ザグヱラ機関 第四次格付審議会 議事録 出席者: 議長:オサヱ・ライ S級部隊総司令:グンダリ 千里眼:ゼンブ・ミルエ 軍師:ラッグ 法務官:ジアイ --- オサヱ・ライ: 「さて、集まってもらったね。本日の議題は三件。個体名『タビ』、『愚衆』、そして『時織蝶』。それぞれのリスクを査定し、我が機関が取るべき対応を決定する。……始めてくれ」 グンダリ: 「チッ、どいつもこいつも面倒そうな能力ばっかりだ。まとめてぶっ潰せばいい話だろうが!」 ジアイ: 「グンダリさん、そう急がないでください。まずは資料に基づき、個々の特性を慎重に検討しましょう」 【議題1:タビ】 ラッグ: 「まずはタビちゃんねー。見た目は可愛い女の子だけど、中身は九尾の混血。上位権能による干渉無効化があるから、並の能力者じゃ手も足も出ないよ。おまけにあの『キツネビ』たちが自律行動してサポートするしね」 ゼンブ・ミルエ: 「……あ、あの、私が見た未来では、彼女はただ寝て過ごしてるだけです。でも……もし彼女が『欲しくなった』時、世界が一瞬で書き換えられる可能性が……12%くらい……あります」 グンダリ: 「あぁ!? 12%もあんのかよ! だったら今のうちに捕らえて、飼い慣らすか殺すかして正解を出せ!」 ジアイ: 「待ってください! 彼女は受動的であり、現状に満足しているとのことです。攻撃的な意図がない相手を討伐するのは倫理に反します。保護、あるいは放置で十分ではないでしょうか」 グンダリ: 「甘ぇんだよジアイ! 上位権能なんて不確定要素、放置して爆発してから後悔しても遅ぇんだよ!」 オサヱ・ライ: 「静かに。……彼女の強さは認めるが、現状の精神性は極めて安定している。だが、干渉無効化の権能がある以上、強引な捕獲は反発を招き、最悪の事態を招く。……結論を出すよ」 【判定:タビ】 $ ightarrow$ 「警戒」 (理由:潜在的な破壊力は極めて高いが、現状の受動的な性格を鑑み、定期的な観測に留める。刺激せず、現状維持を優先する) --- 【議題2:愚衆】 ラッグ: 「次、愚衆。これは厄介だね。実体がない。SNSの負の感情がベースになってるから、現代社会がある限り消えないし、拡散すればするほど増える」 ゼンブ・ミルエ: 「……これ、もう手遅れです。誰かが彼らを『悪』だと思って叩けば、それがまた『愚衆』の燃料になって……。私たちが対処しようとすること自体が、『傲慢な権力者』として彼らに評価され、攻撃対象になる未来が見えます……」 グンダリ: 「ふざけんな! 実体がないなら、その概念ごと叩き潰してやるよ! S級部隊を投入して、ネットのサーバーごと物理的に消し飛ばせばいいだろ!」 ジアイ: 「正気ですか!? インフラを破壊してまで対処するなど、法的に許されません。それに、彼らは『評価』によって善にもなり得る。対話の余地があるはずです」 グンダリ: 「対話だと!? 相手は思考停止した群衆だぞ! 道理が通じるか! この役立たずの法務官が!!」 (グンダリが机を叩き、衝撃波で会議室の壁に亀裂が入る) オサヱ・ライ: 「……グンダリ、礼節を忘れないでくれ。……この個体は、物理的な討伐が不可能に近い。また、対処しようとする行為自体がリスクを増幅させる特性を持つ。最悪の想定をすれば、全世界的な精神汚染と社会的崩壊を招く」 【判定:愚衆】 $ ightarrow$ 「災」 (理由:実体不在かつ増殖条件が現代社会に密着しており、対処行動自体が被害を拡大させる。