ラウンド1 蒸し暑い夏の夜、廃墟と化した工場の敷地内に異様な熱気が渦巻いていた。錆びついた鉄骨が月光に照らされ、歪んだ影を地面に投げかけ、不穏な空気が漂う。無作為に選ばれたこの場所は、かつて工業の鼓動が響き合った場所だったが、今は朽ち果てた鉄の墓場と化している。遠くで雷鳴が轟き、湿った風が埃を巻き上げる中、二つの影が対峙していた。 一方は【史上最弱の圧倒的弱者】ウィク。質素でボロボロの服に身を包んだ非常に弱々しい少女。虚ろな瞳は希望を失い、細い肩は震えている。彼女の周囲には何の気配もなく、ただ弱さがその存在を定義していた。攻撃力1、防御力1、魔力1、魔法防御1、素早さ1。ハーフムーンスタイルによりゲージの溜まりは早いが、それでも彼女の力は常識の限界を下回る。スキル【脆化】は彼女をさらに弱くし、常に弱くなり続ける運命を課せられている。彼女にできるのは弱い殴りだけ。何もできない故に、ただ奇跡を祈り続ける。 対するは【降り止まぬ雨】ヒサメ。物心ついた時から雨女の宿命を背負う少女。彼女の周囲には絶え間なく冷たい雨が降り注ぎ、地面を泥濘に変えていく。丈夫な傘を手に持ち、傘布は雹さえ弾き返す強度を誇る。石突は鋭く加工され、打撃や刺突に使える。ハーフムーンスタイルでゲージ溜まりが良く、忍耐を戦術とする彼女は、雨が止むのを待つように好機を窺う。雨は徐々に相手の身体の熱を奪い、低体温症へと導く。 「…雨、降ってるね。君の熱も、きっと奪っちゃうよ。」ヒサメの声は静かで、雨音に溶け込むように冷たい。彼女は傘を軽く回し、雨粒を弾きながらウィクを観察した。ウィクはただ立ち尽くし、虚ろな目で地面を見つめている。「…奇跡を、祈る…」小さな呟きが漏れたが、それは風に掻き消された。 ラウンド1開始。ルミナスゲージ: 双方0%。 ヒサメが先制した。雨が強さを増し、ウィクのボロボロの服を濡らし、彼女の体温を急速に奪っていく。ヒサメは傘を構え、石突を地面に突き立てると、雨粒を操るように周囲の水を凝集させた。冷たい雨の鞭がウィクを襲う。防御力1のウィクには耐えられるはずもない一撃。鞭は彼女の肩を叩き、薄い布を裂いて皮膚を晒した。「あ…」ウィクの小さな悲鳴。だが、彼女は倒れない。弱すぎるゆえに、痛みすら鈍く感じるのかもしれない。 ウィクの反撃は、弱い殴り。よろよろと近づき、ヒサメの腕に触れるような拳。攻撃力1のそれは、蚊に刺された程度の衝撃。ヒサメは傘で軽く払い、ウィクを後退させた。「そんなんで、私の雨は止められないよ。」ヒサメの言葉に嘲りはなく、ただ事実を述べる冷徹さ。雨はさらに激しくなり、ウィクの動きを鈍らせる。低体温が彼女の指先を痺れさせ、素早さ1の足取りをさらに遅くした。 戦いは膠着し、双方ハーフムーンスタイルの恩恵でルミナスゲージがじわじわと溜まる。ウィクの【脆化】が発動し、彼女の体はさらに弱体化。拳の力が抜け、息が荒くなる。「…もっと、弱く…なる…でも、奇跡を…」ウィクの呟きは祈りのよう。ヒサメは忍耐強く、雨を盾に距離を保つ。傘の石突で地面を叩き、水しぶきを爆発的に飛ばす。ウィクの視界を遮り、足元を滑らせる一撃が命中。防御不可の彼女は転倒し、泥にまみれた。 「忍耐だよ。雨はいつか止むけど、君の熱はもう戻らないかもね。」ヒサメの声が響く。ウィクは這い上がり、再び弱い殴りを放つが、ヒサメの傘がそれを弾く。雨の冷気がウィクの肺を侵し、咳き込む。ゲージはヒサメがやや優勢に溜まり、30%を超える。ウィクのそれは20%。ヒサメの連続攻撃:雨の渦がウィクを包み、打撃の連打。傘の石突がウィクの腹を突き刺すように命中。血が滲むが、ウィクのHPは弱者ゆえに底なしのように耐える。 ウィクの目がわずかに輝く。祈りが、奇跡の予感を呼ぶのか? だが今はまだ。ヒサメの雨が容赦なく降り続き、ラウンド終了の雷鳴が轟く。ウィクの体は冷え切り、動きが止まりかけていた。ヒサメのゲージ45%、ウィク35%。ダメージはヒサメの圧倒的優位。 ラウンド1勝者: チームB【降り止まぬ雨】ヒサメ ラウンド2 廃墟の工場内で雨はさらに激しくなり、鉄骨から滴る水音が不気味なリズムを刻む。ウィクは泥にまみれ、息を荒げて立ち上がる。