廃ビルは、黒い雲に覆われた薄暗い空の下にそびえ立つ、全5階建ての構造をしていた。各フロアは、がれきと錆びた金属の混在する様相で、かつての繁栄を物語っている。1階には広いロビーがあり、階段とエレベーターが中央に配置され、とても狭い通路がいくつか設けられていた。2階には会議室が点在し、古びたテーブルや椅子が乱雑に配置されている。3階には倉庫のような空間があり、さまざまな散乱物が置かれている。4階は使用されていないオフィスが何部屋もある、薄暗く霧のような空気が流れる場所。5階にはカビが生えた壁の裏に隠れた秘密の部屋があるとの噂も流れている。 マグロレッド──本名「魚富ユウヤ」は、思わず目を開けた瞬間、自分が見知らぬ場所にいることを理解した。廃ビルの3階、散乱した物の中で、彼は目を覚ました。自分のヒーロースーツがしっかりと体を包み、自身の変身を思い出した。「決して止まらぬ赤き正義!マグロレッド!」と、大きな声を張り上げ、彼はすぐにその目を光らせた。どこかで敵と戦えそうな気配を感じたからだ。 一方、廃ビルの2階で目を覚ました男がいた。彼の名は「口減らずの魔法剣士」。サングラスをかけた彼は、天井が低く、陰湿な空間に身を置いている。周囲を見回し、少々面倒臭い顔をしてから、彼は口を開く。「ここは一体、どこなんだ?」 「心配しなくていいわ、戦う相手が色々いることは分かるから」小言好きでお世話焼きの妖精娘の声が響く。彼は少し苦笑しながら、彼女に一言。 「知ってるか?妖精さん。こういう状況、強烈に面倒臭いぜ。」 マグロレッドは、マグロの切り身のような形状の「アカミブレード」を握りしめて、4階へ上がるために階段を駆け上がった。一方、魔法剣士は飛んでいる妖精の声に導かれつつ、3階の物の背後に潜む敵を待ち構えていた。 「こっちは何でも来いよ!」マグロレッドが4階に踏み込むと、すぐに彼の目の前に明るい影がぶつかりつく。「決して止まらぬ赤き正義!マグロレッド!」と叫び、敵を探し出す。彼の胸が熱くなる。 一方、廃ビルのアーティスティックなアプローチには、口減らずの魔法剣士も気づいていた。「さて、どこに隠れているのかな?俺の魔法剣を楽しみたい奴がいれば、この俺を呼びな。」彼は周囲を確認しながら、少しずつアプローチを進めた。 隠密行動を得意とする彼は、誰かがやってくる気配にて反応した。「さて、まずはお披露目だ、相棒。」彼が叫ぶと同時に、魔法の刃が一つ現れる。「これが豪炎の刃だ。熱い攻撃をお見舞いしてやるぜ。」温かい香りが異次元から流れ、敵を迎え撃つために鎌のような刃が生まれた。 だが、瞬間、この冷たい風が吹き抜け、マグロレッドの圧倒的な存在感が彼の背後に迫っていた。「ぬっ、マグロの熱が伝わってくる感じがする。本当に赤き正義なわけ?」 鏡的に、焦点を合わせた二人は、それぞれの武器を握りしめ、睨み合った後、同時に飛び出した。マグロレッドは、サンマイオロシを発動し、剣を巧みに振るい敵を切り裂こうとした。その瞬間、魔法剣士も紫電の刃で華麗な細身の剣術を見せ、爽快な切り返しで応戦する。 「アンタの情熱、無駄でないといいけどねえ。」口減らずの魔法剣士は皮肉を言い、さらに魔法の刃を切り替えて風の魔法に変える。「風迅の刃、いくぜ!」 両者の戦いはますます過酷さを増していく。マグロレッドはニギリコブシの攻撃を発動する。「これが情熱だ!」左腕に展開したスメーシールドが敵の攻撃を防ぎ、次の瞬間、氷のような空気が4階の部屋を埋め尽くした。\n それから、膠着していた戦闘が再び動き出す。マグロレッドのスピードを取り戻した彼が必殺技、レッドオアイソスラッシュを放つと、空気が振動し、周囲の物が倒れ、土埃が舞った。「覚悟!」 「その技、ちょっと退屈ね。」口減らずの魔法剣士は、範囲を見定め、超・高速移動の紫電の刃で反撃の糸口を探る。魔法によって力を強化された姿は、まるで矢のように瞬時に突進した。 必死の戦闘が続く中、両者の技がぶつかりあう。サンマイオロシと豪炎の刃が激しく交差し、ニギリコブシと紫電の刃が鋭さの両方で打ち合った。そこに新たに湿気の溜まっていたカビの生えたオフィスのガラスが、破れ、明かりを求めるように激しく割れた。 戦闘が続く中、ビル全体はその力に反応するかのように、揺れ動く危険な兆候を見せはじめた。「楽しませてくれるな。だが、呪文を忘れたとは思わせないぜ!」 最終的にマグロレッドは、目の前まで迫った口減らずの魔法剣士の動きに感じ入った。今こそ、決定的な一撃を放つ。彼は立ち上がり、技を一段階上げた。「さあ、こっちにも熱い正義を見せてやる!レッドオアイソスラッシュ!」 それを不意を突かれた魔法剣士は身を翻し、妖精が叫び声をあげて他の魔法を発動しようとする直前に、マグロレッドの技が炸裂した。周囲が爆発するかのように色とりどりの光が広がり、ビルが揺れ動いていた。 戦闘の果て、最後の力の一撃が彼を捉え、口減らずの魔法剣士は地面に倒れ込んだ。彼の妖精の声は遠くから少しずつ消えていく。「やるじゃない……でも、まるでいつもの結果だ。」 勝者が確定し、マグロレッドが大きな声を張り上げた。「決して止まらぬ赤き正義!俺の熱い盾は消えぬ!」その瞬間、ビルの壁は崩れ落ち、彼は新鮮な空気と光に包まれた外へと駆け抜けた。 太陽が彼の赤いヒーロースーツを照らし、彼は高らかに叫び上げた。「人々の食を守るため、俺は立ち上がる!マグロレッド、いくぞ!」 彼は廃ビルの中での壮絶な戦闘を振り返りながら、心に赤き正義を抱いて、爽やかな笑顔で街の方へと進んで行った。