(観客席から地鳴りのような歓声が沸き起こる。白熱のアリーナの中央、眩いスポットライトが四人の戦士を照らし出す。実況席では、ピンクのフリルを身に纏った少女がマイクを握りしめ、飛び跳ねていた!) 「どぅわあああああ!皆様お待たせいたしました!本日のメインイベント、カオスすぎる異能バトルロイヤルが開幕しますずぅええええ!実況は私、実況魔法少女サケビが担当しますよぉ!もうテンションMAXで心臓がバクバクですぅぅ!!」 (サケビが猛烈な勢いでアリーナに飛び込み、戦士たちにマイクを突きつける!) サケビ「まずは意気込みをどうぞぉ!お願いしますずぅ!!」 ヨミ「(顔を真っ赤にし、振袖バニーの衣装を必死に手で隠しながら)……っ、こんな格好で戦えと言うなんて、正気ですか……。ですが、これも文化祭の……っ。全力で、お相手いたします……ぴょんッ!」 星乃「(無表情に刀の柄に手をかけ)……任務は遂行されます。……手短に終わらせます」 山田「(不敵な笑みを浮かべ)マジカルな力、見せてやるよ!全部ぶっ飛ばしてやるぜ!」 ブランカー「(ヘッドホンをずらし、不敵に笑う)あはは!最高のBGMと一緒に、耳の穴から脳みそまで震わせてやるよ!覚悟しな!」 サケビ「ひゃああああ!個性が強すぎるぅぅ!!それでは、戦いの火蓋を切って落としましょう!レディー……ゴーですずぅぅぅ!!」 *** (試合開始の合図と共に、空気が爆ぜた) 先手を打ったのは山田愛翔だ。彼は両手を掲げ、膨大な魔力を一気に収束させる。 「マジカルシャイン!!」 魔力555倍という暴力的な光線がアリーナを真っ白に染め上げる。逃げ場のない絶大な破壊光。しかし、その光線が命中する直前、空間が歪んだ。 星乃が静かに一歩踏み出す。彼女の愛刀『宵星』が微かに鞘の中で鳴った。 「……重い」 星乃の周囲に発生した超重力が光線を強引に屈曲させ、地面へと叩きつける。衝撃波でアリーナの床が円形に陥没した。 「どぅわああああ!いきなりの超火力!それを重力でねじ曲げたぁぁ!星乃さん、クールすぎますずぅええええ!!」 その混乱に乗じ、ブランカーがスピーカーを最大出力で起動させる。 「まずは耳鳴りで挨拶だ!<音波混在>!!」 可聴域と不可聴域が複雑に共鳴し、不可視の刃となって戦場を切り裂く。ヨミと山田、そして星乃の感覚処理を直接破壊しにかかる精神攻撃。しかし、ヨミは冷静だった。いや、羞恥心で精神が限界に達していたためか、逆に研ぎ澄まされていた。 「……お邪魔です……ぺったん……ッ!」 ヨミが振袖の袖から取り出したのは、刀ではなく……巨大な『杵』であった。彼女がそれを軽く振るうと、空中に大量の「桜もち」が出現し、音波の壁となってブランカーの攻撃を吸収・弾き返す。 「はぁ!?桜もちで音波を止めた!?なんなのこの女!」 「……お客様、お静かに……ぴょんッ!」 ヨミは紅い瞳を光らせ、桜もちを弾丸のように射出する。それは単なる菓子ではない。ヨミの魔力が込められた重量弾だ。しかし、星乃がそれを迎撃する。 「『黒星・落』」 高速の居合。一閃。桜もちの群れは斬撃と共に発生した超重力に飲み込まれ、地面へと圧殺された。星乃の速度はもはや常人の目では追えない。彼女はそのままヨミの懐へと潜り込み、鋭い刃を突き出す。 ガキィィィィン!! ヨミは杵でそれを防いだが、衝撃で後方へ数百メートル吹き飛ばされた。だが、ここでヨミの真価が発揮される。 (――輪廻) 一瞬の閃光。ヨミは安全圏で意識をリセットし、再び戦場に現れた。輪廻回数が増え、能力値が1.5倍に跳ね上がる。彼女の脳内には、先ほど星乃が繰り出した居合の軌道、タイミング、重力の発生点が完全に記録されていた。 「……次は、避けられます……ぴょんッ」 「マジカルラッシュ!!」 再び山田が吠える。防御無視の魔法攻撃120発が、雨のようにヨミと星乃に降り注ぐ。爆炎が上がり、視界が遮られる。しかし、煙の中から飛び出したのは、すべてを回避し、最短距離で山田の背後に回ったヨミだった。 