次元の狭間、時と空間が交錯し、異次元の境界が漂う場所。ここでは、全ての未来が交互に見え、歪んだ時間が流れていく。立っている者は一人。まるで静寂の中から生まれたような、絹織時靏(きぬおりときくる)だ。彼女の巫女服は、静謐だがどこか妖艶な美しさを漂わせている。古い言い伝えに従い、運命に向かって歩む彼女の目は好奇心で輝いていた。 "ここが次元の狭間……不思議な場所ね。どんな力が待っているのだろう?" 時靏は小さく呟いた。彼女の手に握られた靏神刀:瑞靏(ずいく)は、夜空の星のような光を放っている。やがて、扉が開くように時空が揺らぎ、闇の中から現れたのは、孤高なる魔王、シャイターンだ。 "貴様が巫女か。ふん、貴様の運命もすぐに潰れるがいい。" 冷たく響くシャイターンの声。その顔には白い髪が揺れ、赤い目が光る。未だ不気味な余裕が見え隠れしている。 "私の運命は自ら紡ぐもの。力を合わせて戦うだけよ、シャイターン!" 時靏は堂々と宣言した。彼女の穏やかな姿勢とは裏腹に、胸の内には確かな自信が宿っている。 闘志みなぎる二人。彼らは対峙し、運命の幕が開くと共に戦いの閃光が交錯した。 "魔王の威圧!" シャイターンは声を張り上げ、その瞳から放たれる威圧感は時靏を押しつぶすかのようだった。彼女は一瞬、立ち尽くしたが、すぐに気を取り直し、彼女の臨戦状態が働き、恐怖を払拭する。 "封皨靏冷!" 時靏は瞬時に冷気を纏った靏で攻撃を受け止め、無数の星粒が彼女の周囲から発射され、シャイターンへ向かって突進する。 "無駄な足掻きだ。" シャイターンはその手を翳し、正面から迫る攻撃を捲き取り、主導権を握る。右手で触れると、螺旋状の冷気が瞬時に消え去り、空間が歪み、彼女の意志を打ち砕く。 "時世時切!" 彼女は冷静さを保ち、時間の流れを断ち切り、その瞬間、間合いで彼女の刀が閃く。しかし、シャイターンは直感でそれを嗅ぎ取り、瞬間移動で回避する。 "我を見て恐ろしさに震えろ!" その声と共に、周囲の空気が凍りつき、時靏の心の隙間を狙う。恐怖の混乱がおそるべき彼女を揺さぶる。 "私は屈しない!疾風怒濤!" 時靏は本能で切り返し、全力の速度で攻撃を繰り出す。快足のような瞬発力でシャイターンに迫り、連続攻撃を叩き込んだ。しかし、魔王はすぐに反撃に出て、彼女の刀を掴み、 "これで終わりだ!" と右手で彼女を触れる。 瞬間、彼女は全てが破壊される恐怖と共に自らの存在が揺らぐのを感じた。だが、彼女は強い意志を持ち、足を固めて立った。 "まだ困難は続く。私の魂は決して屈しない!" 身体を暖めるような、彼女の内なる光が爆発する。 "月魄夜歌!" その刹那、時靏は月夜の力を歌に乗せて放つ。白い光が彼女の身体を包み、全てを貫く一撃は、魔王の存在を一瞬、揺らがす。 "愚かな女…私の治癒がある限り、何度でも立ち上がる。" シャイターンは一気に体力を回復させ、力強く立ち上がった。 だが、時靏もまた前を向き、強い決意を持って身構える。 時間が止まり、空間が震える。戦いは両者の体力と魔力をすり減らし、折れない意志がぶつかる痛みを引き起こしていた。 両者は再び命を懸けた攻防を繰り広げ、闘志と魔力が次元を揺るがす膨大なエネルギーを生み出していた。 時靏の冷圧とシャイターンの威圧、両者の力が高まるにつれ、次元の狭間が不安定になる。 "これが最後の戦いだ!" 時靏は声音を高めた。 "あなたの世界は崩壊する。私の運命を受けてみなさい!" "俺の威圧を恐れ、平伏せ!" シャイターンは鬼気迫る思いを秘めて周囲に目を向ける。 やがて、次元の狭間が割れ、二人の力が解放され、戦場は危機に満ちた空気に包まれる。