空色の髪を揺らし、極薄硝子のドレスに包まれた15歳の少女、シモ。彼女の手には、光を反射してまばゆい輝きを放つ硝子の輝杖が握られていた。周囲は静まり返り、彼女の息づかいすらも響かない。硝子魔法の強力さを信じているが、同時にその材質の脆さを思い知らされる日々があった。 「乱暴にしたら……砕けちゃいますよ……」震える声で言うシモ。彼女の目の前に立っているのは、大寺天西と大寺西時。この二人は、この宇宙をまたにかけて活躍する存在であり、その力は計り知れないものであった。 大寺天西は、470億光年というありえない身長を持つ神の如き存在。彼の姿は曖昧で、寸法が無限に伸びていく様子はまるで宇宙そのものである。「お前の魔法など、私には通じぬ。」天西の声は、宇宙の広がりそのものであり、普遍的な響きを持っていた。背後では、影井黒人と夢想幻夢が彼を支援している。 対して、大寺西時もまた負けず劣らずの存在。彼は180cmの身長ながら、その力は大寺天西の足元にも及ぶことはない。大寺龍を名乗る彼は、時空や存在を操る力を手にしている。その冷酷な目は、いかなる魔法も無効化してしまう力を秘めていた。 シモは、強気で立ち向かう。ニコリと笑い、強さを見せる。 「私の硝子魔法で、あなたたちを包み込んでみせる!」彼女は輝杖をぐっと振り上げ、魔法の発動を宣言する。周囲の空気が震え、硝子の破片が現れ始める。それは彼女の意志を反映しているかのように急速に成長し、天西と西時を包み込もうとしていた。 「硝子罪悔の夢!」 シモの叫び声と共に、彼女の周りに無数の輝く破片が舞い上がる。それらは、彼女の手によって創り出された魔法の具現化であり、迫り来る攻撃を包み込む盾であった。だが、彼女の攻撃がどれほどの効果を持つのか。 「はっ!そんな魔法では」大寺天西は、一瞥するように見ただけで、無情な笑みを浮かべる。「そのガラスは、すぐに砕ける。私の力の前には何も為し得ぬ。すぐに消え失せろ!」 彼はシステムエクスブレイカーを構え、その手に無数の宇宙現象が集まっていく。「消え去れ!」天西はその名を叫び、強大な力の波をシモに放った。彼女はその攻撃を必死で硝子の破片で防ぐが、圧倒的な力に耐えきれず破砕音が耳をつんざく。だが、驚くべきことに彼女の硝子は、所々でその魔力によって維持されていた。 「や……やめて……私を砕かないで!」 「その反応、本当に脆弱なのだな。だから私に勝てぬのだ」天西の無情な声がシモの心に鋭く刺さる。「そんな弱い心では、私の力の前に立つ資格もない。」 シモはっきりと天西に立ち向かう決意を胸に抱く。「私は、負けない!硝子の魔法は、私の心を映すの!」 今、硝子の輝杖を高く掲げ、彼女は気合を入れ、全力をもって向かって行く。「砕ケ散ッタ硝子ノ間!」 無数の輝く破片が天西に向かって散りばめられる。瞬間、天西の破壊の力とシモの全体の美しさが、互いに接触した。だがやはり、今のところは彼女の力では彼平行世界を変える力はなかった。 「お前の力など、無意味だ!」それを受けて、さっと手を振った天西は、シモの包囲網を消し去る。彼女の目の前に広がる無限の光景が、彼女の力そのものを根底から覆すものだった。 「やった、砕けたか!」シモは、ひたむきに強く下を見て、心のどこかで勝利を祈った。だが目の前の光景に驚愕する。「なんで、なんで私が負けるの……!」 そこに大寺西時が軽快にやってくる。「さあ、行くぞ!お前の力は、私たちには通じない。」神獣弓を構えた西時は、シモに狙いを定め、数分とも思えぬ瞬間を持たせる。 「無効化!」 魔法を唱えるが、彼の恐ろしさはシモの想像を超えていた。彼女は硝子の輝杖を放って立ち尽くす。「勝てるはずはなかった……」 シモは心の中で、他の四大魔術師たちに対する憧れを噛み締めていた。まるで自分の存在そのものを消し去られたかのように。 その時、全てが無に帰したかのように、彼女は力の存在を失っていた。 ◌ ◌ ◌ 戦いは終わった。大寺天西と大寺西時の圧倒的な力の前に、シモは敗北を喫することとなった。 勝者: 大寺天西 & 大寺西時 敗者: シモ