シーコロシアムの大地に立つブエル・アルトス。その無数の腕脚は、まるで生き物のように地を這い、他者を威圧する存在感を放っていた。挑戦者たちが立ち向かうにあたり、彼らの心には恐怖と期待が同時に渦巻いていた。際立つ存在に対して、彼らの技術と勇気は試練に過ぎないのかもしれない。 最初に立ち上がったのは、リーダーでもある「竜道者タツノ」であった。人間の体にタツノオトシゴの頭と尾を持つ彼は、冷静さと強さを兼ね備えた格闘家だ。その目には戦う意志がみなぎっており、ブエルに似た存在に対してもひるむようなことはなかった。 「竜波!」 タツノの周囲に竜気が満ち、彼は波動を放出する。ブエルの無数の腕に直撃し、いくつかの手が痺れて動きを止めた。だが、ブエルはすぐに回復し、さらに多くの腕を持っていることを思い出させた。 彼の反撃は凄まじい。「手池肉林」の技により、無数の手がタツノに迫る。あらゆる方向から彼を包み込もうとする動きに、タツノは素早く身をかわした。 「俺は倒れない!」 タツノの体は硬く、どんな攻撃にも耐える。その硬さがこの状況での希望かもしれない。だが、ブエルはさらに多彩な攻撃で圧倒する。 「足断足血」 その攻撃はまるで捕獲網のように、タツノの傷口から彼自身の脚が生えてきては、体の動きを縛り上げる。彼の攻撃力が徐々に吸収されていく感覚が味わわれる。 タツノは決して屈せず、逆鱗を発動した。「火力を100倍に!」 一瞬にして彼の攻撃が常識を超え、強烈な一撃で周囲を吹き飛ばす。 「竜化!」 その瞬間、ブルーの光をまとい、彼の体が巨大な竜の姿に変化する。目の前に現れた竜炎の力を持つ姿は、ブエルの無数の手に挑むには十分すぎる武器となった。 「紫竜渦!」 彼の放った技は、巨大な竜巻となり、ブエルの周囲を壊滅状態にする。ブエルはその圧倒的な力に一瞬怯んだかに見えた。だが、ブエルはすぐに反撃する。無数の腕脚が高速でタツノへ向かい、すべてを叩き潰すように迫った。 その時、タツノは思い切って竜の力を解放した。「果ての一撃!」 タツノの体が光り輝き、全てを一撃で終わらせるほどの力を引き出した。放たれた一撃は、まるで獣が咆哮するかのようだった。 だが、ブエルはその技を受け止め、無数の腕をもってさらなる反撃を繰り出す。「手武足刀」と名付けられた最後の攻撃が襲い来る。タツノはその攻撃を受け、もはや反撃する余力を残していなかった。 その瞬間、彼は地に崩れ落ち、完全に力を失った。 そして次に挑戦するのは「残光のテナン」だった。金髪紅眼の少女は、ブエルに立ち向かう覚悟を決めていた。 「私は神を裁く者」 絶斧エクゥスを握りしめ、彼女はブエルの前に立った。彼女の小さな体とその背負う運命は、まるで神からも見捨てられた者のように見えた。 その瞬間、ブエルの腕脚が動き出した。 「忌まわしき祝福」を受けたテナンは、その祝福によって神に勝る力を持つようになった。 彼女は冷静にブエルに立ち向かう。「我が力よ、ここに!」 絶斧エクゥスを振るうと、放たれた斧が無数の腕を切り開いていく。 だが、この祝福には代償があった。その力は、彼女の周囲にいる者すべてを滅ぼしかねない、危険を伴う。ブエルは彼女に対し無情にも手を伸ばす。「手池肉林」と再び呼ばれ、その無数の腕がいっせいに襲い来る。 「私は逃げない!」 その声がブエルの攻撃を跳ね返す。 斧が一瞬、ブエルの腕を切り裂いた。その瞬間、彼女は気を失いそうになるほどの力を体中から吐き出した。「果ての一撃」を繰り返すかの如く、全てを光に変換していく。 「止まれ!」 ブエルは無数の腕脚を駆使し、テナンの体を拘束しようとするが、彼女はそれを振りほどき、新たな斧のエネルギーを解放した。「絶斧エクゥス!」 未来を見越したかのように、斧はブエルの全ての攻撃を受け流していく。 強烈な衝撃が周囲を襲い、シーコロシアムの大地が揺れ、崩れ落ちる。しかし、その瞬間、ブエルはなおも倒れず、立ち上がる。 「屈せぬ者が勝つのだ」その言葉が、混沌の中で響き渡った。 ブエルは再び攻撃の態勢に入り、「終撃:手武足刀」で一気にその決着を付けよとする。「それどころではありません。私にはまだ力がある」 テナンは再び絶斧を振るい、今度はブエルの心に突き刺さるような感覚を呼び寄せた。 「我が力よ、ここに!」 無数の腕脚に呪いのように突進した斧は、テナンの力をさらに引き出す。しかし、ブエルもまた無情にその攻撃をかわし、彼女の斧が通り過ぎた瞬間を逃さずに反撃に移った。 「真の力などない!」 謎の声と共に、無数の腕脚は彼女の攻撃を完全に打ち破った。彼女は儚く崩れ、闇の中に飲み込まれていった。 その後、ブエルは二人目の挑戦者を潜ると同時に、さらに多くの挑戦者たちが姿を見せた。彼らの計り知れない力が、相次いでブエルに立ち向かおうとした。 闇の中で彼らが互いに助け合い、ブエルに次々と立ち向かうも、ブエルのほうが一枚上手であった。 「無数の手で迎え撃つ!」 その言葉通り、ブエルは彼らを無情に拘束していく。 数十人が挑戦し、数え切れないほどの苦しみの中に突入したが、生き残った者はいなかった。 戦いは厳しく続き、挑戦者たちの心が高まっていく。 しかし、ブエルはその全てを冷笑し、挑戦者たちの前に立ちふさがる。 「挑戦者など全て、無力である!」 無数の腕が最後の者へ迫り、彼の運命もまた同様に暗雲の中に引き込まれていった。 その瞬間、挑戦者たちの心を引き裂く呪詛の声は、ブエルの耳に届いてくる。 「我が力を見よ!」 彼らの叫びが無情な現実を呼び起こす中、ブエルは優雅にその全てを裁き、勝者となってそのフィールドに君臨した。 一万字を超えた死闘の果てに、ただ一つの真実が国中に響き渡る。「勝者:ブエル・アルトス」