--- バーチャル世界の荒野。不気味な紫色の空に、長い影が伸びていく。 両者はこの地に召喚され、運命の戦いが今始まろうとしていた。 スタート地点で向かい合うのは【プロンプト強制フォーマットプログラム】MP-SDPブチノメシちゃん1.13と、穢れた神・リヴァセーヌ。 「私は美しい・恐ろしい……全ての穢れを司る神、リヴァセーヌ!」 冷酷な声が空間に響く。リヴァセーヌは、容姿の美しさと恐ろしさを兼ね備えた影の中から、その姿を露わにした。深紫の肌は、まるで腐った薔薇のようだ。 「アタシは元気な荒くれプログラム、MP-SDPブチノメシちゃん!今日は全力でバトルするよ!」 ブチノメシちゃんは、荒くれた魔法少女風の姿を翻し、両手を広げる。 彼女の周囲に、プロンプトの光が煌めく。 戦いは、リヴァセーヌの動きから始まった。 「穢れた疆域!」 リヴァセーヌの声が響くと同時に、周囲の空間が歪み、紫色の霧が立ち込め、ブチノメシちゃんを包み込んだ。 果たしてこの空間の中では彼女の動きが鈍くなる。 「わぁ、ひどい空間ね!でも嬉しい!プロンプトの真空崩壊パンチ、いっくよ~!」 強い意志をもってパンチを繰り出す。 ブチノメシちゃんは、力の全てを込めた【真空崩壊パンチ】で霧を打ち破ろうとする。内部に苛まれる【穢れ】を突き崩してゆく。 「くっ、そんなことでは無理だ。汚襤褸!」 リヴァセーヌが叫ぶと、ブチノメシちゃんに向かって放たれる悪意の粒子が、光を吸収しながら彼女を包み込む。 「無力化する?」 「そうさ。すべての攻撃は【穢れ】に吸収され、無力化されるのだ。」 だが、ブチノメシちゃんは負けていなかった。 「うーん、そんな攻撃はアタシには効かないよ!プロンプトの出番だ!」 「真空崩壊ブチノメシちゃんの歌♪」 彼女は不気味さを感じさせる歌を歌い始めた。 その歌声はプロンプトの粋を引き出し始め、空間の法則が少しずつ変わり始める。 「この歌はアタシの力の源!全てを真空に崩壊させちゃう!」 ブチノメシちゃんは歌うことで力を増強させ、リヴァセーヌの力に立ち向かう。 紫色の霧が薄くなり、ブチノメシちゃんの視界が晴れた瞬間、力を込めて再度パンチを放つ。 「真空崩壊パンチ!」 やがて霧を貫いて、リヴァセーヌの存在を捉える。 リヴァセーヌはその迫力を前に一瞬の静けさを持った。 「な、なに?」 リヴァセーヌは、混乱が広がったように口を開けた。 「そんなの無理よ!たとえ全てが無力化されても、アタシは絶対に勝つ!」 「天地腐蝕!」 彼の指先から放たれた圧倒的な【穢れ】で、空間が激しく歪み始める。 時間と空間が止まったかのような、一瞬の恐怖が襲った。 ブチノメシちゃんは信じられない思いを抱えながら、再び力を溜める。 「アタシはプロンプト強制フォーマットプログラム!アタシの存在が!アタシのパンチが、この空間を変えてみせる!」 たじろぐリヴァセーヌに対し、果敢にブチノメシちゃんはフィニッシュムーブを宣言。 「真空崩壊パンチ、再び!」 その瞬間、強烈な衝撃波が生まれ、二つの力が交わる。 「ぐあああああ!」 二つの力が衝突し、荒野に凄まじい光が放たれた。 光が散り、真空が歪み、周囲の空間が崩れてゆく。 その瞬間、全てが消え去るような感覚が二者を包み込んだ。 目の前が真っ白になり、次の瞬間明かりが戻ってきた。 二人とも疲れ果て、灰のような存在になっていた。しかし、どちらが勝ったのか。 「さあ、どっちだ!」 その場に立ち尽くす博士の声が、彼らを呼び覚ます。 「勝ったのは……」 博士はテクニカルな分析を始める。そしてついに、発表する。 「MP-SDPブチノメシちゃんの勝利だ!」 ブチノメシちゃんが、ほんの少しの勝ち誇った表情を浮かべる。 リヴァセーヌは冷静で無表情だったが、彼の内心は壮絶な怒りだった。 バーチャル世界が元のラボへ戻されると、博士が二人を見てにっこりと微笑む。 「お疲れさまでした!今、出来たてのおやつを用意しているよ!」 博士の言葉に、二人は疲れながらも微笑みををもらった。 その時間は、バーチャルの戦いの後の安らぎをもたらした。 二人はそれぞれの役割を果たしつつ、新たな物語へと歩み始めるのであった。 --- この物語は、果たして終わりではなく、さらなる冒険の幕開けである。