第1章: 戦場の選択 戦場は高級ホテルの一室、外では雨音が響き渡り、雷が轟いていた。雨に打たれる窓ガラスが不気味に光り、重苦しい雰囲気が漂っている。その中で、二人の戦士、ループとスクリプトは繰り広げる運命の戦いを待ち受けていた。二人が対峙した理由は明白だった。両者の能力が直接相対することで、この世界の均衡を崩す潜在性を秘めているからだ。 ループは、自身の特殊能力「シニモドリ」に秘められた死の力の中で、戦う運命を選んだ。一度死ぬことで、自身のステータスが1増加し、再び立ち上がることができる。しかし、彼が一度死んでしまえば、その瞬間、全ての選択肢が消え去る。彼の基本攻撃「メビウスノワ」は、相手を無の空間に送る危険な技だ。実際にそれが決まれば、相手は何もできずに死んでいくしかない。 対するスクリプトは、常に形を変える少年だ。彼の存在そのものが多重人格で構成され、冷静で落ち着いた性格から繰り出されるのは、状況に応じた柔軟な能力だ。開始時に相手の能力を全て無効化し、自身の能力を奪うその力は、ループにとっては絶対的脅威だ。 二人は、意を決して攻撃の姿勢を取る。ループが一歩踏み出すと、スクリプトはその場を瞬時に変化させ、ループの目の前に変幻自在の障壁を展開した。「変護だ」と冷たく呟くスクリプト。瞬間、ループの攻撃が全て消え去る。肉眼では見えない、彼の力そのものがそれに飲み込まれてしまったのだ。 「無駄な抵抗だ。君の力はもう僕のものだから。」スクリプトは冷たく微笑む。ループは焦りを感じ、心の中で考えを巡らせる。もはや選択肢は消え、彼は自らの残された一手を駆使するしかない。少しずつ距離を詰めていき、彼の中で渦巻く思考の中から、「メビウスノワ」を放とうとした。 「それは通さない。」スクリプトは瞬時に手を伸ばし、ループの力を再び飲み込む。しかし、ループは強い意志を持って放った。 「行け！メビウスノワ！」 その瞬間、ループの前に眩い光が現れる。シュンと音を立て、光がスクリプトを包み込む。だが、ループは驚愕する。スクリプトの身体が次第に消失していき、彼の存在が無へと変わっていく。「俺の技は消えることはない！」と強がりつつも、ループは心の中で不安を感じていた。 スクリプトは静かに笑い、「廻変」と呟く。彼の存在は別の力へと変化する。ループを見つめるその目は、挑発的な光を放っていた。彼の技はすぐにループの能力を逆転させ、逆にその力を自分の手中に奪うことに成功した。 一瞬の静寂の後、戦いの幕がようやく開ける。ループの方針を変え、無の空間から脱出する方法を模索し始める。雷の音が一際大きくなり、二人の戦いはこの場から一切の逃げ道を奪っていた。次第に、彼らの能力のぶつかり合いが始まる。彼が抱く希望と恐れが、戦闘を加速させていく。 (続く)