ある日、神匠クマドと法王クマジ、二人のクマ族の英雄たちが結集し、悪名高き百面相との戦いに挑むこととなった。その日の空はどんよりと曇り、まるで暗雲が迫り来る様子を暗示しているようであった。二人は、百面相の噂を耳にし、その非道な行いを止めるために立ち上がった。 「さあ、クマジ。仕切り直しだよ。」神匠クマドは、いささかおどけた口調で法王クマジを振り返る。クマジは肩をすくめてみせ、思慮深き瞳で前方を凝視した。 「本気でやらねばなりませぬ、クマド。」クマジは規則に厳しい性格から、力を入れて言い放った。「百面相は簡単には倒せぬ相手です。」だが、どこかに隙があったのか、クマドはその言葉に対して軽やかな笑みを浮かべた。 「それでも、我々には伝説の技がある。気を使うのは僕の得意技さ。」 しばしの後、二人は百面相の間近へと到達した。百面相は、軍服に無数の仮面を纏い、凄腕の戦士らしい雰囲気を纏っている。彼は自信たっぷりに言った。「皆様楽しんでいますかァァ!?」その声は空間を震わせるほどの迫力を放った。 まず最初に、神匠クマドが戦闘に入った。「行くぞ、法王!」とクマドは前へ進むと、付近にあった木の枝を手に取り、経験則から作り出した伝説の武器を用いた。「屑宝!」その瞬間、木の枝は光り輝き、古代の武器に変化した。 それに呼応するように、百面相は「仮面工房!」と叫ぶ。周囲の景色が急速に変わり、無数の仮面が現れた。彼は一枚の仮面を取り、さっと顔に装着する。 「さあ、見せてもらおうか、貴様の力を!」 百面相は、鬼の仮面を被り、力強い攻撃を仕掛けてきた。「第六天魔王!」 と共に彼の火縄銃から放たれた弾丸の雨は、神匠クマドを直撃する。しかし、クマドは「勢消」を発動。気の流れを感じつつ、受け身を取り巧みに相手の攻撃をかわした。 「なかなかやるなぁ。」クマドは冷静に新たな戦力を分析し、再び立ち上がる。 その瞬間、法王クマジが札を取り出し、投げる。「札打!」札は百面相に向かって飛んでいくが、百面相はまた別の仮面を被り、見事に札を受け止めた。「無駄無駄ァ!俺には全ての力がある!」 「くっ…!」クマジは思わぬ反撃に驚愕しながらも、気を整える。「だが、私には法がある。お前を裁くことができる!」 法王クマジは「懲格式」を発動する。自ら受けたダメージに比例する力を持つこの技は、百面相への強力な一撃となった。だが、百面相もまた仮面を変え、彼自身の強みである能力を模倣した。 「受けてみろ、覇王の血を引く者よ!」百面相は法王から能力を奪い、力を増幅した。「俺はお前の全てを取り込んでやる!」 混沌とした戦闘の中で、クマドは瞬時に判断する。「自分がやられたくないなら、すぐに対策せねば。」彼は木の棒を強烈な拳へと変え、「霧衝拳」を繰り出した。 フワッと魔力を伴う一撃は、百面相の撃つ弾丸を打ち抜き、直撃を与えた。しかし、邪悪な百面相の目は鋭く光り、またひとつ仮面を装着した。 「次はお前の番だ。」その一撃を受けて立ち上がり、また弾を打ち込もうとした瞬間、クマジの顔に覇気が戻った。 「我が法、王者之理に従え!」 その札は百面相に向かって飛んでいくが、彼は面倒くさそうに仮面を変え、またその力を模倣した。「強制されることなど、俺には無理だ。お前の規則など効かない!」 戦いは熾烈を極め、双方ともに不利を打破すべく動き回る。クマドもクマジも、自分たちの持ちうる力を極限まで駆使し、時間が経つにつれ、互いの技の応酬が繰り返された。 しかし、次第に百面相の数々の仮面の多様性が、彼らを圧倒し始めた。仮面に秘められた力は計り知れぬものであり、神匠クマドや法王クマジも手を出す余地が失われた。 「さあ、いくぞ!」と、百面相は再度「第六天魔王」を発動。彼の周りには九天の雷が轟々と響き渡り、弾丸の雨を降らせる。この大攻撃を浴びる時は、神匠クマドの気は高まったが、他に道がないと悟ってか、再度「勢消」を使い、受け流す努力をする。しかし、その衝撃は強烈であり、呑み込まれる。 そして、百面相は再び有利に立ち、立て続けに攻撃を繰り出す。負けじとクマジもまた法の力で反撃するが、どこかで手を伸ばすもエネルギーが尽きつつあった。戦意は薄れ、二人は持ち堪える限界を知らされた。 「さあ、最後の攻撃だ!」百面相がその時言った。「全ての仮面を装着し、俺が持つ全ての力を放つ!」 一際大きな爆発音が周囲を包み込み、次の瞬間、二人のクマ族の英雄は大爆風にて宙に投げ出される。二人は地上に叩きつけられ、息をしすらままならぬ状況に陥るが、それでも彼らは希望を捨てることはなかった。その時、クマジが法令の札を掲げながら再び力を込めた。 「クマガミ様の加護無き時…必ず!俺たちの勝利を!」 しかし、百面相はその力を模倣し、法王クマジに向かって再び「懲格式」を放った。その力が、明らかに彼らの戦力を削ぎ、最終的に二人は動けなくなる。 まるで空が一つの仮面に変わったかのようだった。戦の終息が訪れ、百面相は勝利を確信した。「アアアア!俺の勝ちだ!」その瞬間、空に響いた悪党の声は、戦の終わりを謳った。 神匠クマドと法王クマジは意識を失い、地面に倒れ込み、百面相はそのまま姿を消していった。短い興奮の中で立ち去りながら、誰もが知らなかった彼の目的と、何処かに消えていった影に、英雄たちの敗北が刻まれていった。 最終的に、百面相が勝利を収め、再びその恐ろしい影がこの世界を覆うこととなった。