戦場:城下町 薄暗い雲に覆われた空が、城下町を陰鬱な影で包み込む。そこはすでに戦火に飲み込まれた村であり、かつての繁栄を象徴する城跡は、今や炭化した廃墟と化していた。 戦場の中心には、血に濡れた地面を踏みしめる一人の剣士が立っていた。その名はグレイル。彼の背中には炎が立ち昇っており、目は怒りに満ちている。彼の目の前には、ふたりの強力な敵、魔神帥シリウス・ルシフェルと、その共闘者であるエンパシー・フォースが構えていた。 「我が剣術を受けてみよ、シリウス!」 グレイルは長剣を高く掲げ、その刀身に焔が流れるように舞った。 シリウスは冷静な表情でその動きを見守り、ゆったりとした姿勢を崩さなかった。すでに彼の手には「羅之鎌」が握られ、暗闇に溶け込むように身を隠している。 「さあ、心して待ちなさい。」 エンパシー・フォースの冷淡な声が響く。彼女の視線はグレイルに向けられ、その正四面体が宙に浮んで弾く光を放ち続けた。 第一ラウンド:刃交わる グレイルが一気に踏み込む。長剣が焔を孕んだまま前へ振り下ろされる。「焔斬」だ。 シリウスは瞬間的に「羅之鎌」を振るい、自らの周囲に暗闇を纏う。攻撃は彼を貫通することなく虚空へ消え去った。 「貴様の攻撃は無意味だ。」 シリウスは冷たく笑った。 グレイルは反撃に転じ、今度は「流斬」を放つ。鋭い風を切り裂く音が響く中、彼の剣技はまるで流れる水のように滑らかだ。攻撃はシリウスを狙うが、彼は軽やかに闇に消え、攻撃を避けた。 「流石は悪魔、やはり速いか。」 グレイルは心の内で呟く。 その時、エンパシーがグレイルに向け深い無の空間を感じさせた。彼女の心の隙間が彼の思考に入り込んでくる。 「我の思考を操りおるな!」 グレイルは怒りに任せて、再び剣を揮った。自らを奮い立たせ、彼は「変則斬」を放つ。 「心の隙を狙い、貴様を打つ!」 第二ラウンド:心の攻防 だが、エンパシーの仕掛ける心理攻撃は次第に効いてきた。彼の剣は虚を突くことができず、無情に空を切る。彼の攻撃は自らの心の闇と反発し、武器の一振りが命中する感覚が消えていく。 「この感情を、いかにいつまでも持ちこなせるか見ものだな。」 エンパシーは彼の心を操り、内なる不安を煽ろうとする。 「不安なんぞに負けるか。」 グレイルは強い意志を持ち、その逆境を乗り越えようとした。心の内の強い情熱が彼を奮い立たせ、再び焔がその剣を包み込む。 「我は怒りに満ちている。この怒りが我を強くする!」 彼は「鳳炎斬」を決意し、燃え盛る刀を振った。 シリウスも同時に「深淵の支配」を行使する。攻撃する度に羅之鎌がより鋭くなる感覚に浸り、彼は自分の速度と威力を高める。 第三ラウンド:怒りの一撃 グレイルが斬り込む。煌びやかな焰を共振し、彼の剣はより大きな力を込めて振り下ろす。シリウスはこの攻撃を避けつつ反撃のために前に切る。 彼の「羅之鎌」が暗黒の刃を生み出し、グレイルに迫る。しかし、彼はその剣を立てて迎え撃つ。 「これぞ、我が怒りの力だ!」 グレイルは自らの能力を引き出して「紅蓮ノ憤怒」を発動した。 背中から竜翼の様に焔が広がり、まるで天空が裂けるかのような大火炎が前方へと広がった。 シリウスは目を細め、ロゴスの鎌を持つ。その力を感じ取り、片手で受け止めようとした。 「早過ぎるぞ、グレイル。」 しかし、グレイルの怒りは制御不可な火炎の洪水と化した。 終焉:勝利の果て エンパシーも必死に心を操ろうとするが、彼の攻撃は習慣によって避けられず、ついに彼の身体に直撃する。 グレイルの剣は剣舞の如く、一閃の中に二つの存在を焼き尽くし、二人を焰で包んだ。その瞬間、彼の視界が虚空に埋もれていく。 「我が全力を、見せてやる!」 激しい炎に揉まれながらも、彼は立ち上がり続ける。 燃え盛る炎が、彼の怒りの象徴としての証であり、終戦のファルシに響くように高く立ち上る。 城下町は静まりかえり、その後に燃え盛る焰だけが残された。 勝者の名 - グレイル