夜空は濃紺の幕に刺繍されたように、無数の星々が輝いている。まるで微笑みのチトニアが、彼女の存在を知らせるために現れたかのようだ。この現象を見上げる者は、自然と心が安らぎ、幸運の訪れを実感する。 「見て、カタリィ!」魔法少女アルシュ・ピンズは空を指さした。 「大きな空のお嫁さん、微笑みのチトニアが見えるよ!」彼女の声は興奮に満ちている。 カタリィはその様子を見るに、目を輝かせて頷く。「実に美しい、実に素晴らしいね。詩にしなければ、心が満たされないくらいだ。」彼女の口調は詩人特有の旋律を帯びており、夢幻の世界に引き込むような魅力を放つ。 その瞬間、空の星々が微妙に瞬き始め、まるで少女が微笑みそのものを感じさせる。「ほら、見えるかい?この星々の調和が、いかに素晴らしきものか。快晴と喜びの予兆が、ここにあるんだよ。」 背景にはムテキマン3号が立っていたが、彼の存在はまるでそこから放たれる光のように無形であった。彼はただ立っているだけで、周囲の空間を無の存在にしてしまう。 「この美しい景色も、無存在になってしまうのか?」魔法少女アルシュはそのことを考え、少しだけ不安になったが、魔女カタリィはその場の雰囲気を和らげるような言葉を紡ぐ。「心配するな、アルシュ。この瞬間は、確かに存在するのだから。」 そしてこの奇観を眺めながら、彼女達はさまざまな感情を抱えていた。冷たい夜風が、心の内に贈られるように吹き抜けていく。 「この瞬間、どれほど慈しみ深いか…」カタリィは思わず言葉を漏らし、リュートを掲げた。「歌おう、この星々の舞踏を、歌おう、そしてこの世界の物語を。」 「私の魔法も、みんなを守るためにあるんです。」アルシュはまたしても微笑みを浮かべて、空に掲げられたチトニアに向かって声をかける。「この幸運、皆に分けてあげたいな。」彼女の目に映るのは、鮮やかな星々の輝きだった。 だが、その瞬間、空が一瞬、暗くなる。ムテキマン3号がその存在感を際立たせるかのように、彼の能力が周囲の空間を一つの輪で覆ってしまった。どれも存在しない空間に塗り込められる瞬間、カタリィはその効果を見越して口を開く。「無であるということは、存在を超えた祝福だ。だからこそ、この景色も魔法も、心の中に永遠に保たれるのだい!」 その一言が、星空の中に響き渡り、彼女の言葉はまさに魔法のように周囲を包み込む。空の星も、その瞬間彼女の言葉を映し出すように輝きを増す。 「やったね、カタリィ!」アルシュも負けじと嬉しそうに両手を上げ、空を映した。 「ええ、本当に素敵な瞬間です。それは決して失われぬもの。」カタリィは深い呼吸をし、さらに力強く詩を歌う。「微笑む星の下、君と共に築くこの物語。刹那の夢が続くように、夜空の下で。」 その言葉は青空に消えていき、薄明かりのように星々が再び輝き始める。 「うん、みんなの心が一つになって、本当に最高の瞬間だよ!」アルシュは微笑み、明るい思いを持ち続けた。 ムテキマン3号はその場に立ち尽くし、感情のない存在のままでありながらも、このすべてを識っていた。役割を果たしつつある様子を、どこかしら満足しているように見える。 「これからもずっと、こうしていられますように!」アルシュは今、何もかもを受け入れる気持ちで微笑んだ。 「そうだね。微笑みのチトニアが永遠に我らを見守ってくれる限り、この瞬間は失われることはない。」カタリィもその口から微笑みを込めて確かめ合った。