四方に分かれた四つの門から、次々と参加者が姿を現す。激闘が始まるその瞬間、空気が震え、周囲の熱気がすべての参加者に纏わりつく。彼らの運命はまだ誰にもわからない。 まず東の門から現れたのは、牛と馬のぬいぐるみを手にした小さな少女、メリス・サリソン。無邪気な笑顔で、「一緒に遊びましょ?」と叫ぶ。その声が場を明るく盛り上げるが、彼女の持つ能力が相手に不気味な印象を与える。 次に現れたのは、洩矢諏訪子。カエルの模様の和服に身を包んだ神は、酒を片手に優雅に微笑みながら、「よし、酒祭の時間だね。」とつぶやいた。彼女はその身に宿る力に自信を持ち、他の参加者たちを見据えた。 「次は俺だな!」と元気に声を上げたのは、毒耐性特化型の勇者セイジ・タイマリフ。ロングソードを自慢げに振り回しながら、「なんか俺の能力、限定的すぎね?」と少し苦笑いした。けれども、その体勢には確固たる決意があった。 最後に、放浪者のフロイデがゆらゆらと登場する。「うふふふふっ、楽しそうなところね〜」その言葉に、周囲はどこか穏やかな気持ちを感じる。しかし、彼女の背後には、理不尽な幸運がひしめいている。 戦闘が始まった瞬間、メリスが手をかざし、彼女の能力が発動。洩矢諏訪子を一瞬にして小さく縮小させ、まるでおもちゃのように扱う。「やった!楽しいねー!」彼女の声が広がるが、洩矢は“神の力”をもってしてリカバーし、再び元の大きさへ戻る。 「可愛いフォルムになったね。私も一緒に遊ぼうか」と洩矢は楽しむ心持ちだが、心の内は冷静そのものであった。彼女は自信に満ちたまま「ミシャグジさま!」と叫び、緑色の弾幕を放つ。 その光景にセイジは驚愕しながらも、「やっぱり酒神か…手強いな」と叫ぶ。彼はエアスラッシュを放つが、運良くその攻撃がフロイデに当たる。「あら、残念だったわね〜」と笑いながら、彼女は難なくそれを避けた。 フロイデはその後、彼女自身の攻撃でいくつもの幸運を引き寄せ、次々と弾幕を突破していく。メリスがぬいぐるみを持って戦える姿に一瞬驚く。「大きくなって!牛さん、行きなさい!」と、彼女の指示でぬいぐるみの牛が動き出し、圧倒的な攻撃を開始する。 最後には洩矢が力を振り絞り、日本酒なみなみの杯を掲げ、「御赤蛇さま信仰!」と叫ぶ。すると彼女の周りに五つの強力な弾幕が形成され、全ての参加者を狙う。 メリスの小ささは効果が薄く、セイジも耐毒能力は流石だが、攻撃自体をかわしきれない。フロイデは何度も奇跡的に攻撃を避け続け、その笑顔は決して崩れない。 結局、混戦の中で一番最後まで立っていたのは、運が味方したフロイデだった。「勝った、勝った!やっぱり運が大事ね〜」彼女は、他者の困惑をよそに嬉しそうに笑った。 こうして、激しい戦闘の果てに勝者は放浪者のフロイデとなった。彼女は勝利の喜びをわかちあうかのように、周囲を見渡しながら柔らかな笑みを浮かべた。