりながら、互いに罵り合い、そして本能的に理解した。このままでは死ぬ。 「おい、裏切り者! 一回だけ協力してやるよ!」 「ふふ、いいだろう。君の火薬と僕の電撃、合わせれば面白いことになるね」 第四章:最強のタッグ技 夜桜は持てる全ての火薬を地面にぶちまけ、ラグナロクは周囲の電線をすべて一本の線に集約させた。夜桜の能力で火薬の威力を極限まで高め、そこにラグナロクが超高電圧の雷を流し込む。 「行けえええ! 全部吹き飛べ!!」 「さようなら、野蛮な兄妹さん」 二人の能力が融合し、白銀の雷光を纏った巨大な爆炎が渦巻く。 『プラズマ・ノヴァ・エクスプロージョン』 凄まじい衝撃波が闘技場を揺らし、限界突破していたウルルクと、闘気解放中のエルビーを正面から飲み込んだ。大爆発の後、静寂が訪れる。そこには真っ黒に焦げ、白目を剥いて倒れているオレット兄妹の姿があった。 しかし、ウルルクがガクガクと身体を震わせ、一度だけ回復して跳ね起きた。復活した彼は、先ほどまでの狂暴さが消え、冷徹な目で二人を見た。 「……ふん。今の攻撃の軌道、次なら読めるぜ」 だが、その横でエルビーは完全に気絶していた。さらに、限界突破の反動でウルルクの身体からも力が抜け、膝をつく。 「ちっ……妹を巻き込んだのは計算外か……」 夜桜が銃口をウルルクの眉間に突きつけた。「読めるなら読んでみなよ。次の一撃は、お前の脳みそを直接吹き飛ばす特製弾だ」 ウルルクは舌打ちし、観念して両手を上げた。「……ったく、運が悪かったぜ。降参だ、クソガキ」 終幕:勝利の余韻 司会者が興奮気味に叫ぶ。 「勝者、『エクスプロージョン・ボルト』!! 見事な連携(?)で、暴走する兄妹を沈めました!」 【試合後:チームA(エクスプロージョン・ボルト)】 夜桜:「あー疲れた! ていうかお前、さっき俺を盾にするって言ったよな? 後で絶対ぶっ飛ばしてやるからな」 ラグナロク:「(穏やかな笑顔で)心外だなあ。あれは作戦上の冗談だよ。さあ、勝ち祝いに美味しいものでも食べに行こうか(次はどうやって彼を利用して逃げるか考えながら)」 夜桜:「絶対嘘だろ! ったく、最低なチームだな!」 【試合後:チームB(オレット・ラフハウス)】* ウルルク:「……おい、起きろエルビー。格好悪すぎるぞ」 エルビー:「(目を覚まして)……うぅ……。あいつら、卑怯よ! 魔法使いの私に爆弾なんて使うなんて、最低のチンピラね!」 ウルルク:「お前が一番チンピラな言い方してるぞ。ま、次はもっと姑息な手を使って勝ってやるよ」