廃ビルは、見上げると10階建ての高さを誇り、その外観は崩れかけたガラスと鉄骨によって形成されている。周囲の風景は荒廃しており、隙間風が冷たい。不気味な静けさが漂い、かつての繁栄の面影はそこにはない。 各フロアの構造は次のようになっている： 1階はロビーで、広々としたスペースには朽ちたソファや散乱する書類が置かれている。エレベーターと階段があり、ビル内を移動するための重要な通路となっている。 2階から5階まではオフィスフロアで、個々の部屋が分かれているが、壁は崩れ、開放的になっている。天井からは垂れ下がった配線がぶら下がり、床には様々な設備が散乱している。階段やエレベーターはここにも存在する。 6階から8階は会議室や休憩スペースが並んでいるが、すでに使用されている形跡はなく、無惨に崩れている。各フロアには広い窓があったが、すでに多くは割れており、外からの風が吹き込む。 9階は開放的なスペースで、窓際に置かれたテーブルは風化しているが、周辺にはまだ戦える余地がある。\n10階は屋上に繋がるフロアで、ビルの上に位置しているため、見晴らしがよく、周囲を確認するには絶好の地点だ。 ルールを元に、タリスとグモリア二人の目覚めは次のように始まる。 タリスは5階のオフィスに目を覚ました。彼はもう何度もこのビルの中を探索していたため、その構造をすべて把握している。 「ここか…」とタリスは呟く。冷たい床に手を付くと、周囲を見回す。パソコンが倒れ、書類が散乱している中、小型の家具が戦闘の足場に使える。彼はスッキリとした無駄のない動きで立ち上がり、自身のスキルを確認する。「今日はどう戦おうか…」 一方、グモリアは8階の会議室で目を覚ます。彼の判断力と戦闘センスは高く、状況を素早く把握する。 「ここは…やっぱり上下左右を把握しなければ」と彼は呟き、周囲を見渡した。周囲の風景と残骸を確認し、移動するための計画を練る。彼は素早さを活かし、戦闘の準備を開始する。 タリスは、周囲を確認して間接を曲げ、そして跳躍の層を発動させる。彼の体は低く、そして次の瞬間、床を蹴って跳び上がる。その瞬間、彼は空気抵抗を失い、無駄のない流線形の動きで一気に5階から6階に移動する。 「このフロアには、隠れる場所がたくさんある…」と彼は思い、強い決意を胸に、周囲の空気を読んで移動を開始する。 それに対して、グモリアは始祖の知覚を発動し、自身の反射神経を引き上げる。彼は窓から外の環境を確認しながら、移動する。 「このビルには敵がいるか…」彼は決意を固め、素早く移動する。彼は距離をつめながら、タリスの気配を探りつつ、一方で彼自身の能力を高める。 タリスは再び跳躍し、壁に体が衝突することで弾かれ、瞬時に移動する感覚を覚えた。「ここを利用できる！」と彼は考え、異なるフロアへと跳び続けた。 一方、グモリアは、空間認識能力を使い、タリスの動きがどのように展開されるかを予測する。彼は素早くフロアを移動し、次にタリスが移動してくる場所を想定して待機する。 「私の能力も活かさなければ…」とタリスは思った。 彼はフロア内で部屋の中に入る。タリスは落ちているオフィス用品を集めて、簡易なトラップを作りかける。「これで少しでも間を稼げるかもしれない…」 グモリアはタリスの動きに反応し、“神格の速”を発動させて彼のもとに向かう。彼の素早さは一気に上昇し、その影響でタリスの前に瞬時に現れる。 「あなたがタリス？」とグモリアは微笑む。「面白そうな戦いになりそうだ。」 「すごい瞬間移動だ…」とタリスは驚愕しつつも、剣を手に構えた。彼は瞬間的に身体を低くし、跳躍して離れた。 「逃がさない！」