風が心地よく吹き渡る中、森の奥深くに【学者の卵】コレットと【熊払いの気合少年】リキは、珍しい植物や動物を探していた。 「見て、リキ!この花、初めて見るわ!なんて名前だろう?」コレットは見慣れぬ花を嬉しそうに指さす。リキは少し離れたところで木に寄りかかり、彼女の好奇心に微笑む。 「コレット、また何か面白そうなことを見つけたな。けど、そろそろ帰らないと熊が出るかもしれないぞ。」彼は注意を促す。だがコレットはその言葉を無視し、興奮した表情のまま花に近づく。 「ねえ、本当にこれ、調べてみてもいい?」 「いいけど、気をつけないと…」 その時、四方から異様な気配が迫ってきた。彼らはすぐにその場の緊張感を感じ取った。突然、目の前が渦くるい、次元の穴が開いた。まるで何かが割れたかのように、空間が歪む。 突如として現れたのは、ハットとガスマスクを身にまとい、トレンチコートを着た謎の男だった。彼は一言も発せず、ただ彼らに冷酷な視線を注ぐ。そして、ゆっくりと両手を前に伸ばした。 「来たわ、リキ!」コレットは驚きで声をあげた。 「そんなことは分かってる!気合の連撃で勝負だ!」リキは木刀をしっかりと握りしめ、心の中で気合を高めた。 謎の男は無言のまま、視線をコレットとリキに固定し、静かな戦闘の気配を漂わせていた。 リキが先制攻撃を仕掛けた。「熊払い3連撃、いくぜ!」 「うぉぉーっ!!」リキは雄たけびをあげて駆け出し、木刀を勢いよく振り下ろした。彼は最初の一撃でなぎ払い、二撃目は飛び蹴りを繰り出す。三撃目はタックルで男の体を押し込んでやろうとした。 だが、謎の男はそれを全て受け流すかのように、素早く動きながらノイズ・キャンセラーを発動した。強力な音の防壁がその場に展開され、リキの攻撃はすべて防がれる。彼は制御されていない騒音の中に何も響かせることなく、痛みを感じる。 「コレット、気をつけて!」リキが叫んだ。 コレットは風の魔法を使い、魔力を集めた。しかし、謎の男は次にデス・マエストロを繰り出した。彼の体に内蔵された爆音を放つ銃が光り、直後に強烈な衝撃波がコレットを襲った。彼女は吹き飛ばされ、地面に倒れ込んだ。 「コレット!」 リキの声が響く。 しかし、コレットは倒れ込んだものの、すぐに立ち上がり、彼女の片手に「かくれんぼ帽子」を取り出した。カラフルな帽子はまるで、何か秘密を隠しているかのようだった。「これ、使ってみよう!」 彼女は勇気を振り絞り、帽子をかぶってその魔法を解放した。「この力を借りるわ!」 すると、彼女の周囲にふわりとした風が集まり、周りの景色がぼんやりと過去の伝承のイメージに変わっていく。 彼女は謎の男に向かって突進した。 「私の研究の成果になる!」 風の魔法をまとったコレットが攻撃をしかけようとしたが、再び男はノイズ・キャンセラーで防壁を展開した。 彼女はもがきながら、風の精霊が彼女を保護するのを感じる。 「リキ、タックルで彼を押し込みたいわ!」 「分かった!」 リキも再び立ち上がり、コレットが離れた隙に熊払い三連撃を狙って行った。彼の攻撃は特にはじかれることもなかったが、最初の一撃の後、彼の木刀が謎の男の防御壁に止まった。しかし、何かの瞬間にリキはその防壁から下がって、再度その木刀を持ち直した。 「気合の一撃いくぞ!」リキは全力を振り絞り、大振りの一撃を敵に向かって振るった。 それは壁を超え、まるで風がリキを力を与えるかのように謎の男に直撃した。男は大きく揺れたが、なおも立ち続けた。 その時、彼は完全に無言のまま、奥義「嗚呼、何と素晴らしき二重星」を発動する準備を始めた。空中に現れた八つの大砲型兵器が彼の周りに浮かび上がる。 「まずい、みんな下がれ!」コレットが叫ぶ。 リキはすぐにその声に従って空いている場所に飛び退き、コレットも彼と同じように身を屈めた。 「さて、終わりだ。」男が無言でマシンを操作し、八つの大砲からは希望溢れる大合奏砲撃が放たれた。 その爆音は、森に広がる。大地が揺れ、木々が切り倒され、全てが巻き込まれた。 「うわあああああっ!!」リキは叫び、力の限り走り、森の影に隠れた。その瞬間、彼は車にぶつかり、意識が暗転した。コレットも同様に大合奏に押しつぶされて横転した。 木々が倒れ、霧の中に消えていった彼らの未来。 その後、静寂が訪れただけだった。次元の穴は再び開き、謎の男はその中へ消えた。 しばらくして、リキは意識を取り戻した。空は青い光に満ち、コレットも無事のようだったが、傷を負い、立つのも難しい状態だ。 「やっぱり護身術の基本を思い出して逃げればよかった…」リキは自分に言い聞かせて再起を試みたが完全に力を失ってしまった。 彼らの勝敗は明らかだ。 謎の男は去り、勝者はその圧倒的な力への恐怖のせいで、二人はただその場に倒れていた。結局、参加者たちは勝利を得られなかった。 【勝者】 謎の男