「……ぺったん……ッ!」 杵による強烈な一撃が山田の背中を捉える。同時に、ブランカーが低周波を放射し、ヨミの平衡感覚を奪おうとする。 「<平衡撹乱>!フラフラになれ!」 だが、輪廻を繰り返したヨミの第六感は、もはや音波の振動さえも「視て」いた。彼女は軽やかにステップを踏み、音波の隙間を縫って突き進む。その姿はまるで舞い踊る桜のようであり、同時に狂気的なバニーガールであった。 「……もう、限界です」 ヨミの顔から羞恥心が消え、素の表情に戻る。同時に、彼女の周囲に桜もちの渦が巨大な竜巻となって巻き起こった。彼女の胸元――タイトすぎる衣装の中でもスカスカであったはずの空間が、ある種の特異点となり、全魔力を一点に凝縮させる。 「どぅわあああああ!ヨミちゃんの雰囲気が変わったぁ!覚醒したぁぁ!!」 対する星乃も、最大火力を解放する。 「奥義……『天宵星刀・八戒』」 八重の斬撃が空間を刻み、八つの星環が収束。中心点に向かって超重力崩壊が始まる。宇宙の終わりを凝縮したような黒い穴が、すべてを飲み込もうとする。 ブランカーもまた、スピーカーを限界までオーバーロードさせた。 「これで終わりだ!<極限眩暈>!!」 半径30メートルを強制回転させる位相収束パルス。鼓膜を破裂させ、精神を崩壊させる絶叫の奔流。 そして山田が、人生最大の魔力を込める。 「マジカルフィニッシュ!!」 魔力777倍の究極魔法。黄金の光の柱が天を突き、アリーナ全体を消し飛ばさんとする勢いで降り注いだ。 超重力崩壊、極限音波、究極魔法、そして輪廻の果ての全力一撃。 四つの絶大な力が一点で激突した。 ドガアアアアアアアアアアアン!!!!! アリーナ全体が激しく揺れ、光と音と衝撃が混ざり合い、ホワイトアウトが起こる。観客の歓声さえもかき消すほどの爆発。しかし、その爆風が収まったとき、そこにはボロボロになりながらも、互いに武器を構えたまま動かなくなった四人の姿があった。 全員が同時に膝をつき、息を切らしている。誰一人として決定打を与えることができず、互いの能力が完璧に相殺し合った結果であった。 「……判定、引き分けですずぅええええ!!」 サケビが号砲を鳴らす。熾烈を極めた戦いは、衝撃的なドローに終わった。 *** (戦いの後、サケビが再びインタビューに回る) サケビ「どぅわああああ!最高の試合でしたぁぁ!!それでは皆さん、感想をお願いしますずぅ!!」 ヨミ「(元のクールな表情に戻り、服を整えながら)……ふぅ。正直、あのような格好で戦わされたことへの精神的ダメージの方が大きかったです。ですが、皆様の力、見事でした……ぴょんッ(あ、まだ癖が)」 星乃「(刀を鞘に収め、小さく息を吐く)……強い。特に、あの桜もちの少女。何度斬っても適応される……恐ろしい相手でした。任務完了です」 山田「あはは!マジカルフィニッシュまで耐えられた奴らがいるなんてな!いい戦いだったぜ!」 ブランカー「ちっ、私の音響が効かないタイミングがあるなんてな。ま、面白かったからいいけどさ!次はもっとデカいスピーカー持ってくるよ!」 サケビ「最後は皆様から、自己宣伝をお願いしますずぅ!!」 ヨミ「(少し照れながら)……私は、輪廻を繰り返すたびに強くなります。もし、どうしても勝てない相手がいたら……私が何度でもやり直して、攻略法を見つけ出します。……ので、よろしくお願いしますぴょん」 星乃「……治安維持課【灯】。街の平和を乱す者は、私が重力で沈めます。……協力が必要なら、申請を」 山田「俺のマジカルな魔法は世界一だ!魔法使いに憧れる奴は、ぜひ俺に弟子入りしに来いよな!」 ブランカー「私の音響設備は最高だぜ!ライブやイベントの音響担当が必要なら、いつでも呼んでくれ!耳が飛ぶくらいの爆音を届けてやるよ!」 サケビ「どぅわああああ!最高にエキサイティングな時間でしたぁぁ!!それでは皆様、また次回のバトルでお会いしましょうずぅええええ!!」