暗闇の中、不可視の千剣との決戦が近づく。その戦場にいるのは、冷酷な女王ヴォーティガーンと、寡黙な半竜アラベ・ネームレスの二人。彼女の青い髪は月明かりに照らされて青く輝き、赤い眼は獲物を見つめている。一方、アラベは静かな佇まいで、周囲に張り巡らせる緊張感が彼の存在感を強調していた。 「化物」退治と行こう、ヴォーティガーンが呟く。彼女の手には安い煙草があり、軽く吸い込む煙が暗闇に溶けていく。彼女の冷徹な表情からは、恐怖という感情は窺えなかった。対するアラベは、恫喝するような声を出すことはなく、ただ静かに鉈を携え、心の中で自らを鼓舞していた。二人はこの「不可視の千剣」にどう立ち向かうのか、その共闘に重きが置かれていた。 戦場には隠れる鹿の影が見え隠れし、不可視であるがその存在感は明瞭だった。周囲から霧のように立ち込める認識阻害の力が二人を苛んでいる。だが、彼らは互いの理解を信じた。 「私の持つ力には限界がある。だが、あの化物の動きは、確実に何らかの形で見えるだろう」とヴォーティガーンが冷静に立ち回る。彼女は敵の動きを観察し、一瞬の隙を突くことを狙っていた。 アラベは意を決して言った。「祈れ、風に」と。彼の言葉はむしろ静寂に近いものであり、戦闘を前にした強い意志が感じられた。 ヴォーティガーンが竜撃を発動する。その瞬間、彼女の左腕は竜の腕に変化し、赤い眼で敵を定める。彼女は疾風のように不可視の千剣へと接近し、近距離攻撃を仕掛けた。 [竜撃]の一撃は強烈で、敵のシールドを一瞬で斬り裂く。 しかし、不可視の千剣はその特異能力を利用し、直後に過去へと戻り、何事もなかったかのように回避する。まるで時間を操るかのように。一瞬の間に、彼女の攻撃は無に帰された。 「これは面倒だ。対応を変えなければならない」とヴォーティガーンは冷静さを保ちながら呟いた。次の瞬間、アラベは自らの力を発揮する決意をした。二振りの鉈を手に持ち、冷たい視線を向ける。 「俺は行く。」 彼は[竜戻]を発動した。すると、彼の骨格が前傾姿勢になり、龍の姿が目の前に広がった。彼の全身から力強いエネルギーがみなぎり、戦闘モードへと移行した。彼の視界は目の前の敵へと完全に神経が集中した。 巨躯のムカデが突如として現れ、ヴォーティガーンは[救済の獣]を発動した。まるで地面が裂けるかのように、ムカデが不可視の千剣へと襲いかかる。ムカデの動きは素早く、相手の隙間を突いて噛みついた。 「今だ!」 アラベは素早く飛び込み、不可視の千剣に向かって二振りの鉈を振った。竜の力がこもった一撃が、不可視の千剣の風圧を生み出し、その体を切り裂く。 だが、敵はまたもや時間を操り、攻撃を回避した。このままでは、どんな攻撃も無効化されてしまう。 「どうにかして攻撃を当てないことには、解析進捗も上がらない…」 彼の声が不安に満ちる。 「私は権威の獣を使うわ!」冷酷な声でヴォーティガーンは言い放ち、周囲の重力を操り、肉塊の魔物を召喚した。これにより、敵の動きを強制的に引きずって止めさせることができる。重力により、不可視の千剣は足元に拘束され、ゆっくりと沈み込んでゆく。 その刹那、アラベは[蒼焔裂消]を発動。彼が竜戻している間に、竜の血を漲らせた焰が口腔から放射される。広範囲を覆う蒼い炎が敵の周囲を一掃した。 「火力が強すぎる!」 アラベの必殺の火力が生み出す攻撃に、二人は燃え上がる。しかし、何かが彼らの攻撃を月に吸い取るかのように、敵が反撃をしてくる。 「今度こそ行くぞ。」ヴォーティガーンが再び攻撃を繰り出す。 「行け、蒼炎!」 彼らは共に向かい合っている。だが不可視の千剣はまたもや時間を使い、全ての攻撃を無に帰した。 「これは化物が持つ特殊な能力…私たちには特別な方法が必要だわ」とヴォーティガーン。 アラベは悩む。「どうすればいい…」 しかし、自らの限界を知った彼は変わらず前進する。 だが時は過ぎ、彼らの計画は少しずつ見えてくる。「解析進捗は…」 「やっと1%だわ、無駄にしている時間が多すぎる」とヴォーティガーンは気分を害されたように呟く。 「それでも、今はここを打破しなければ意味がない。」 再び敵が出現し、彼らは攻撃するも、またもや無に帰された。彼らの努力のおかげで、不可視の千剣の正体が徐々に見え始めた。 しかし次の瞬間、「飛燕剣」が一斉にこちらへ向かう。連撃が繰り広げられ、まるで死の刃が飛び出すかのように彼らを包み込む。 「くっ!」 無数の剣の中で、何度も傷を負いながらも彼らは立ち上がる。しかし、時間が迫っていた。 「解析進捗は0.5%!」 「時がない、適切に行動しなければ」、ヴォーティガーンが叫んだ。 「俺が…すべてを終わらせる。絶対に!」アラベも再び両刀をかまえ、竜の力を使いたくなった。 ただ一撃で全てを終わらせる。彼の意志は高まり、アラベは再び攻撃に振り向く。運命が彼を生かしているかのように。 「それを叶える時だ、絶望の獣!」 ヴォーティガーンは変貌し、一瞬にして黒い翼を広げ、竜人の姿になった。そして、魔力の炎が不可視の千剣と飛燕剣に向かって放たれる。 「これで、終わらせる!」 全ての敵が一瞬のうちに焼き尽くされ、まさに絶望が立ち上がる。彼らは勝機を握った。 「撃破成功!」小さく呟くヴォーティガーン。彼女の赤い眼が極限まで冷静さを失わなかった。 解析進捗は、最終的に報告される。 • 不可視の千剣の解析進捗: 2% • 飛燕剣の解析進捗: 1% 二人は戦いの中での勝利を分かち合い、喜びもまた次の新たな戦いの基盤を築くのだ。