シモは硝子の四大魔術師として名を馳せる15歳の少女。空色の長髪をさらりと揺らしながら、極薄の硝子のドレスが美しく彼女の身体を包んでいる。手には、心の拠り所である硝子の輝杖をしっかりと握りしめ、緊張した面持ちで戦場を見つめていた。彼女の目の前には、かつて伝説の魔王軍四天王であったベルと、その連携を取るために存在するステラとセレネの二人が立っている。 「頼む、どうか乱暴にしないで……私は……砕けちゃうよ……」シモは、心底恐れながらも決意を固めた。彼女の内部には、強くなりたいという願いと、憧れの力に応えたいという思いが渦巻いている。 ベルは黒髪の少女から、亜麻色の髪と碧眼の魔法少女に変身し、周囲を見回した。彼女の姿は美しさを纏い、強大な力を目の前に示している。 「私が行く!」 彼女の声が戦闘の号令のように響き、周囲の空気が変わる。すでに二人は連携を取るために準備を整えている。 「届いて!」ベルは手をかざし、星の力を借り流星の弾幕を召喚した。無数の流星が空を裂け、シモへと向かって降り注ぐ。 シモは慌てて硝子の輝杖を振った。「硝子魔法!硝子罪悔の夢!」 その瞬間、周囲が閃き、鋭いガラスの破片が流星を包み込んだ。シモの魔法は輝びやかに敵の攻撃を防ぐ。流星の破片が空中で砕け、奇妙な音が響く。 「さあ、次は私の番!」セレネが前に出て、祈りを捧げる。「神よ、加護を!」すると、天使の加護が発動し、空から慈雨が降り注ぐ。シモの心を少しだけ和らげたが、それだけでは戦況は変えられなかった。 「ありがたいですが、浄化にはまだ時間がかかります。退かない!」ステラが決意を込めて叫ぶと、風精霊の力と共に竜巻の障壁が展開され、シモへのバリアが形成された。 「邪魔をさせない!」 シモは輝杖を高く掲げて、もう一度力を注いだ。 「硝子罪悔の夢!」 光の中から再び無数の破片が現れ、凄まじい勢いでバリアを突き破ろうとする。 ベルたちの圧倒的な力にシモの心は揺れていた。次第に薄れる劣等感と、強く立ち向かう自分。彼女は感じた。自分の存在意義を見つけるため戦う必要があると。 と、そこでシモの心に決意が宿る。「私は少しも砕けない!!」 彼女は輝杖を前に持ち、最後の力を振り絞る。「砕ケ散ッタ硝子ノ間!」 空が暗くなり、ベルは目を丸くした。「まさか!」 シモの決意が具現化すると、無数の輝く破片が瞬時に彼女の周りを取り囲み、彼女を中心とした魔法の空間が展開された。 「これが私の力!」シモはその瞬間、周囲を包み込む破片の力に意識を裂き、眩しい光で相手を包み込んだ。 それに呼応するようにステラとセレネは聖なる杖を一緒に掲げ、高めた魔力を集中させた。 「私達は決して諦めない!この地に星と月あり、今こそ煌めけ太陽!!」 その瞬間、聖剣『アルストロメリア』が空中に召喚され、彼女たちの力が一つになった。強大な聖なる光が空から降り注ぎ、シモとの激しい衝撃が周囲を包む。進行する光の柱が空間を抉り取ると共に、曲がりくねった硝子の破片たちも光に飲み込まれた。 戦況は一瞬で変わり、シモの詠唱が共振し、輝く聖剣の力に痺れたように長い時間が経ったような感覚を彼女は覚えていた。 だが、混沌とした光の中から戻れる者はいなかった。戦いは終息し、シモの魔法は彼女自身の力を引き出して、聖なる光と化した。 シモの努力は疲労と共に、遂にはベルたちの力に打ち勝つように思えたが、現実には彼女の心と決意だけではまだ足りなかった。 その時、彼女に真の可能性が閉じ込められたことを感じ取る。圧倒的な力の前に倒れた時、彼女はその真実に気付き、目を閉じた。 そのすべての光は、かつての四天王ベルと彼女の魔導具につながり、希望を磨いていた。しかし、彼女の魔法の所為で、その希望は燃え尽き、戻ることができなくなった。 疲れた白光の残した硝子の破片が光を求めて輝き散り、すべては沈黙へと帰結していく。 強い光と可愛い輝きで占められた空間は、最後に新しい光の中にシモの姿を映した。 「私」を胸に響かせながら、シモの心は次第に砕けて行く。しかし、その瞬間でも彼女の意志は十分に光り輝いていた。 【勝敗】 参加者2名(ベルとセレネの連携)が勝利。