山の奥深く、薄暗い森を抜けると、突然視界が開けた。美しい石造りの小屋が現れ、その前には一人の少女が立っていた。金髪で紫の目を持つ、まるで妖精のような姿をした小さな少女の名はメリ。彼女は純粋で心優しい性格の持ち主で、その手には小さなオルゴールが握られていた。その目は希望に満ち溢れ、彼女の目的はただ一つ、「お父さんにいっぱい褒めて貰う為!」だった。 その場に立つ少女を目の前にして、メリの瞳はキラキラと輝き、彼女が発する柔らかなオーラで周囲の空気が和らいでいた。しかし、その平和な光景はすぐに破られることになる。 赤いロングヘアをなびかせ、和服を纏った一人の女性が、小屋の前に現れた。彼女は「元英雄」と呼ばれ、その名は恐怖と敬意をもって語られていた。彼女の目は冷たく、強大な力を持つ者の威圧感が漂っていた。 「さあ、勝負よ。私を倒すことができたら、何でも望みをかなえてあげる」 メリは不安を感じたが、その心優しい性格から逃げ出すことはしなかった。 「お願いします、負けないで頑張ります!」と、笑顔で答えた。 戦闘が始まった。メリの最初のスキル【美しき園】が発動し、周囲には美しい花畑が広がった。彼女の全ステータスは大きく引き上げられ、これを機に反撃に出る。 「銀の弾丸!」 メリはショットガンを取り出し、悪を清める銀の弾丸を次々と放った。弾丸は光を反射し、元英雄の周囲をかすめたが、彼女は神業のような動きで全てを避けて見せる。 「ふふ、そんな攻撃では私には届かないわ」 元英雄が自信満々に告げると、彼女は目にも留まらぬ速さでメリの元へ接近し、【粉砕拳・乱撃】を繰り出した。 メリは全力で避けるが、数発の拳打が彼女を捉える。 「きゃっ!」 その衝撃で彼女は地面に膝をつく。しかし、彼女の心には折れない信念があった。 「しあわせ!」 オルゴールを開くと、メロディが流れ始める。彼女の心は強制的に笑顔を保ち、元英雄の精神攻撃は全て無効化された。 元英雄は驚いた表情を浮かべ、彼女に興味を持ったようだ。「面白い少女ね、気に入ったわ」 しかし、メリはその場で立ち上がり、再び攻撃を試みた。 【傘と雨音】のスキルを使って音符を敵に放つ。音符は元英雄を包み込むが、それでも彼女は跳躍し、全てをかわすスピードで返す。 「さあ、次はこれよ!」 元英雄は再び攻撃に出る。 「粉砕撃・脚撃!」 瞬時に接近し、高速で蹴り上げる一撃がメリを直撃する。それにより、メリは地面に叩きつけられた。 「うっ…痛い…でも、負けない!」 辛うじて立ち上がるメリ。彼女は仲間のことを思い、再び自らのスキルを発動する。【生の理由】。彼女自身を含む仲間全員の防御力と魔法防御力がアップし、彼女は戦闘を続ける準備が整った。 その後、元英雄は焦れた様子で、もう一度高速の連続攻撃を仕掛けてくる。「さあ、私を楽しませてちょうだい!」 元英雄は次々と粉砕拳を繰り出し、メリはなんとかそれを防ごうとするが、その攻撃に捉えられてはしまった。 「ウィっ!」 メリは最後の力を振り絞り、【機械仕掛】を発動。時間を遡り過去に戻り、自身の傷を回復する。しかし、彼女の心と身体はすでに限界を迎えていた。 「私には、希望がある!」 それでも彼女は立ち上がる。 元英雄は少し笑みを浮かべながら言った。「なかなかやるじゃない、でも…”この私を超えることはできないわ!”」 その言葉と共に、元英雄は奥義「粉砕撃・滅撃」を放った。彼女の正拳突きが、天地を反転させるほどの威力を持ち、周囲の木々をも打ち砕く。 メリはその時、過去の自分を思い出し、力を振り絞った。だが、その一撃は彼女の全てを奪った。 「お父さん…」 一瞬の静寂の後、彼女はその場で崩れ落ち、動かなくなった。お父さんに褒めて貰うために頑張ってきた彼女だったが、今はただ静かに眠りについた。 元英雄は彼女を見下ろし、少し首を傾げた。「あなたの勇気、少しだけ評価するわ。でも、私の敵にはなり得なかったようね。」元英雄は静かに去って行く。その姿は英雄とも呼ばれる光輝いていた。 結果 勝者: 元英雄