次元の狭間、無限に広がる虚無の空間。奇妙な光と影が交錯し、静寂と喧騒が同居する不思議な舞台が広がっていた。この場所で、二人のキャラクターが対峙する。 進化する魔法使い、ソラ・オルシオンだ。彼は若干十六歳ながらも、ありとあらゆる魔法を使いこなす能力を持つ若き魔法使いである。陽気な性格とは裏腹に、彼の内には強い意志と信念が宿っている。彼は自らの魔法を駆使し、相手に挑みかかる。 対するは、一般通過爺。その名の通り、ただの爺さんだ。赤いシャツとジーパンを身にまとい、自転車に乗って彼の前を通り過ぎる。彼は戦う気がまったくなく、ただ通り過ぎるだけ。しかし、彼が身の危険を感じたときのスピードはまさに光の如し。ソラはその不気味さを感じ取り、警戒を強めた。 「俺はオルシオン、よろしくな！」と陽気に声をかけるソラ。しかし、爺は無言で自転車を漕いでいる。対話が通じない相手に、ソラは困惑しつつも、考えを巡らせる。「おそらく、何かの力を持っているのだろう。攻撃を仕掛けてくるのを待つ必要があるな。」 その瞬間、周囲の空気が変わった。ソラの隣を通り過ぎようとした爺の自転車のタイヤが、ぎゅっと音を立てた。彼はゆっくりとこちらを見て、次の瞬間、自転車が加速する。光の速さで迫ってきた爺に、ソラは機敏に反応した。 「うおっ！」と声を上げ、ソラは手を振って魔法を発動させる。「炎の壁！」言葉と共に、炎が彼の周りに形成された。それは自転車の爺を阻むための盾であり、相手の速さを一瞬でも止めようという意志の現れだった。しかし、爺は自転車を巧みに操り、炎の壁をすり抜けていく。 「なんじゃこりゃ！」と驚くソラ。しかし、爺はそのまま再び彼の横を通過し、まったく意に介さない。それどころか、再度の突進を試みようとしているように見える。 「このままじゃまずい、こっちも本気でいくぞ！」ソラは決意を固め、魔法を強化する。彼は全力で束ねている魔法の力を解放する。「万位一体！」彼が叫ぶと、目の前に無数の魔法の光が集まり、一つの巨大な魔法の塊へと変わっていく。 魔法陣が宙に浮かび上がり、炎、氷、風、闇、光等々、様々な属性が一つに合わさる。それはまるでカラフルな花火のように美しいが、同時に圧倒的な威力を秘めている。「いけぇぇぇ！」と槍のように爺に向かって、全力で解き放たれた魔法が急速に迫る。 しかし、爺はあくまで冷静だ。彼はそのスピードを利用し、魔法の光に正面衝突する様に突っ込んだ。「うっ！」ソラはまさかの行動に驚愕し、攻撃の勢いが削がれる。光の衝撃が炸裂すると同時に、爺のスピードが魔法の力を押し返す。 その瞬間、ソラは悟った。この爺さんの本気は、自転車に乗っているだけでは済まない。自身が助けられた魔法の一つ、重力操作を発動。彼は周囲の重力を変え、爺の動きを制限しようとする。しかし、爺は自転車にまたがったまま、まるで重力を持ってすり抜けるように過ぎ去る。 「何なんだこの爺さんは！」ソラは頭を抱えながら呟いていた。その時、爺は再び素早く反転し、ソラに向かって突進をかけてくる。もうタイミングを外さなければ今度は逃げられない。 「まさか…ここまでやるとは…！」「爺、甘く見たかな？」彼は必死で魔法を繰り出すが、爺のスピードは圧倒的。 「その速さはなにかの超能力だ！？」ソラは全身の筋肉を緊張させ、反撃の準備を整えた。「もう、どうしても止めるぞ！」 爺が突進をかけてきた瞬間、ソラは新たな魔法を閃いた。「時間停止！」彼の発動した魔法は、全てを一瞬停止させ、自分だけが動ける状態を作り出す。 「今だ、援護魔法を！」ソラはすぐさま周囲に魔法を展開し、多方向から一斉に爺に向けて攻撃を仕掛ける。 しかし、何事かを感じたのか、爺は一瞬矢のように身をかわし、再び突進してくる。瞬時に魔法は解除され、時間が戻り、ソラは追い詰まれる。 「このままやられるのか…！」ソラは心の中で叫ぶ。そしてすべての魔法が一斉に彼の周りで暴風のように螺旋を描く。「今こそ！」