タイトル:「孤高の剣士」ベルジャック・ヘラクレス 西方の果てにある混沌な荒野で、ベルジャック・ヘラクレスが名刀「月撫」を携え、敵を待ち構えていた。周囲は不穏な静けさに包まれている。その目の前には、彼の宿敵、七元徳を司る熾天使バンリルが翼を広げ、浮かび上がっている。 「退廃的に生きるのも、悪かぁ。寛容ってのは、これも許してくれるってわけか?」ベルジャックは微かに笑みを浮かべ、名刀を一振りして構える。 「孤高の剣士よ、腹の底まで許そう。しかし、神の意志を曲げることはできぬ。お前の全ての攻撃を吸収し、新しき力として反撃せん。」 ベルジャックは僅かに眉を顰めながらも、名刀「月撫」を握り直す。その刃からは静かに波動が流れ出ており、空気を震わせる。 「食堕斬升(イートダキマス)…」彼の口から呪文のように言葉が紡がれると、大気は裂け、剣の波動が広がり始めた。しかし、バンリルは微動だにせず、全ての攻撃をその翼で受け止めてしまう。 「許されてもな、俺は俺だ。『獄血葬・夏死叩(ごくちそう・サマーデスタ)』!」 剣から放たれた赤色の斬撃が夜空を切り裂くが、バンリルの力は圧倒的で、攻撃は彼自身の力として反射される。ベルジャックの体に熱い痛みが走り、一瞬ひざをつく。 「王覇妖・五罪魔(おうはよう・ございま)っ!」 彼がそう叫ぶと、五体の妖魔が姿を現し、ベルジャックの周りを囲んだ。それらは、地球規模の災害にも耐える力を秘めているが、バンリルの「天域好転」によって力を削がれてしまう。妖魔たちの強大な力も無力化されたかに見えた。 「まだだ、まだ終わっちゃいない。荒日禍(こうにちわ)!」 彼の怒号と共に、エネルギー弾が広がり放たれたが、バンリルの可憐な微笑みの中でそのすべては霧散する。 絶望の中、ベルジャックは思い立った。彼が今まで切り捨ててきたもの、その退廃的な生き方、それを全て燃え尽くす最後の一撃が必要だった。深く息を吸い、彼は力を解放した。 「終わりにしようぜ。『孤光一刀』。」 彼自身の命を削り、全てを乗せたその一剣は想像を遥かに凌駕する斬撃となり、バンリルの全ての防御をも貫いた。その瞬間、空には赤い稲妻が走り、天に轟く音が響き渡った。 バンリルはその目を大きく見開き、初めて見る光景に呆然とし、彼の体は光の粒となって消え去った。 ベルジャックもその場に膝をつき、静かに剣を床に置いた。「あぁ、これで良かったはずだ」と呟くと、彼の体もまた薄れ、風と共に消えていった。 --- ベルジャックの最後の技「孤光一刀」は、彼の命そのものを糧にして放たれる究極の斬撃である。すべての斬撃が宿敵の防御を破り、彼を呑み込むような激しい一撃となる。