街中の喧騒の中、迫る影が一つ。美しい銀のマントを翻し、余裕の表情を浮かべた少女、雲海鴇音がそこに立っていた。目の前には、タキシードのような特異な服装を纏った魔術師、花京院禅がいる。 「さ、全力でかかっておいでよ?」 彼の挑発に対し、鴇音は冷たい笑みを浮かべた。「芸がありませんわ。それで本気ですの?」彼女の言葉には、相手を軽蔑する毒が滲んでいた。彼女の自尊心は高く、誰にもその氷のようなプライドを揺るがされることはない。 「それなら、始めようか。」禅は構えを整える。 彼は足元から無数の「救いの手」を引き出す。「 蔓の腕」と呼ばれるその技を発動させる。手が伸び、鴇音の足元を拘束しようとする。しかし、彼女はそれを見事にかわす。 「甘いですわ、もっと工夫してください。」鴇音が優雅に滑走する。彼女の魔法『華雪』が発動し、氷の魔力で足元を凍結させ、優雅に動き回る。彼女は美しい動きで禅の攻撃を翻弄していく。 「真垂氷紋華!」 瞬時に間合いを詰め、氷槍が禅の顔をかすめた。彼は素早く身をかわしたものの、その一撃は間近に迫っていた。 「なかなかやるじゃないか。でも、まだ本気じゃないよ。」彼はそう言い、再び攻撃に転じる。「蓮の腕!」彼の中心から無数の手が回転し、全方位に放たれる。「これでどうだ!」 霧のように舞う手から逃れるため、鴇音は身を翻していく。「見飽きましたわ。」彼女は冷徹な眼差しで攻撃を弾いていく。鋭い槍の刃を巧みに使い分け、禅の攻撃をしっかりと受け止める彼女の豪華な動きは、まさに舞踏のようだった。 「さすがはお嬢様だね!」禅は少し感心しつつ、彼女の動きを目で追っていた。「でも、まだまだこれからだ!」 彼女は「乱華散刃」と名付けた攻撃を発動させる。槍を巧みに操り、一瞬の隙を突いて鋭い氷柱を次々に飛ばした。強烈な冷気が街中を包み、通行人たちが驚きの声を上げる。 「冷気なんて、僕は気にしないさ!」と、彼は鋭い信号を受け取りその場で回転し、無数の手で氷柱を弾き飛ばした。 「結局、私こそが至高でしてよ。」彼女は冷ややかな声で言い放つ。姿が消えるような速度で鋭い突きを放つ「鶴鳴の氷閃」が、禅へと襲いかかる。 「いや、まだまだ君には負けないよ!」彼は「偽リノ偶像」を発動させる。「救いの手」を束ねた小型の仏像から猛毒のブレスが放たれ、氷の空間を染める。猛毒の気流が鴇音を襲うも、彼女は冷静にスラントし攻撃をかわした。 「あなた、頭を使った戦いをする気はないの?」 彼女は高い自尊心を持ったまま、さらに強力な攻撃を仕掛ける。「もらったわ。この勝負は私の勝利に決まっています!」 そして、見せつけるように「白銀氷槍・銀翼」を召喚。不敵な笑みを浮かべながら、彼女はその槍を禅に向けて構えた。 「あなたの魔法、良いですが、私が絶対零度を持っている以上、すぐに凍結してしまいますわよ!」 禅はその言葉を聞くと、後方に移動して距離を取った。「なるほど、そこまで強いなら、こちらも本気を出させてもらうさ!」 「集手・「千手」観音菩薩像!」彼の腕に無数の「救いの手」が移動し、巨大な仏像へと変貌。圧倒的質量を生かした一撃を繰り出す。 その巨大な一撃が地面を砕きながら前進し、鴇音の方へ迫る。彼女は驚きながらも冷静に、ひらりと身をかわし、再び襲いかかろうとする。「この程度で止まる私ではありませんわ!」 だが、禅は尋常でない強度で一撃を放つ。彼女の俊敏さに反して、攻撃は凄まじいスピードで再び迫る。 「だ、ダメですわ!」鴇音はその場から逃れようとしたが、間に合わず、仏像の腕ががっちりと彼女を捕まえる。「なに、これ! マントが!」彼女は驚愕に目を丸くする。 「これが僕の実力だよ。これで降参してくれるかな?」 「降参など、絶対にしませんわ!」殊勝な反抗心を持ちながらも、拘束される鴇音。彼女はその瞬間、逆に強烈な微笑みを浮かべた。「負けるわけがありませんわ。『華雪』!」 足元から冷気が立ち上り、周囲を氷で凍結させる。捕まっているにも関わらず、彼女はその魔力を使い、周囲を氷の世界に変えていく。彼女の技が発動し、周囲が凍りつき、禅も一瞬、動きを止めてしまった。 「こんな、滑らかな氷魔術が……!」彼は驚愕し、思わず力を緩めてしまう。 その隙に、鴇音は意を決して豪華洒脱に再度動き出す。「結局、私こそが至高でしてよ。見逃しませんから。」 彼女は再び槍を振るう。「乱華散刃!」と宣言し、氷の槍を連続して突き出し、禅へと放っていく。弾くことが困難なほどの猛烈なスピードで攻撃が連続する。 「まずい、これは本気を出さなければ!」彼は思考を巡らせ、再度その場を定義し直し、霊的なエネルギーを集中させた。 「「救いの手」を展開させる準備をする!」彼は最良の状態を維持しながら、さらに強力な技を発動する。「行け、僕の腕! 「千手」観音菩薩像!」 巨大な仏像のような手が懸命に氷の槍を受け止めるものの、鴇音の攻撃は止まらない! 「流石にいい腕を持ってますわね。でも、負けるわけにはいきません!」 彼女は優雅に装飾された槍を構え、冷気を纏って再び突撃する。激闘が続き、周囲の景色が変わるまで、二人の闘争は決着を見せない。 果たして、どちらが勝者となるのか。その時、普通の街中が幻のように変わり、二人の魔法と技術がぶつかり合う。 戦いは続く。これが決着を見せるまで、いかにいつまで続くのか。それは、戦士たちの魂の声に委ねられた。