【戦場：実験室の一画】 無機質なコンクリートの壁に囲まれた場所。そこは、研究者たちの実験の産物が存在し、今まさに二人の参加者が運命の決闘を繰り広げようとしていた。 最初に現れたのは、「失億の彼方古き眠りからの目覚め」なる名を持つ中性的な容姿の女性、リブラだった。白髪と一部分の黒、隻眼に輝く天秤のピアスが印象的である。彼女は、記憶を失い何かを求めているが、その冷静な判断力は失われた過去の記憶を超越していた。 「今私に戦闘を要求するのは些か酷ではないのか？」リブラは短剣を構え、その微笑みの奥に隠された強い意志を見せた。 そして、もう一人の参加者、歌落院失楽が現れる。彼女は白と黒の髪と目を持ち、乱れた服装と草臥れた様子からは、自由と無関心が覗えた。失楽の白衣は実験室の雰囲気に似合い、彼女の持つS&W M500が冷たく反射している。 「ふむ…面倒だが避けられないものか…」彼女はハミ出る煙草の煙を吐き出しつつ、冷静に周囲を観察し、最適な戦略を練り始めた。 戦闘の火蓋が切られると、キマイラが真っ白な肉体を持って現れた。羊と熊猫の力を併せ持つその姿は圧倒的だった。身体強化と見切り、先読み能力により、キマイラは一瞬で状況を把握した。リブラと失楽がその静かな空間に現れた瞬間、彼女たちの本能が制御できない衝動を呼び起こす。 【序盤】 リブラはその短剣を振りかざし、キマイラへと突進する。しかし、キマイラは「見切り」の能力でその動きを先読みし、危険をかわす。リブラの受け流しも虚しく、キマイラの剛健な肉体に一撃を入れることはできなかった。 「なかなかやるな、けど私も負けない。」言葉を残し、リブラは一連の流れるような受け身で後退をし、すぐに間合いを詰めようとする。 一方、失楽は高い機動力を活かし、障害物の後ろに隠れつつ、キマイラとリブラの交戦を観察していた。「私の出番を待つか…この機会を利用するのが最善だ。」彼女は次第に距離を取りながら、撃つ準備を整える。 【中盤】 キマイラは再びリブラに向かって突進。身体強化が発動した状態で、その攻撃のスピードと威力は圧巻であった。 しかし、リブラはその攻撃を回避し、直後に短剣で刺突を繰り出す。しかし、熊猫の性質を持つキマイラは、鋭い反射神経で跳び移り、リブラの攻撃を避ける。 その瞬間、失楽が発した発煙手榴弾が煙幕を蔓延させる。煙の中で敵を探る失楽は、キマイラの弱点がどこにあるかを探ろうとする。「あの獣の性質を見抜き、何かしらの隙をつかないと。」彼女は焦りを知らぬまま思索を続けた。 キマイラは眼前で消え行く輪郭を探るように前進し、リブラによる厳しい攻撃を受け流した。牢獄のような空間で、三人の戦いはどこまでも続いていく…。 【後半】 その時、リブラは何かに気が付いた。キマイラが言語能力を失い、代償として全般的な能力が上昇したことを。彼女はその圧倒的な力と、弱点に対する意識が無いことに気が付いた。そこで、リブラは一瞬の隙を見つけ、強く地面を蹴り上げ、回し蹴りを振り下ろした。 しかし、果たしてその攻撃はキマイラには効果が無かった。 「くっ…！」 逆にキマイラはその余裕を見せ、リブラへと反撃。至高の睡眠魔法を用いた「眠り風」を放ち、リブラの動作を緩慢にしようと試みる。 「絶対に負けられない。ここで倒れたら、私の過去も、未来も失われてしまう！」リブラは表情を引き締め、跳び蹴りをキマイラに放つ。 失楽もその結果を見越して行動する。彼女は高く跳躍し、周囲の障害物を利用し、まさに「踵落とし」でキマイラに迫る。彼女の眼は冷静な観察を捨てず、その集中力を高めていく。 次の瞬間、キマイラは悲鳴のように前へ以下に避け切れないリブラの攻撃を受けるが、その攻撃は序盤のようには彼女にダメージを与えることはなかった。 キマイラの肉体は堅固に、剛健にその攻撃に耐えていた。 一連の反撃の末、失楽の口元が微笑む。「やはりこの獣にも隙があるか。ここで終わらせるはず…！」 彼女は大量の手榴弾を投げ込み、混乱の中でその隙間を突いて攻撃を重ねる。 キマイラはそれに驚き、素早く後退。 【決着】 キマイラの攻撃とリブラ、失楽の連携が始まった瞬間、彼女たちはその隙間を見つけた。リブラが短剣を突き出し、急速に間合いを詰め、失楽は手を放した手榴弾を飛ばし、キマイラはそれに反応できずに防御もできなかった。 轟音が実験室に響き渡る。煙が晴れ、そこに映るのは無残に崩れていくキマイラの姿だった。 「成し遂げた！」と声を揃えるリブラと失楽の姿はどこまでも美しいものだった。 戦いの後、冷え切った空気の中で彼女たちは一度目を見交わし、無言で勝利を噛み締めた。 そして、この奇怪な戦場で、彼女たちの名前は互いに無くとも、運命の交錯の中で一つの物語が刻まれたのだった。 --- 勝敗 リブラ と 歌落院 失楽 の勝利。 キマイラは敗北。