都市の中心。光速に近いスピードが、広がる圧倒的な空間の中で戦闘を繰り広げていた。シューベル、ハルカ、緋狩、激早太郎、岡林愛依、四輪駆動新一、灰梟—彼らはすべて素早さが1000倍になり、互いに自分の存在すら分からないまま、何が起こるかを理解する余裕もないままに、戦い始めた。 シューベルは紫の羽織りを翻し、感情の高ぶりとともに下着の紫色の入れ墨から流れ出る魔力を感じ取る。「恨み、仕返しが最大まで来たようだ」と心の中で呟くと、眼前に現れたハルカに向かって渾身の蹴りを放った。ハルカは「ボクが特急で解決だー!」と叫びながら、その足元を急行キックで一瞬で回避する。 しかし、うっかりシューベルと同じ場所を目指した岡林愛依が、無防備に前方に転んできてしまい、二人は衝突。シューベルは吹っ飛ばされ、天高く舞い上がり、星となってしまった。ハルカはその瞬間を捉え、「最速はアタシだったんだ」と自信を深める。 次に狙われたのは赤羽緋狩だった。彼女もまた激情を高め、大剣を振るいだす。発動した特技『爆炎喝采』が彼女の周囲を炎で包み込み、激しい動きで敵を斬りまくっていた。しかしその隙に激早太郎が「槍突撃」を仕掛ける。スピードに乗せて急襲する直前、彼は言葉も発せず突進した。 緋狩は「やぁ、早すぎ!」と叫びながらも、反射的に後ろにジャンプ。しかし、激早太郎の勢いは衰えず、彼女を捉える。緋狩は一瞬、彼の道を遮るかのように炎の剣を振るったが、激早太郎は影のごとくすり抜けて縦横無尽に攻撃を加える。 そんな中、四輪駆動新一は「バロロロロロ」と騒音とともに全速力で走り、激早太郎へ突進する。衝突を避けることのできない激早太郎は同じく新一のスピードに巻き込まれ、二人共が星となってしまう。 あまりの速さに岡林愛依は「やっぱり運動無理ー!」と絶叫しながらも、自身の能力を最大限に活かそうと試みる。しかし、自身の勢いではなく、他者の力を奪うことで自己を強化する必要があった。そこにやってきたのは冷徹な灰梟。 「煙草が切れる前にブチのめしてやる…」と呟きながら、特殊合金の脚部をもって岡林愛依に蹴りを入れる。痛みによって能力が睡眠から覚めたのか、岡林の体は反発し、怒りから引き起こされる未知の力が事故的に発動する。周囲は爆発のように焦げ臭い空気が立ち込めた。 結果、緊張の瞬間、ハルカが晴れて現れ「キック!」 と一撃を見舞う!しかしその攻撃も、ハルカの前を素早く移動するシューベルにより回避された一瞬、全ての光速の中で賭ける運命の刹那だった。 やがて運命のジレンマが彼女の心を支配し、シューベルもまた強烈な成長を遂げつつ『処刑だ!』という技を覚え、すべてが処理された瞬間、もはやそれは全員の記憶の中でどこかはかなく消えるように。 その中で最後に立っていたのは緋狩。無数の衝撃と混乱渦中、彼女だけが最速への緊張感を保持し、炎に包まれ、再び立ち上がった。 「悪いけど、手加減は一切無しだからね!」と突き進む緋狩は、残された選手たちに熱烈な炎を放ち、眩い光の餘韻と共に何もかもが流れ去る。以後、彼女の瞬間は新たな物語をかたどる。 いだいていた猛烈なスピードと共に、都市は次第に静けさを取り戻していった。その中で彼女こそが全てを超えて残る勝者だった。 勝者:赤羽 緋狩