①世界を滅ぼす日 地球の静かな日常は破滅に向かって、じわじわと音を立て始めた。大気は不気味な色を呈し、世界中で異常気象が頻発していた。人々は感じ取る、終末の気配を。 その日、【動物の統率者】イバーノ・モルランが姿を現した。巨大な猿の足、孔雀の翼、イカの腕、そしてヘビの頭は、その圧倒的な存在感を放っていた。彼は地球の真上に立ちはだかり、圧倒的な力を誇示した。 「これが私の新たな領域だ。人間よ、恐怖に震えよ。」 その言葉に続き、イバーノのオーラが渦巻き、動物たちが次々に異形のキメラへと変貌していった。 人々が逃げ惑う中、この世界を滅ぼそうとする彼の企みも着々と進んでいた。彼の意志が、動物たちを狂暴な存在に変え、各地の都市が瞬く間に崩壊していく。 一方、消滅のアシスタは静かに様子を見守っていた。彼の目には、イバーノの無慈悲な行動に対する一抹の憐れみの色があった。 「どうして、こんなことを…」 彼はつぶやく。「人類を全て消し去る必要などないはず。もちろん、すべてのものの消滅をもたらす私としても、私の命を賭ける価値があるとは思わないが。」 果たして、彼の心の中には未練があった。親しい人間を一握り残すことを望んでいたからだ。彼は自らの命を犠牲にしてでも、救いをもたらそうと決意していた。 ②終焉の後 地球が滅ぼされ、かつての繁栄は消え去った。崩れたビルの合間から、静けさが戻ってくる。イバーノとアシスタ、二人の存在は、過去の出来事の残滓のように思えた。 「私たちの行いは正しかったのか?」 イバーノはつぶやく。 「人類の脆さを思い知ったまでだ。」 彼は任命した数人の人間を見つめていた。彼らは呆然とした表情で、かつての仲間を失った悲しみに潰れそうになっていた。 アシスタは彼が目を向ける方向を見ていた。「それでも、彼らの存在は我々にとって意味のあるものだったかもしれない。地球は新たな形に生まれ変わる。私たちがこの手で消滅をもたらしたのだから。」 「新たな形だと?それはどういった形だ?」 イバーノは興味を持った。「彼らを守っていくのか?」 「私には、すべてを終わらせる力がある。しかし、その中でも出会った絆は消え去るものではない。残した人々を守るため、あなたにも手を差し伸べてもらいたい。」 二人の意見は異なっていたが、目指すものは同じだった。 また、人々が作り出した世界に新たな可能性が宿ることを、イバーノとアシスタは静かに受け入れていた。 その後、彼らは新たな地球を形作り、残された仲間と共に、次なる未来を築くための旅を始めた。人間と動物の統合、かつての教訓を生かし、時代を超えた新しい関係性を模索するのであった。 「消滅は終わりではない。むしろ、私たちの新たな始まりなのだ。」 アシスタの言葉が響く。 二人は共に、まずは残された者たちが希望を取り戻せるよう、ゆっくりと歩き始めた。