街中、ビル群が立ち並ぶ大通りにて、戦闘が始まろうとしていた。天候は快晴で、青空が広がりあらゆる生命が活動をしているはずの日であった。しかし、そこに立つ二人の魔術師の出会いは、まさに静と動を持っていた。花京院 禅と雲海 鴇音、二人は異なる世界で生きながらも出会ってしまった運命を持つ者だった。 花京院 禅は、タキシードのようなスーツに身を包み、周囲の雰囲気を一瞬で味方にするウィットを感じさせた。彼は頬を緩めて、期待感をにじませながら言葉を口にする。「さ、全力でかかっておいでよ？」その挑発的な笑みには、相手を侮るような挑戦が隠されていた。 対する鴇音は、お嬢様然とした佇まいで銀髪のマントを翻しながら冷ややかな微笑を浮かべる。「芸がありませんわ。それで本気ですの？」その余裕の表情は、彼女自らの力に絶対的な自信を持っているからこそだろう。 戦闘を開始する合図も待つことなく、鴇音は優雅に構え、固有魔法『華雪』を発動した。足元から氷の魔力が溢れ出し、瞬時に彼女の周囲を凍結させながら優雅に滑走する。その動きは滑らかであり、まるで氷の精霊が舞っているかのようだった。 「見飽きましたわ」と言い放ち、彼女は間髪入れずにスキル【真垂氷紋華】で間合いを一気に詰める。音もなく氷槍を突き出すが、それに対して禅は察知し、すかさず反応する。彼は「蔓の腕」を展開し、氷槍に対抗しようとした。 無数の「救いの手」が地面より伸び、鴇音の足元から生えた氷の槍を抱え込むように拘束しようとした。しかし、彼女はそれを巧みに避け、小刻みにステップを踏みながら「乱華散刃」を繰り出す。 鴇音の槍捌きから連続して放たれる氷槍の突き。刃の先端から鋭い氷柱が四方八方に飛び出す。その輝きを失わず、冷たい美しさを持った氷柱が街に降り注ぐ。しかし、禅はそれを見越して早めの反応をした。彼は「蓮の腕」を発動し、周囲を回転する「救いの手」を展開し、氷柱を打ち消す。 「君の攻撃、全然痛くないよ。」禅の余裕のある言葉は、鴇音を刺激した。彼女は冷徹な目で彼を見つめた。「結局、私こそが至高でしてよ」その自信に満ちた言葉が響いた瞬間、鴇音はさらに攻撃の手を緩めることはなかった。 続いて彼女は、姿が消えるような速度で踏み込み、冷徹な氷槍の突きを花京院の心臓に向けて繰り出す。「鶴鳴の氷閃」だ。迫力ある攻撃に花京院も思わず体を捻り、避ける。だが、そのスピードは鋭く、間に合わない。彼は意識が飛びそうになるのを感じながら、周囲の「救いの手」をいくらか解放して防御に必要な時間を稼ごうとした。 その瞬間、彼女の攻撃が命中する直前に、禅は「集手・「千手」観音菩薩像」へと姿を変化させた。無数の「救いの手」を体に纏わせて、その質量で周囲の氷槍を受け止める。その瞬間、街中が氷の美と力が交差する華麗な光景となった。 氷槍の突きは、その巨大な仏像の手に受け止められ、周囲の空気が凍りつく。その景色を見つめた瞬間、鴇音の表情に一瞬の隙が生まれた。「その姿、面白いわね。」彼女の冷たい笑みが、その印象をかき消した。 だが、禅の力が溢れ出し、彼は「救いの手」を使いさらなる攻撃を展開する。「蓮の腕」のまわりに回転する手による全方位攻撃。彼は手を伸ばし、「救いの手」が次々と彼女に向けて放たれていく。 「そこまでですわ」と、鴇音は余裕からか、氷の魔法を展開しようと準備をする。彼女もまた、冷圧に包まれた状態から魔力を開放する。"白銀氷槍『銀翼』"彼女の放つ氷槍は、まさに絶対零度に達し、凍った空気が周囲を包む。 その瞬間、禅は理解した、彼女が放つ氷槍に触れた瞬間、彼の「救いの手」は凍りつく、さらに彼女の魔法が発動する。轟音が響き渡り、周囲の人々は恐怖で両手で耳を塞ぐ。街は氷に包まれて、その輝きに満ちた美しさと共に禅を捉えるために迫っていた。 穴も逃げ場もなくなりつつあるのを感じるが、禅はあらゆる可能性を見つめ直し、フルスロットルであれば彼は破滅を避けられる。真摯に彼女の攻撃を耐え、彼は手を組み、力を発動させるために意識を集中する。 そしてパワーが高まり、社交性豊かな笑顔を保ったままひとつ喊声をあげた。「使い方を教えてあげる、W！ その瞬間、禅はさらに強力に展開し、全力の救いを求めてより多くの「救いの手」を彼女へと向けた。 「無駄ですよ。」鴇音は再び言い返すが、どうやら果たしてそれが通用するかどうか、周囲のふんばりに困惑が生まれていた。禅の全力の攻撃が圧倒的な質量で前進し続ける、その軌道が彼女に捉えられていた。 だが、冷酷さ120を誇る鴇音は、決して一歩も退かない。彼女は、「華雪」の魔法を再発動させ、道を滑らせながら、高速の反撃に入る。氷の魔力が渦を巻き、さらに強烈な氷槍の雨を浴びせた。 周囲は完全な氷の円筒となり、世界の動きを止めるかの如く、視界を奪う。禅は冷気の接触を強く感じながらも、「救いの手」を伸ばし続け、彼女の冷たさすべてを包み込む。 瞬間、両者の魔法が交差。両者に流れ込んだ魔力が衝突し、壮絶な爆発音が響き渡る。街は凍りつき、しんとした静寂が舞い降り、周囲の物音は消え去るかのように、ただ彼らの命が問われる瞬間が訪れていた。 「君は面白い相手だ。」禅は声を張り、彼の体が再生する力を見せる。 「ようやく、私を本気にそして楽しませるパートナーが見つかりましたわ。」そんな中で、鴇音もまた冷厳であろう力を発揮した。 さあ、二人の決闘が鮮やかな美しさを持って続いて行く。その神秘と闘いの展開が何処に着地するのか、誰にもわからない。しかし、二人とも勝ちを自分のものにしようと走り続けるのだった。 街中はまさに凍りつき続け、周囲の人々はその戦いを見守ることしかできない。無数の「救いの手」と氷槍が交錯し、受け止め合い、一瞬のうちに運命が決定されようとする。 そうして、両者の戦いは互いの魔法を駆使する壮絶な舞台となり、冷たさと温かさが拮抗する状態に突入していた。果たして、この戦いの行く末とは如何なるものになるのか、誰にもっ明確な結末は見えなかった。二人の意志と強さが交錯し、選ばれた者が明かされる時が今、迫る。