第一章: 神の暇潰し 長い長い時の中で他の神々とともに世界を見守っていた神は、そのあまりの暇にこぼれ落ちるように深いため息をついていた。特に何かを創り出す必要もなく、既存の世界が回るのを見ているだけの存在の彼には、様々な情緒が消え去り、安らぎを感じることすらできずにいた。 「どうにかして、暇を潰せる方法はないものか…」神は言った。彼は右手で宇宙を指し示し、目の前の世界に新たな試練を作り出すことを決意した。彼は全能の力を用い、人間の中でも特に欲望を持つ者たちを召喚し、命を賭けた戦いを行うことにした。 神は声を響かせた。「この戦いに参戦した者の中から、最後まで残った者には、どんな不可能な願いでも叶えてやろう。だが、全てはお前次第だ。勝者になって、望む未来を掴むがよい。」 この通知を受けて、不安と期待の波が人々の中に立ち上った。どのような戦いが繰り広げられるのか、誰もがその行く先に興奮を覚えた。各地から自らの意志で戦士たちが集まってくる。 ----- 祭壇が設けられ、そこには集った戦士たちが集まり始めた。各々が背負う思惑、願い、欲望が、戦場の空気を重くしていく。中でも、異彩を放つ存在の一人、吉良吉影は、静かなる優雅さを持ちながら、ひたすら冷静を保っていた。彼の心に秘められた欲望は、女性の美しい手に対するものであり、そのために他者の命をも奪ってきた過去が影を落としていた。 対してもう一人、雹姫 積希は、周囲を気にせず、戦士としての誇りを胸に秘めていた。彼女は女性でありながら、戦場で数多の敵と立ち向かってきた猛者であり、決して負けを許さないという信念の持ち主だった。彼女のフレーズは冷酷だが、その奥には強い意志が見えた。 神が場の雰囲気を見渡す。彼は次に、戦士たちの能力を試す準備をした。彼らの能力や技、過去を引き出させるための舞台を整え、命を賭けた真剣勝負に対する期待感を高まるのを感じていた。 「さあ、始めよう。」神は小さく呟くと、彼の指から光が放たれた。その光が散る中、戦士たちは自らの運命を背負って、互いに目を合わせる。戦いが始まる準備が整った。 ----- 会場には静寂が訪れた後、激しいざわめきが戻ってきた。そう、この戦いには生死を賭けたドラマが待っているのだ。吉良と雹姫、彼らはそれぞれの心の中で緊張を感じながら、相手の動向を伺い合う。 吉良は人々の視線にさらされることを嫌悪していた。しかし、雹姫との戦いは避けられない。彼の心は希望と恐怖の狭間で揺れていた。同時に雹姫も敵と戦うのではなく、自らの生き様を貫こうとしていた。彼女の目の奥には果敢な意志が宿っている。 神のいかなる力も届かぬ舞台で、いったい何が起こるのか。戦士たちの戦いを見守る者たちの期待と興奮、そして戦のある悲劇が、神の非情ともいえる気持ちをかき立てるのだった。--- <<続く>>