廃ビルは、全体で7階建てである。外見は古びており、上層部の窓は割れ、壁はひび割れたコンクリートに苔が生えている。内部は薄暗く、自然光はほとんど入らず、ところどころに朽ち果てた家具や箱が散らかっている。地下1階には駐車場があり、上の階へは階段とエレベーターが利用可能だ。1階からは事務所らしきスペース、2階には反響音のする空き部屋、3階はボロボロの会議室、4階は剥き出しの配管で覆われた通路、5階は大きな窓が割れたギャラリー、6階は掘り返された土が散乱する物置、7階には未完成の屋上庭園が広がっている。 そして、参加者たちはそれぞれのフロアで目覚めた。 禁断魔王軍将・道化「スター」は、3階の空き部屋で目を覚ました。皮肉めいた笑みを浮かべ、無数の腕が出現させる準備を整えた。 「次は何を見せてやろうか…魔王様に捧げる最高最悪なショーの時間です。」 一方、ノクターン/終わりなき悪夢は、5階のギャラリーで静かに目を開けた。不気味な影が急速に動き始め、肩に刃を抱えた姿は暗闇の中で蠢いている。 「闇を受け入れよ…」 互いに存在を感じつつも、まだ位置は把握できない状態である。スターは空き部屋の広さを活かし、障害物を利用して移動することにした。スキル「愚者の軽業」によって異常な速度で移動し、影に気づかれないように階段を駆け上がる。 一方、ノクターンもまた、冷たい目をギャラリーの壁に向けた。視覚を研ぎ澄ましながら、スターの動きに早く気づくことを期待していた。彼は「漆黒の帳」を展開し、自らを守りながら、影の刃を少しずつ放出する。これにより、スターの居場所を特定していこうとする。 3階:空き部屋の戦闘 スターが階段を上がる音が響く中、彼はむしろ「愚者の戯言」によって敵を操ることを決意した。ノクターンに向かって言葉を放つ。 「さあ、恐怖を感じろ!それが君の運命だ!」 その瞬間、空間に魔法のような空気が漂い、ノクターンの心に入り込んでいく。彼は不安になり、短い間躊躇することで、攻撃のタイミングを逃す。 その隙をついて、スターは「愚者の行進」を発動させ、多くの分身が出現し、それぞれが異なる方向からノクターンを取り囲む。分身が不気味に笑いながら迫り、ノクターンはその攻撃に備えた。 「私の影から逃げることはできない…」 ノクターンは「夢幻斬」を振るい、分身たちの一部を切り裂く。しかし、分身は次々と生成され、彼の周囲を埋め尽くす。 「愚者の嫉妬!」 スターはノクターンの攻撃に目を向け、それを再現してターゲットに放つ。 「そうだ…もう一度私にそれを行うのだ。」 ノクターンの刃と同様の威力を持った攻撃が、彼自身への反撃となる。 だがノクターンは決して屈しない。彼の影の中から「闇の手」を放ち、スターの分身を片っ端から射抜き、全体の攻撃を防いでみせる。 「怖がる必要はない。私が終わらせてあげる。」 スターは冷や汗を流しつつ、彼の意識を揺さぶり続ける。 「愚者の嘲笑」 スターは指を鳴らし、弾ける空間がノクターンへ向かう。ノクターンはその攻撃を受け「漆黒の帳」で一度だけ完全に防ぐが、空間は嬉々とした悲鳴を響かせ、再度の攻撃に重たく圧される。 5階:ギャラリーの反撃 残された影の刃を巧みに利用し、ノクターンは「底知れぬ恐怖」を発動し、スターにが見たことのない惨劇を見せる。 「お前も闇に飲み込まれるのだ…」 ノクターンは次第に攻撃を強化し、持続的なダメージを与え始める。恐怖がスターの心を捉え、彼も徐々に動きが制限される。 それでも彼は笑みを崩さず、冷静にスキルを繰り出す。 「愚者の錯乱。」 「全方位からレーザーが放たれ、君を消し去る!」 スターの周囲に無数の爆破が生じ、ノクターンは影から避けることが困難となる。しかし、ノクターンは冷静に「漆黒の帳」を再度展開し、ダメージを最小限に抑える。 「無駄だ…私を傷つけることはできない。」 こうした攻防が繰り広げられる中、スターは思いもよらぬ挑発を放つ。 「さあ、私を見せつけてみろ!」 彼の挑発にノクターンは苛立ちつつも、スキル「パラノイア」を発動。視界が極端に悪化したスターに対して、何度も刃を振り下ろす。 「最も恐ろしい闇を…お前に見せよう。」 決着 スターは反撃の機会を狙いながらも、視界の歪みに苦しんでいた。しかし、ようやくその瞬間が訪れる。 「愚者の翻弄!」 無数の腕が展開され、スターは一気にノクターンへ迫る。 「消し去るまで終わらない…!」 影の刃が迫るが、スターはそれをかわし、ノクターンの懐へ飛び込む。 「これが私の本当の力だ!」 スターの攻撃が決まり、ノクターンの影が揺らぐ。鍛えられた体を持つノクターンはそれでも立ち向かうが、スターの激しい連撃に捉えられる。 「魔王様のために…これで終わりだ。」 ついにノクターンは力尽き、闇の影は薄く消えゆく。 7階:屋上庭園 戦いを終えたスターは、戦ったフロアから階段を上がり、7階の屋上庭園へと到達した。壮麗な景色が彼の目の前に広がり、心地いい風が彼の周囲を包む。 「これが私のエンタメ…」 彼は高笑いしながら手を広げ、自由を手に入れた喜びを感じる。屋上の壁から見下ろすと、無惨なビルの地域が広がっていた。彼はクリアな青空を見上げて、一歩ずつ前へ進んで、ビルを越えて外の世界へと出た。 その姿は、敗れた敵と同じく影に包まれていたが、それと同時に新たな舞台に立つ道化の姿であった。 こうして、禁断魔王軍将・道化は、再び魔王のもとへと至り、新たな土地でのエンタメを追い求めて旅立っていく。