大地が揺れ、周囲の視線が引き寄せられた。リングに立つ巨人、ネック巨人はその名の通り、何をするにも圧倒的な存在感を誇っていた。彼の身長は2200メートル、体重は驚愕の883005620050トン。普通のボクシングでは考えられないほどの巨体は、まさに神話の生物のようだ。だが、そんな巨人に立ち向かうのはたけし、身長170センチ、体重60キロの一般人だ。自信満々の彼は、自らのスキルを信じてリングに立っていたが、その実態はまごうことなき一般人であった。 観衆の視線が一斉に集まる中、ボクシングの試合が始まった。周囲からの期待と不安が交錯する中、リングに立つ二人はまるで異なる存在だった。ネック巨人はその巨大な拳を軽く振り上げ、周囲の空気を震わせる。たけしはその姿を見て心臓が高鳴ったが、同時に、彼が自信満々に長い間自分を最強と信じていた精一杯の想いを振り絞った。 試合開始のゴングが鳴り響き、たけしは一歩前に進み出た。その瞬間、ネック巨人は笑みを浮かべながらも、わずかに体を傾けた。彼の動きはまるでゆったりとした巨星が周りの小惑星を扱うようで、軽く動いただけで大気の流れが変わり、超風圧がたけしの体を吹き飛ばしてしまう。しかし、たけしはそのことすら忘れ、「俺は最強だ！」と叫びながら渾身のパンチを放った。小さな拳が空を切り、ただのダメージ1をネック巨人に与えるも、その影響は微塵も及ばなかった。 たけしは諦めず、今度は少し距離を置いてキックを繰り出す。彼の蹴りは、全身から力を込めたもので、かろうじてダメージ2を与えた。しかし、ネック巨人にはその程度の攻撃は通じない。彼はむしろ笑うかのように、自慢の拳を振り上げてみせた。その瞬間、場が一瞬静まり返る。たけしは顔色を失い、恐れを感じながらも心の中では「これが最強の力だ」と意気込んでいた。 ネック巨人の拳が迅速にたけしの方へ振り下ろされ、たけしは本能的にその攻撃を避けようとするが、運命の一撃は避けることができなかった。その瞬間、たけしは空高く舞い上がり、周囲の観衆に驚きの声が上がる。彼は空中で一瞬、英雄のような気持ちを感じたが、すぐに重力に引き戻され、地面に叩きつけられた。リングが歪み、周囲にいる全ての人々が身を潜める。 そのダメージは圧倒的だった。たけしは地面に倒れ込み、意識が途切れそうになるも、懸命に目を開ける。その視線の先には、笑みを浮かべたネック巨人がいた。彼は自分の拳が生み出した風圧で周囲の風景がどのように変わろうとも、何事もなかったかのように冷静にたけしを見下ろしている。 「俺はまだ負けない！」と叫ぶも、たけしの声は震え、力も入らなくなってしまう。彼の周りに広がる空気の重圧に耐えきれず、ついに彼は意識を失った。 試合の結果は明白だった。ネック巨人の圧倒的な力によって、たけしはリング上で敗北を喫する。彼の絶対的な力の前に、まごうことなき一般人であるたけしは、ただ一つの感情「恐怖」と共に倒れ込むのだった。 ネック巨人の勝利であった。