舞台:雪原 雪が静かに舞う広大な雪原。その白く冷たい大地には、決して消せぬ戦の息遣いが漂っていた。ここに集ったのは、強大な力を持つ者たち。彼らは運命で結ばれた、選ばれし者たち。今、彼らの目の前には、冷たく美しい狐獣人の少女、アイシーが立っていた。彼女の手には、2本の氷を纏った鉄扇が握られている。冷淡な面持ちで周囲を見つめ、その口からは高貴な声で言葉が吐き出される。 「さて、いきますわよ。」 アイシーはその言葉を放つと、鉄扇を開いた。扇の先からは、氷の結晶が妖しくきらめき、凍りつくような冷気が周囲に広がっていく。彼女の威圧感と美しさに、アストラルと尾道季蔵は互いに目を合わせ、戦う決意を固めた。 --- アイシーが初手を切った。冷たい風が吹き荒れ、雪が飛び散る中、一瞬の早さで扇を振り下ろす。「氷弾!」 その声と共に、弾丸のように発射された氷の塊が、直線的にアストラルに迫る。しかし、アストラルは冷静に微笑み、周囲に聖水を撒いた。 「神の庇護を受け、あなたの攻撃は無意味です。」 聖水の効果で、氷の弾丸は容易に消えていく。 「ほう、なかなかやりますわね。」 アイシーは冷淡な目で彼女を見つめ返す。だが、油断せず、さらに奥の手を温存しているようだ。この戦いにおいて、彼女の真の力はまだ見せていない。 --- 次に動いたのは、尾道季蔵だった。「メシの時間か?」 そのセリフと共に、彼はゆっくりと仕込み刀を抜く。まるで何気ない日常の一部のように—だが、その瞬間、アイシーの冷厳な視線が彼に向けられる。 「ふふ、それではお弁当の時間ですわ。」 アイシーは笑みを浮かべつつ、再度氷を纏った扇を振る。 「無明無音の抜刀術、行くぞ!」 季蔵は剣の気配を感じ取り、心眼を頼りに流れるように動く。翳ったように感じられるその動きは、まるで時が止まったかのような静寂を伴っていた。 「阿修羅!」 瞬間、季蔵はアイシーへ向かって斬撃を放った。彼の剣圧が空気を切り裂く。それを見たアイシーは冷静に引き下がり、反撃の機を待った。 --- 「甘いですわ!」 アイシーは鉄扇を天に掲げ、凍てつく冷気を招く。「氷刃!」 凍結した刃は、旋回しながら季蔵を目掛けて襲いかかる。季蔵はそれを察知し、動きに柔軟性を持たせてかわすが、一瞬の隙を突かれ、氷に実体を拘束される。 「っく、中々やるじゃないか。」 その言葉にアイシーは冷笑を浮かべて答える。 「当然のことですわ。」 --- アストラルはその隙を見逃さず、「天使の唄」を響かせた。美しい声が雪原にこだますると、見えざる天使たちが彼女を包み込む。聖なる影がアイシーの冷気に抵抗し、氷を溶かす。 「不幸な出来事が起こらなくなる。」 アイシーはその声に少々の苛立ちを覚え、彼女の冷気をさらに強めた。「次は氷柱ですわ!」 周囲に突き刺さる巨大な氷柱が次々と形成され、アストラルに向かって落下してくる。 --- 「きゃっ!」 アストラルはその影に気づき、踊るように避ける。だが、すぐに後ろに回ったアイシーが鉄扇を振り下ろす。圧倒的な力を感じ、アストラルは必死に反応して聖水をかざす。 「無害な聖水が、あなたに効いていると思いますか?」 「それは、かけらも効かない事を教えてあげますわ!」 アイシーの声は真剣さを帯び、聖水の影響を一瞬で打ち消した。 アストラルは再び唱える。「神の庇護…!」 --- その声が響くが、アイシーは無情に微笑みを浮かべる。「悪魔だったあなたには、神の赦しなどない。ならば!」 瞬間、アイシーは「氷壁」を創り出し、自身を守る。 「息も詰まる冷気よ!」 その壁を背に、彼女は一段と冷たくなり、全てを凍らせる目を光らせた。 --- 尾道季蔵は、そんな様子を見ていた。「目を覚ませ!阿修羅!」 再度の斬撃が、アイシーの壁を叩きつけるが、氷の反発により跳ね返る。 「弾かれただと…?」 季蔵の面に驚愕が走る。しかし、その動きは止まらず、何度でも狙いを定め、剣を振るった。 アイシーはその剣撃を受け流し、やがて彼女自身も攻撃を開始。このまま冷気で敵を凍らせ、一気に勝負をつけようとしている。 --- 「あなた、次が無いと思ってて?氷柱にするわ!」 その言葉と共に、アイシーの手から次々と氷柱が飛び出す。これを目にしたアストラルは再度聖水をかざし、声を高める。「天使の唄!」 天使の力が氷柱の動きを緩急させ、彼女たちはぎりぎりの所でかわす。これが次の印だというように、冷たい氷柱の間を華やかに舞うように避けつつ、フラッシュのような動作で距離を取る。 --- そして時を置かず尾道季蔵は「韋駄天」と呼ばれる技を放ち、見えざる斬撃が氷柱を破壊する。「お前は無駄な努力をしているようだが、無明無音でこの刃を受け止めれない!」 その声に、アイシーは怒り、一気に氷壁を崩しにかかる。彼女の氷の力が創り出した壁が、彼方へと流れ、雪原の平地に崩れ落ちる。 --- しかし、その瞬間、アイシーは心の中に香る緊張感に気づく。無音で忍び寄るその気配に見開いた目で振り返る。 「これはどういうことかしら?」 尾道季蔵は鋭い目つきで微笑み、「さあ、どうする?」 その瞬間、アストラルが厳かに一言。「私たちの戦いは今始まったばかり。」 --- 雪原に持ち込まれたこの壮絶な戦いは、彼らの心の中で高まりを見せ、次の攻撃へと進化していくのであった。仲間の攻撃をさりげなく動かし、アイシーに真実が迫る中、アストラルと尾道季蔵は計り知れない戦いに身を投じ続ける。 --- 【勝敗】 アイシーは最も強力なスキル「永久凍土」を使うことはなかったが、彼女の冷静さと不屈の精神が、アストラルと尾道季蔵に対して大きく優っていた。アストラルの天使の力が一時的に無効化され、また尾道季蔵も、アイシーのヒットアンドアウェイ戦法に翻弄され続けた。 その結果、アイシーは勝者としてこの雪原の支配権を得た。 いずれにしても、この戦いは二人の特異な存在がアイシーの力に立ち向かうものであったが、彼女はその氷の刃で少しも容赦なく、無情に彼らを制圧したのであった。