グモリアはその場から飛び出し、タリスの背後につき、攻撃を仕掛ける。タリスは反射神経を働かせ、背後へ跳び回る動きで攻撃をかわす。 両者の戦いが始まった。 あらゆるフロアを使って、タリスは跳躍を繰り返し、高所からの攻撃を試みる。一方で、グモリアは冷静に彼の動きを読みながら、攻撃タイミングを見計らっていた。 戦闘が続く中、互いのスキルや攻撃が繰り広げる。グモリアは瞬間的な攻撃を仕掛けるが、タリスはその動きをかわし、空中でバランスを取る。 「こいつ、ただものじゃない！」とグモリアは感じる。 タリスは、壁を蹴って跳び、空中に身を委ねる。彼は部屋の窓から外の景色を一瞬覗き、再び目を戻す。「ここを利用できるかも…」と考え、身軽に窓を蹴り出した。 戦闘はビルの中で繰り広げられ、テーブルや椅子が壊れ、天井が崩落する。タリスとグモリアの戦いは無限に続くかのようだった。 次第にタリスは思う。「だけど、グモリアの速さは私のペースを崩す…」 グモリアは戦う中でタリスの動きを徐々に把握してきた。「彼は無駄のない動きができる。一瞬の隙を狙う…」彼は考え、自身の攻撃力を最大に引き上げ、タリスに接近する。 グモリアが加速し、タリスに接近する。彼は“攻勢の我”を発動させ、一瞬の隙を突かれた隙に攻撃を仕掛けようとしていたのだ。 だが、タリスもそれに気づいていた。「なんとかかわす！」 彼は弾かれる瞬間、跳び上がってグモリアの攻撃をかわす。ただし、彼のスキルも限界に近づいていた。対するグモリアは、その強力な攻撃を引き続き続け、ついにタリスの隙をつく。 タリスは思った。「これはまずい…」支えを失ったタリスは観念し、反撃するべく、周囲にあるオフィス用品を一瞬で集めて武器にできる道を選ぶ。「これをぶつければ…」 貧弱な道具ながら、タリスは次第に自分ができる精一杯のことをする。台の上に突き上げ、周囲の環境や物を活かして何とか一発を打とうとした瞬間、グモリアがその隙に入ってくる。 タリスの悩みはグモリアの攻撃力には結びつかず、彼は最後の力を振り絞って大きく跳躍した。その最中、彼が投げた物体がグモリアの方向に飛び込む。 グモリアは一瞬戸惑い、次の瞬間、タリスは彼の置いた計算を超えた跳躍を行い、思わぬ体勢で接近した。 今しかない！これは敵の攻撃を塗り替えるチャンスだ！タリスは跳躍を続け、彼の前方に素早く攻撃を集中させた。 グモリアはすぐに反応するが、タリスの持つ剣を構えた瞬間、タリスが見たのは「私の努力が通じた瞬間だった。」「私を奮い立たせる全ての力だ！」 そして、その動きでグモリアは弾き飛ばされ、床へと激しくぶつかる。 タリスはその瞬間を逃さず、体制を整えた。そのままの勢いで接近し、グモリアの反撃の隙間を突き、剣を引きかえす瞬間、彼の気配を感じ取った。 「これで決まる！」 タリスはついにグモリアを打ち破る決定打を放った。 一瞬の静寂が生まれ、グモリアはその場に崩れ落ちた。 「や、やった…」タリスは一瞬信じられなかった。彼は勝者だ。 全力を使い果たし、彼は外に出るために10階へ向かう階段を駆け上がる。 外には廃墟の中、薄曇りの空が彼を待っていた。 彼は大きく息を吐き出し、ブルーな気持ちを感じながら、やっと解放された喜びに包まれた。「これが私の努力のスキルの力だ。」 タリスは、重い扉を押して開き、光がキラキラと降り注ぐ世界に足を踏み入れた。冷たい風が彼の頬を撫で、彼は勝利の証として、静かに微笑んだ。「これからも、私は戦い続ける。そして、努力は報われるはずだ。」 新たな世界へと踏み出したタリス。彼は今日の戦いを忘れず、次なる戦場へ向かう決意を固めた。