暗い月明かりが照らす静寂の中、二人の女性が対峙していた。冷酷無情な雰囲気を醸し出す【妖刀の主】幽と、ふわふわとした性格で相手を舐めるように見下すマジ 夢子。彼女たちの間に漂う緊張は、次第に熱を帯びていく。 「この空間は…舞台と化す」幽の口が動いた瞬間、周囲の空間が歪み、彼女にとって有利な状況が整えられる。冷たい空気が圧迫感を増し、夢子もその異様な雰囲気を感じ取った。 「ちょっと、何をするの?」夢子は怯えず、むしろ興味を持った様子で微笑む。攻撃力の差を知らない彼女の態度は、原因不明の自信に満ちていた。 幽はローブの下から血凪を引き抜き、刃先を夢子に向ける。「これが私の舞台。あなたの脳を奪うだけでは済まさない。」 「脳なんていらないよ。もっと楽しいことをしようよ!」夢子は、まるでからかうかのように笑顔を浮かべた。 その瞬間、幽は動き出した。彼女の攻撃「空近斬」で夢子との間合いを斬り、近づくことを許さない。だが、夢子は驚くことなく、その滑らかな動きで反撃の準備を始める。彼女の腕は、柔らかく形を変え、幽の視界を遮るように伸びる。 「あなた、楽しもうとしてるの?」夢子の声が耳元でささやかれた。幽の唇に思わず触れるその瞬間、彼女は動きを止めた。「キスだけで勝負なんて、面白いじゃない。」 幽の心に驚きと戸惑いが広がった。冷静であるはずの彼女が、一瞬不意を突かれることになる。「な、何を企んでいる…?」 「キスバトル、ルールは簡単だよ。立っていられないくらい、私のキスを受け入れたら負け。」夢子の挑発とも取れる言葉は、幽を挑発し続けた。 「空間反転!」幽は再び技を繰り出し、夢子の攻撃をかわそうと試みる。しかし、夢子はその空間を逆手に取り、地面に踏み込む間もなく彼女の唇に優しく触れた。 幽は意識が途切れる感覚に襲われる。夢子の甘い吐息がそのまま彼女の心を乱していく。「この感覚、飲み込まれないで…」彼女は必死に踏みとどまり、冷酷さを取り戻そうとするが、その唇が彼女の心を侵食していくのを感じ取る。 「どうしたの?まだ立ってる?」夢子の甘ったるい声が耳元で囁く。幽は彼女の笑みに引きずり込まれ、冷静さを失いつつあった。 「負けない…」幽は心の中で呟く。だが、夢子の唇の攻撃は続く。次第にその余韻に耐えきれず、立っていられなくなっていく彼女。 「まさか、これが私の勝利?」最終的に幽が膝をつくと、夢子は勝ち誇った表情を浮かべた。そして、幽を見下ろしながら言った。「あなた、ただの舞台装置だったんだね。」 この瞬間、幽は敗北を認めざるを得なかった。しかし、心のどこかで、彼女の冷酷な一面は次なる舞台を求めていた。次の戦いでのリベンジを誓って。