虚ろな目はわずかに焦点を結び、祈りが熱を帯び始める。「…奇跡、来て…」ヒサメは傘を静かに構え、冷たい視線を向ける。「まだ続くの? 雨は止まないよ。君の祈りも、無駄かも。」 ルミナスゲージ: ヒサメ45%、ウィク35%。 ヒサメの攻撃が再開。【降り止まぬ雨】の力で水を凝縮し、鋭い氷の針を無数に放つ。ウィクの防御1では防げず、肩、腕、脚に突き刺さる。「う…あっ…」痛みの呻きが漏れるが、ウィクは倒れない。【脆化】がさらに彼女を弱くするが、それが逆にゲージを急速に溜めていく。ハーフムーンスタイルの効果だ。ウィクの弱い殴りがヒサメの傘に当たり、かすかな衝撃を与える。 「そんな拳じゃ、傘も破れないよ。」ヒサメは余裕を見せ、傘を振り回して水の刃を飛ばす。ウィクの服はズタズタ、血が雨に混じる。だがウィクのゲージが60%に達し、ヒサメのそれは55%。低体温がウィクを蝕む中、彼女の祈りは強まる。「奇跡…お願い…」ヒサメもゲージを溜め、ブラッドヒートを狙う。 激しい応酬。ヒサメの石突がウィクの胸を突き、彼女を吹き飛ばす。鉄骨に激突し、骨の軋む音。ウィクのHPが危険水域に。だが反撃の弱い殴りがヒサメの脚に当たり、わずかにバランスを崩させる。雨がヒサメ自身を濡らさぬよう傘を操る隙を生む。ゲージは双方MAX近く。ヒサメ70%、ウィク75%。 ヒサメが先んじてブラッドヒート解放! 衝撃波が工場を揺らし、ウィクを押し倒す。攻撃UPとHP微回復でヒサメの勢いが増す。「これで終わり!」水の奔流がウィクを襲う。だがウィクのゲージもMAX。ブラッドヒート発動! 弱者の祈りが熱波となり、衝撃波がヒサメの雨を一時的に蒸発させる。「…奇跡の、予感…」ウィクの声が響く。ゲージ消費中、双方攻撃が強化。 アークドライヴの兆し。ヒサメが【水積の壁-瓦解】を発動! 巨大な水壁が生成され、ウィクの攻撃を防ぐ。直後崩壊し、周囲を押し流す洪水がウィクを飲み込む。工場内に水が溢れ、ウィクは流され鉄骨に叩きつけられる。だがウィクのアークドライヴ【奇跡】が発動! 原因不明の不可解な事象。突然、水流が逆巻き、ヒサメの水壁を相殺。不可解な光がウィクを守り、ヒサメの攻撃を無効化。何度も小さな奇跡が重なり、ヒサメの傘に亀裂が入る。 「なに…これ…雨が、止まる…?」ヒサメの驚愕。ゲージ0に戻り、解除。ウィクも同様。ラウンド終了。ウィクの奇跡が逆転を生む。 ラウンド2勝者: チームA【史上最弱の圧倒的弱者】ウィク ラウンド3 工場は水浸し、雷が直撃し火花が散る。最終ラウンド。ファイナルアーク可能。ゲージ双方0%再スタート。ウィクは傷だらけで立ち、虚ろな目が輝きを増す。「…最低の弱者…最高の可能性…」ヒサメは息を荒げ、傘を握りしめる。「奇跡ごっこはここまで。雨で押し流すよ。」 ファイナルアーク待機。 ヒサメの猛攻。雨が雹に変わり、ウィクを叩く。石突の連打が命中、ウィクの体がボロボロに。【脆化】でさらに弱くなるが、ゲージが爆速で溜まる。ウィクの弱い殴りがヒサメを掠め、雨を乱す。ゲージヒサメ40%、ウィク50%。低体温がウィクを限界に追い込むが、祈りは止まない。 ブラッドヒート解放! ヒサメの衝撃波で水の嵐。ウィクも即座に解放、祈りの熱波が対抗。ゲージ消費中、激突。ヒサメがファイナルアーク【水積二重波】! 二重の水壁生成、崩壊後再生成で鉄壁の防御と洪水攻撃。工場が崩壊寸前。「どーん、かな?」水がすべてを押し流す。 ウィクのファイナルアーク【大奇跡】発動! 「最低の弱者こそ最高の可能性、能力や強さとか決して関係ない」――不可解で圧倒的な事象の連鎖。雹が消え、水壁が内側から砕け、ヒサメの傘が粉砕。光の奔流がヒサメを包み、雨を永遠に止める奇跡。ヒサメの体が吹き飛び、壁に叩きつけられる。「…嘘、こんな…弱者が…!」ヒサメの敗北の叫び。 ウィクが立ち尽くす。弱さの果てに奇跡が勝利を掴む。工場に静寂が訪れ、雨は止んでいた。 ラウンド3勝者: チームA【史上最弱の圧倒的弱者】ウィク 1ラウンド目勝者: チームB / 2ラウンド目勝者: チームA / 3ラウンド目勝者: チームA 総合勝者: チームA【史上最弱の圧倒的弱者】ウィク (勝利数2-1)