(地響きのような大歓声がアリーナを揺らしている。数万の観客が、今から始まる死闘に期待を寄せて叫んでいた。その中央、空中を舞うように飛び回り、マイクを握りしめているのは、ピンクのフリルをなびかせたハイテンションな少女——実況魔法少女サケビである!) 「ずぅえええええ!皆様こんばんはーっ!!本日は最高にエキサイティングで、最高にぶっ飛んだ乱戦バトルのお時間ですぞおおお!実況は私、実況魔法少女サケビが担当させていただきますどぅわああああ!それでは、参戦する猛者たちに気合の一言をもらいに行きましょう!レッツ・インタビュー!!」 (サケビが猛スピードで一人目の少女、ミレナ・ロアに飛び込む) サケビ:「まずは紅いツインテールが眩しい賞金稼ぎ!ミレナちゃあああん!意気込みをどぅわああ!!」 ミレナ:「えへへ、よろしくね!ウチ、たくさん魔力をいただいちゃおうかなーって!キミたち、全力で逃げ回ってねっ!」 (サケビは電撃的な速さで次の青年、碧羽ソラへ移動) サケビ:「続いては白タキシードが眩しすぎる美技の化身!碧羽ソラさあああん!ずぅええええ!!」 ソラ:「ははっ、賑やかなアリーナだね。全力で、かつ美しく戦わせてもらうよ。……まあ、手加減は期待しないでくれ」 (さらに加速し、大槌を担ぐ男、スチールへ!) サケビ:「火力至上主義!冒険者のスチールさあああん!どぅわああ!!」 スチール:「おう!こういう祭典が一番楽しいんだよな!俺のメイスで、地面ごと吹き飛ばしてやるぜ!」 (最後に、静寂を纏い正座する剣豪、黒鉄無明へ。サケビは至近距離で叫ぶ) サケビ:「最後は渋すぎる!流浪の剣豪、黒鉄無明さあああん!ずぅええええ!!」 無明:「(静かに目を開け)……ええい!邪魔をするなぁぁ!!嫌でも立ち去ってもらうぞ!!……と言いたいところだが、この場に集った猛者たちよ。礼を尽くして斬らせてもらう!」 サケビ:「ひゃああああ!最高にアツい予感がしますぞおおお!それでは、運命のゴングを鳴らしましょう!戦ええええ!!どぅわあああああ!!」 ★★★ (ゴングが鳴り響いた瞬間、アリーナの空気が一変した。最初のアクションはミレナだった。彼女が不敵に笑った瞬間、その瞳の白目がどろりと黒く染まる。魔人としての本能が目覚めたのだ) ミレナ:「もぐもぐ……いただきますっ!」 (スキル【魔喰】が発動。アリーナに満ちる魔力を一気に吸収し、ミレナの背後から次々と「自分」が現れる。一人、二人……いや、十体!二十体!瞬く間に紅いツインテールの少女たちが戦場を埋め尽くした) スチール:「うおっ!?なんだこの人数は!だが、数が多いならまとめてぶっ飛ばせばいいだけだろ!」 (スチールがバスタードメイスを大きく振り抜く。凄まじい衝撃波が巻き起こり、最前列の分身たちがまとめて吹き飛ばされた。しかし、ミレナ本体は【シフトステップ】で瞬時に位置を入れ替え、スチールの背後に現れる) ミレナ:「あはは!そこだよ、キミ!」 (鎖付きダガーが閃く。しかし、その刃は空を切った。間に割って入ったのは、白き閃光——碧羽ソラである。聖剣[ヴィルネ・ブラッド・レッドディア]が、まるで壁のようにミレナの攻撃を弾き飛ばしていた) ソラ:「危ないよ、スチール。……さて、僕の番だね」 (ソラの剣から超高温の白炎が噴出する。炎の龍が咆哮しながらミレナの分身群へと襲いかかった。熱量に焼かれ、分身たちが次々と消滅していく。だが、その炎の渦を、一人の男が「歩いて」切り裂いた) 無明:「……見切ったぞ。炎の芯はここか」 (黒鉄無明の抜刀。ただの一撃。しかしそれは、ソラの放った白炎の奔流を正確に断ち切り、そのままソラの胸元へ突きを繰り出した。ソラは間一髪で聖剣を盾のように構え、ガキィィィ!と激しい金属音を響かせて防御する) サケビ:「どぅわああああ!激アツ展開ですぞおおお!白炎の龍を斬り裂く剣豪!