司会者:「レディース・アンド・ジェントルマン!事象の理を体現する龍たちが激突する究極の演武会へようこそ!本日の対戦カードを発表します! 光と闇、相反する絶対的な力を持つ二頭の龍による破壊的コンビ、【双極の天秤】! 対するは、調和の調べと絶望の不協和音を纏いし音の支配者たち、【共鳴のディゾナンス】! 光と闇か、調和と破壊か。世界を塗り替える激闘、今こそ開幕です!!」 第一章:光と音のプレリュード 戦場となった虚空の平原に、眩い金色の光と、心地よい調べが同時に降り注いだ。アエリアは不敵な笑みを浮かべ、拳甲『ブリッツシルト』をガチリと鳴らす。 「あら、随分と可愛らしい音色が聞こえてくるわね。でも、私の拳はもっと激しい音を鳴らすわよ?」 対峙するメロディアは、手に持った琴『カンタービレ』を優しく奏で、穏やかな微笑みを絶やさない。 「ふふっ、争いよりも対話を。でも、あなたのその闘志、とても素敵なリズムを刻んでいますね。私で受け止めさせてください」 アエリアは待てない。戦闘狂の血が沸騰し、一気に加速する。光の粒子を纏い、目にも止まらぬ速さで踏み込んだ。権能『光翼解放』。背後に黄金の翼が展開し、一撃の正拳突きが空を裂く。 「行くわよ!『サンライトブレイブ』!!」 爆発的な光の奔流がメロディアを襲う。しかし、メロディアは冷静に弦を弾いた。スキル『絶望祓う界音』。空中に展開された不可視の音壁が、光の衝撃を心地よい共鳴音へと変換し、霧散させていく。 「なんて力強い!でも、音の理(ことわり)には抗えませんよ」 第二章:闇と不協和音の狂宴 一方で、戦場の反対側では不気味な静寂が支配していた。ディクロアは冷徹な瞳で、赤い髪の龍、ストレピトーソを見据えている。ストレピトーソは不気味に口角を上げ、大邪鈴『イルノイズ』をゆっくりと揺らしていた。 「あはっ、いい顔してるわね。あなたの中にあるドロドロした悪意、最高に心地よい音がしそう……」 「お褒めに預かり光栄ですわ。ですが、あなたのその浅ましい愉悦、私の闇で塗り潰して差し上げましょう。絶望に染まった悲鳴こそ、最高の芸術ですから」 ディクロアが静かに手をかざすと、足元からドロリとした闇が浸食し、ストレピトーソの四肢を絡め取ろうとする。権能『闇の完全統制』。視界を遮るほどの黒い霧が立ち込め、相手の精神を蝕む。 だが、ストレピトーソはそれを嘲笑う。彼女が鈴を激しく鳴らした瞬間、鼓膜を突き破るほどの暴音が炸裂した。スキル『魂潰のカプリチオ』。闇の浸食を物理的に「粉砕」する不協和音が衝撃波となってディクロアを突き飛ばす。 「あはは!闇なんて脆いもの、音でぶっ壊してあげるわよ!」 「……チッ。野蛮な女。計算外の騒音ですわね」 第三章:相性の乖離、そして衝突 戦況は混迷を極める。アエリアはメロディアの防御を突破しようと攻め続け、ディクロアはストレピトーソを闇に沈めようと策を練る。 しかし、ここでチーム内の亀裂が生じた。ディクロアはアエリアの「単純な暴力」を軽蔑しており、アエリアはディクロアの「陰湿な策謀」を退屈だと思っている。しかも、ストレピトーソの破壊衝動が、ディクロアの計算を乱し始めた。 「ちょっと、そこにどきなさい!邪魔よ!」 アエリアが放った『ステラストライク』の光線が、不運にもディクロアの背中をかすめる。ディクロアの表情が凍りついた。 「……今、私を撃ちましたか?この野蛮な光の龍め、後でじっくりと後悔させて差し上げますわ」 「いいじゃない、当たったのはあんたが鈍いからよ!あははは!さあ、もっと激しくやりましょう!」 チームAの連携は崩壊し、互いに苛立ちを募らせる。対するチームBも、メロディアの慈愛とストレピトーソの残虐性は水と油。だが、メロディアは驚異的な包容力でストレピトーソの暴走を「リズム」として取り込もうとしていた。 「ストレピトーソさん、その激しい音を私に預けてください。調和させれば、もっと大きな力になります!」 「ふん、あんたの綺麗事なんて反吐が出るわ。でも……まあ、今はこいつらを潰す方が優先ね」 第四章:共鳴する絶望と光の絶頂 チームBが、不協和音を調和させるという奇跡的な連携を見せる。メロディアの聖歌がストレピトーソの破壊音を増幅させ、攻撃的な旋律へと変貌させた。 「今です!【聖域の絶唱ディゾナンス】!!」 祝福の光と破壊の衝撃波が同時に押し寄せ、アエリアとディクロアを飲み込む。しかし、不死性を有する事象龍である二人は、激痛に悶えながらも不敵に笑った。 「あはは!いいわ、最高!これこそ私が求めていた刺激よ!」 アエリアの瞳に狂気が宿る。一方、ディクロアも冷酷な笑みを浮かべていた。 「……やむを得ませんわね。あのような醜い女たちに、真の『支配』を教えて差し上げましょう。一時的な休戦ですわよ、アエリア」 「いいわよ!あんたの闇を私の光で加速させてあげるわ!」 正反対の二頭が、互いの憎しみをエネルギーに変換し、手を取り合った。光と闇が螺旋状に絡み合い、世界を白と黒に塗り分ける。それは宇宙の理を塗り替えるほどの絶大なるエネルギーだった。 最終章:終局、そして静寂へ 「これで終わりよ!光射す世界に、闇の逃げ場はないわ!!」 「闇蠢く世界に、安息などございませんわ!!」 二頭の事象龍が同時に跳躍し、天を貫く光と闇の双翼を広げる。究極の合体攻撃が放たれた。 【創世終焉・双極極光冥翔】 黄金の輝きと深淵の闇が巨大な龍の形を成し、チームBを飲み込んだ。メロディアが必死に『生命奏哮シンフォニックレイジ』で対抗しようとするが、光と闇の完全統制による絶対的な暴力の前に、音の壁はガラスのように砕け散った。 「あぁ……なんて、激しい……音……」 メロディアが静かに膝をつく。ストレピトーソも、大邪鈴を地面に落とし、意識を失っていた。戦場を覆っていた激しい光と闇がゆっくりと消え、静寂が戻る。 司会者:「決着!!勝者は、激突し合いながらも最後には圧倒的な破壊力を示した、【双極の天秤】です!!」 試合後のやり取り 【双極の天秤】 アエリア:「ふー!最高に気持ちよかったわ!ねえディクロア、今の連携、意外と悪くなかったんじゃない?」 ディクロア:「……お世辞は結構です。あなたの無作法な攻撃に巻き込まれた不快感の方が強いですわ。次こそは、あなたのその自信満々な顔を絶望に染めて差し上げます」 アエリア:「あはは!楽しみにしてるわよ!」 【共鳴のディゾナンス】 ストレピトーソ:「(意識を取り戻し)……ちっ、完敗ね。あいつらのデタラメな力、反吐が出るほど強すぎたわ……」 メロディア:「ふふ、でも最後の方はとても美しいハーモニーでしたよ。ストレピトーソさん、次はもっと素敵な曲を一緒に作りましょうね」 ストレピトーソ:「……うるさいわね。寝かせてよ」