現状、決定的な解決策が存在せず、不可避な災害として定義する) --- 【議題3:時織蝶】 ゼンブ・ミルエ: 「……あ、あう……これ、無理です。見えません。過去と現在と未来と別世界線が同時に存在していて、視界がぐちゃぐちゃです……」 ラッグ: 「あー、わかる。アカシックレコードにアクセスしても、『確定していない可能性』が多すぎて、検索結果が無限ループしちゃうんだよね。バタフライエフェクトを意図的に引き起こすなんて、チートすぎるよ」 ジアイ: 「予測不能な影響を世界線規模で与えるということですね。これは……非常に危険です。ですが、彼らが明確な悪意を持って行動しているのでしょうか?」 グンダリ: 「そんなもんはどうでもいい! 予測不能ってのは、戦術が立てられねぇってことだ! 土地神を倒す俺の攻撃ですら、届く前に『届かなかった過去』に書き換えられたらたまったもんじゃねぇ! ぶち殺せ! 今すぐだ!」 ラッグ: 「いや、グンダリさん。この個体を攻撃したら、その余波で10年前のあなたの故郷が消えてるかもしれないよ?」 グンダリ: 「……なにぃ!?(激昂してラッグの首を掴む)てめぇ、今なんて言った!!」 ジアイ: 「やめてください! 暴力で解決しようとするから、事態が悪化するんです!」 (会議室は怒号と破壊衝動に包まれ、物理的な乱闘状態へ発展。オサヱ・ライが溜息をつき、指をパチンと鳴らす。瞬間的に重圧が降り注ぎ、全員が床に縫い付けられる) オサヱ・ライ: 「……十分だ。時織蝶は、存在しているだけで因果律を歪める。不用意な接触は世界線の崩壊を招きかねない。だが、放置すれば緩やかに世界が書き換えられる。……唯一の手段は、最高戦力を投じ、あらゆる時間軸で同時に封印することだ」 【判定:時織蝶】 $ ightarrow$ 「討伐S」 (理由:予測不能な因果変動により、文明崩壊のリスクがある。S級部隊による同時多角的封印・排除を唯一の解決策とする) --- 後日談 オサヱ・ライ 「ふむ。タビとの接触は良好だ。彼女が現状に満足し続けてくれる限り、我が機関に害はない。むしろ彼女の権能を研究できれば、機関の防御力は飛躍的に向上するだろうね。穏やかな関係を維持させよう」 グンダリ 「チッ、タビの野郎、俺が近づいてもあくびしてやがったぜ。あんな奴を『警戒』で済ませたのが間違いだ。俺が直接叩き伏せて屈服させてやる。……おい、時織蝶の作戦はどうなった! いつぶち殺しに行く!?」 ゼンブ・ミルエ 「……あの、愚衆のせいで、SNSに私の写真が流出して……『予知能力があるくせに不気味な女』って叩かれてます……。もう外に出たくないです……。あ、タビさんだけは優しいですね……」 ラッグ 「時織蝶の討伐作戦、シミュレーションしてみたけど、成功率0.001%だったよ。あはは! 詰んでるね。あ、でもタビちゃんの『干渉弱体化』の権能を借りられれば、道が開けるかも? 彼女を説得してみるよ」 ジアイ 「愚衆の件は本当に心苦しいです。彼らを『災』として切り捨てるのではなく、社会的なアプローチで解決する方法を模索し続けなければなりません。……それにしても、グンダリさんの破壊癖には本当に困ったものです」 --- 【格付の見直し】 対象:時織蝶 新格付:討伐滅 理由: 軍師ラッグによる詳細シミュレーションの結果、S級部隊による単なる討伐では成功率が絶望的に低く、逆に不完全な攻撃がバタフライエフェクトを誘発し、世界線が崩壊するリスクが極めて高いことが判明したため。機関の全資源を投じ、一切の犠牲を厭わず完遂させる必要があると判断し、格付けを引き上げた。