もはや芸術点満点ずぅええええ!!」 (戦いは混戦へと突入した。ミレナは分身を数百体まで増やし、【チェインリッパー】を展開。無数の鎖ダガーが雨のように降り注ぎ、戦場を拘束の網で覆い尽くす。スチールは【ガードオプション】を完璧なタイミングで発動させ、飛来するダガーを次々と相殺していく) スチール:「火力、火力だ!ここは一撃で決めるぜ!!」 (スチールが地面にメイスを突き立てる。【エクセスパニッシャー】のチャージ開始だ。全身からエネルギーが溢れ出し、周囲の空気が震える。しかし、その無防備な時間を、無明が見逃すはずがない) 無明:「隙あり!借刀——!」 (無明はミレナが放った鎖の一本をあえて足場にし、空を蹴った【空踏み】で加速。超高速の斬撃がスチールの頭上から降り注ぐ。しかし、チャージ完了と同時にスチールのメイス装甲が開き、爆発的な衝撃波が全方位に放たれた!) ドガァァァァーーン!! (衝撃で無明が弾き飛ばされ、ミレナの分身たちがなぎ倒される。だが、そこへソラが【聖命】の光を纏い、空中から急降下。白炎を纏った聖剣が、スチールのメイスと激突した。火花がアリーナ全体を照らし出す) ソラ:「いい一撃だ。でも、僕も負けてられないよ!」 (ソラとスチールの力押し、無明の精密な剣技、そしてミレナの変幻自在な人海戦術。四者の攻撃が一点に集中し、アリーナの中央がクレーターのように深く抉れていく。観客は総立ちとなり、狂乱の歓声を上げていた) サケビ:「ずぅええええ!もう誰が勝ってもおかしくない!でも、ここでミレナちゃんが何かやりますぞおおお!!」 ミレナ:「えへへ……もうお腹いっぱい!これで終わりだよっ!【レギオンノヴァ】!!」 (ミレナがこれまで喰らった魔力を全て解放する。視界を埋め尽くすほどの、数千体の分身が出現。それら全てが、ソラ、スチール、無明の三人に飛びつき、抱きついた。そして——) ミレナ:「どっかーん!!」 (大爆発。白銀の炎、黄金の衝撃波、漆黒の剣気、そして紅い爆炎が同時に衝突し、巨大な光の球となってアリーナを包み込んだ。凄まじい爆風が観客席まで届き、全てが真っ白な光に塗りつぶされる) ………………。 (煙がゆっくりと晴れていく。そこには、肩で息をしながらも、互いに武器を構え、あるいは座り込んで笑い合っている四人の姿があった。全員がボロボロだったが、誰一人として意識を失ってはいなかった) サケビ:「どぅわあああああ!!決着がつかない!!全員体力が限界!判定は……引き分けですぞおおおお!!」 ★★★ (試合後、サケビが興奮気味に再びインタビューに回る) サケビ:「いやぁー!最高の試合でしたぞずぅえええ!それでは最後にお一人ずつ、感想と、あわせて皆さんに伝えたい『宣伝』をお願いしますどぅわああ!!」 ミレナ:「(頬に絆創膏を貼りながら)ふえぇ、疲れたー!でもみんな強くて楽しかったよ!ウチの宣伝?えーっと、ウチは賞金稼ぎやってるから、指名手配犯の心当たりがある人はいつでもウチに連絡してねっ!安く済ませてあげるかもーだよ!」 ソラ:「(タキシードを整えつつ)ふふ、いい汗をかいたね。僕の宣伝か。僕は護衛団の団長をしているから、身辺警護や、最高の騎士道を学びたい若者はいつでも募集中だよ。……まあ、訓練はかなり厳しいけどね」 スチール:「(メイスを肩に担いで)あー、いい気分だ!やっぱり火力こそ正義だよな!俺は腕利きの冒険者だ。刺激的なクエストや、強い武器の情報を探してる奴は俺を誘ってくれ!最高に楽しい旅を約束するぜ!」 無明:「(静かに刀を鞘に納め)……久々に心から楽しめた。礼を言う。宣伝か。私は流浪の身。もし、己の剣に迷いがある者がいれば、どこかで私の姿を探すがいい。……ただし、正座して待つ心構えがある者だけだぞ」 サケビ:「ずぅええええ!!最高の締めくくりですぞおお!皆様、ありがとうございましたあああ!!どぅわあああああ!!」