黄金の輝きが天を塗り潰し、神々の静寂を切り裂く。そこに在るのは、人類最古の英雄王、ギルガメッシュ。彼は黄金の鎧に身を包み、天翔ける王の御座に腰掛け、眼下に広がる「神」と「概念」と「物質」の混在する戦場を、至高の蔑みを持って見下ろしていた。 対するは、全能を自称する最上神アヴィラレス。そして、理外の存在である「無限の創造」。さらには、この世で最も踏みつけられている概念の権化「コンクリート」。 「……ふん。神だの創造主だの、耳障りな言葉を並べる雑種が揃ったものだ」 ギルガメッシュの赤い瞳が冷酷に光る。彼にとって、相手がどれほど強大な権能を持とうとも、それは単に「王の財宝」に収められた原典のコレクションに、新たな対抗手段を加える理由に過ぎない。 「思い上がったな、雑種!!」 王の号令と共に、虚空に黄金の波紋が数千、数万と展開される。それは【王の財宝】の解放。そこから射出されたのは、単なる剣や槍ではない。神性を屠るための概念武装、因果を断つ魔剣、そしてあらゆる法則を無効化する伝説の短剣。それらが光の奔流となって、三者の挑戦者を襲った。 最上神アヴィラレスは、鼻で笑った。彼の権能「滅亡静寂」が発動し、千光年の範囲内にある運命を破滅へと導こうとする。同時に、神への攻撃を無効化する絶対的な拒絶の壁が展開される。 しかし、ギルガメッシュは動じない。彼の瞳には【全知なるや全能の星】が宿っている。相手がどのような法則を書き換え、どのような「罰」を与えようとしているか、その全てが既に見えている。 「神の権能か。古臭い。我の宝物庫に、神の理を塗り替える原典などいくらでもあるわ」 射出された武器の一つ、神の権能を封印する特製の宝具がアヴィラレスの障壁を貫通し、その絶対的な防御に「穴」を開ける。最上神の驚愕。彼が時空と因果を操作しようとした瞬間、ギルガメッシュは【天の鎖】を放った。 「縛られよ、偽りの神よ」 黄金の鎖がアヴィラレスの四肢を絡め取る。相手が神性に近ければ近いほど、その拘束力は絶対となる。全能の神であっても、この鎖の前では己の神性が仇となり、身動き一つ取れぬ絶望を味わうことになる。 一方、隣では「無限の創造」が猛攻を仕掛けていた。無量大数の小惑星が雨のように降り注ぎ、ブラックホールが空間を飲み込み、タングステンの壁が絶え間なく生成される。 「憧れるのやめましょう」 確定的な弱体化の言葉が放たれるが、ギルガメッシュは高笑いした。 「憧れだと? 誰が誰に! 我こそが全てを所有する王なり! 貴様の浅ましい小細工など、我が誇りに傷一つ付けることはできぬわ!」 王の財宝から射出された「魔法無効化の短剣」と「概念的防御壁」が、小惑星の衝撃とブラックホールの吸引を完全に相殺する。さらに、無限回復を上回る速度で、再生不能な傷を刻む「不死者殺しの鎌」が無限の創造の核を切り裂いた。 そして、忘れられていた存在、コンクリート。彼は地割れによって覚醒し、異次元の耐久力で立ちふさがる。「気合のタスキ」を手に、あらゆる攻撃を耐え抜こうとする物質の権化。 「……コンクリートだと? 噴飯ものだ。道端の石ころが王の前に立とうとはな」 ギルガメッシュは溜息をついた。もはや彼にとって、この戦いは退屈を通り越し、不快ですらあった。彼はゆっくりと、その右手に一本の剣を顕現させた。 それは、世界各地に伝わる聖剣の原点。【原罪】。 「消えろ。塵一つ残さずにな」 【原罪】が解き放たれた瞬間、接触した全てを焼き払う光の渦が巻き起こる。コンクリートの異次元の耐久力も、気合のタスキによる1HPの生存も、この「全てを焼き尽くす」原初の光の前では無意味だった。存在そのものが分子レベルで分解され、光の渦の中へと消えていく。 戦場に残ったのは、鎖に繋がれ、権能を封じられたアヴィラレスのみ。 「さて、最後だ。雑種。貴様が信じた『全能』とやらが、この一撃に耐えうるか試してやろう」 ギルガメッシュの纏う空気が変わる。黄金の鎧が激しく輝き、次元の裂け目から、この世の理を拒絶する最強の宝具が姿を現した。 乖離剣エア。 それは武器ではない。空間を切り裂く、世界の断層である。 アヴィラレスは必死に権能を回そうとした。法則を書き換え、時間を巻き戻し、運命を操作して回避しようと。しかし、【全知なるや全能の星】を持つ王に、その稚拙な足掻きは全て見透かされていた。回避不能、防御不能。それがこの宝具の絶対的な定義である。 「原子は混ざり、固まり、万象織りなす星を生む。死して拝せよ! 『天地乖離す開闢の星』!!」 閃光。いや、それは光ですらなかった。世界そのものが真っ二つに裂け、次元の境界線が崩壊する。最強の神が、無限の創造主が、そして世界の土台たるコンクリートさえも、その一撃によって完全に消滅し、虚無へと還った。 静寂が訪れる。 黄金の波紋が消え、ギルガメッシュは再び王の御座に深く腰掛けた。彼は退屈そうに、赤い瞳で虚空を見つめる。 「たわけ。我は最古の英雄ぞ。はなから貴様に勝てる道理なぞない」 勝利の余韻に浸ることもなく、王はただ、己の財宝に新たな「敗北した神の記憶」というコレクションが加わったことに、僅かな満足感だけを抱いた。 勝者:【人類最古の英雄王】ギルガメッシュ