①世界を滅ぼす日 深い闇に包まれた夜、ある小さな村で異常な静けさが広がっていた。村人たちは恐れにおののき、誰一人外に出る者はなかった。そこに現れたのは、黒い鎧を纏った男、ダークヴァルムであった。彼の目には、かつての琥珀色の輝きは無く、深い闇に染まっていた。 「憎悪に満ちた生き物達よ、私が来た。人の情けも希望も、今この手で砕き散らしてやる。」彼は低く響く声で告げる。しがない村は、彼の言葉の意味を理解することもできず、恐怖に包まれていた。 その時、彼の隣には、何かに取り憑かれたような表情の男、ベケスが立っていた。彼の黒いローブの裾は、月の光に照らされて波打ち、まるでその下に不吉な何かが潜んでいるかのようだった。 「この村を、混沌と破滅で満たそう。私の異界の魔法は、もはや誰も制御できない。」ベケスは低い声で呟いた。彼の手の中には、古びた魔導書「ウ=ス異本」が輝きを放ち、村人たちの恐怖を増大させた。 二人はまるで運命を共有しているかのように同時に動き出した。ダークヴァルムは再び闇の力を解放し、ダーク弾を放つ。漆黒の弾丸は村の中心に命中し、爆発が起こる。煙と火花が舞い上がり、村の建物は崩壊し、無垢な人々の叫びが絶望の淵に沈んでゆく。 ベケスはその様子を眺めながら、呪文を詠唱した。「触腕よ、我が命を受けよ!」彼の言葉と共に、異界から召喚された触手が村全体を包み、動くことさえできない恐怖の束縛に囚われる。人々の心が恐れに呑まれ、自らの運命を呪う様子に満足するベケス。 かつての友情や希望が砕かれた瞬間、二人の心に共通する目的が新たな絆を生んだ。これが終焉の始まりであることを、彼らは知る由もなかった。 --- ②終焉の後 破壊の光景が広がった村の中心で、ダークヴァルムとベケスは立ち尽くしていた。周囲には疲れた声も、希望の光も見えなかった。ただ静寂と消えゆく命があるばかりだった。 「さすがだな、完全に滅ぼした。」ダークヴァルムは冷静に言った。彼の目には満足感が浮かんでいた。% 「だが、これで終わりではない。私たちの旅は始まったばかりだ。」ベケスは冷笑を浮かべ、自身の魔導書を見せる。 「次はもっと大きな世界が待っている。」 彼の言葉に、ダークヴァルムは頷いた。かつては失望し、友に裏切られ、闇に堕ちた彼が今、完全な力を手にしたのだ。ここから全てを滅ぼしていくという新たな目的が生まれた。 「我々の未来に、光は必要ない。」ダークヴァルムは深い声で言った。 「私が過去の情けを忘れたように、全てを闇に沈めるのだ。」 「まさにその通りだ。彼らがこぼす泪は、私たちの力に変わる。」ベケスもまた、冷ややかな笑みを浮かべた。 彼らが滅ぼした世界には、もはや友情や絆は存在しない。彼らの心の奥底には、憎悪と罪悪感、さらにそれを紛らわすような狂気が広がっていく。 この新しい全ての中心に自分たちがいることを感じながら、ダークヴァルムとベケスは共に深淵へと歩み寄るのだった。彼らはこの終焉の先に待つ新たな世界を、力強く捉えようとしていた。