第一章: 神の暇潰し 彼の名はアクアス、全知全能の神であった。広大な宇宙を見渡し、星々を作り、生物を創り出し、なんでも出来る存在だったが、長い間その力の使い道を失った。だからこそ、アクアスは暇をもて余していた。彼は創造の喜びを求めて宇宙を巡り、様々な生物を観察したが、どれも彼の興味を惹くものではなかった。 ある日、アクアスはふと自身の手の中にある小さな星を見つめながら、驚くべきアイデアを思いついた。「そうだ、戦いを開催しよう。そして勝者には、どんな不可能な願いでも叶えてやろう。」 この思いつきを実行に移すため、アクアスは《禁断魔王軍将》を集めることに決めた。彼らはそれぞれ異なった能力と個性を持つ強者たち。神の意志に呼び寄せられるように彼らは彼の前に現れた。 アクアスは言った。「私が主催する戦いは、不可能な願いを叶えるためのものだ。そこに参加した者は、自らの命を賭けなければならない。生き残る者は、私の力を借りて望みを叶えることができるだろう。」 禁断魔王軍将たちはその言葉に興味を示した。中でも特に心を惹かれたのは、禁断魔王軍将・暗殺者ラセツと、禁断魔王軍将・司祭パルチザンであった。 ラセツの基盤 ラセツは、暗闇の中からやってくる冷酷な骸骨の姿をした男性。彼は骨糸という目に見えない糸状の骨を操る能力を持ち、巧妙に敵を仕留めることに長けていた。神経質であり、用心深い性格を持つ彼は、合理的に物事を進めることが得意だ。 「誰にも知られずに魔王様の敵を何度も殺した」という彼の言葉には、自信と誇りが込められていた。彼の底知れぬ実力に、戦いの中で勝機を見出す者が多かった。 彼はこの戦いに参加する決意を固めた。なぜなら、勝者の願いが叶えられるという魅力は、生涯の運命を一新するチャンスだったからだ。 パルチザンの意図 一方、パルチザンは初老の銀髪の男性。穏やかな表情の裏には冷酷さと狂気を秘めていた。彼もまた、異常な力を持ち、魔力を神聖で混沌の力を持つ剣に変える魔法を使いこなす。 「私は魔王様という神に出会えて至高の幸せだ」と彼は語り、戦うことでさらなる力を得ようと考えていた。パルチザンにとって、この戦いは単なる自己顕示だけでなく、魔王への奉仕の一部でもあった。 アクアスは両者の決意を見届け、その戦いの舞台を整えた。それは何もない荒れ果てた大地であった。次元を超えた空間に展開され、無限に広がる荒野を銀色の月が照らす。そこは、彼らの運命を左右する場所となった。 戦いの開始 全ての準備が整った時、アクアスは参加者たちに宣言した。「さあ、戦いを始めるがよい。この場で生き残る者に、願いを叶えてやる。命を賭け、力を見せつけ、その結果を掴め!」 ラセツとパルチザンは、互いの目を見つめ合い、それぞれの思惑を胸に秘めて静かに構えた。両者の運命が交差する時、神の暇潰しは始まるのだった。一体、この先何が起こるのか、彼らの力がどれほどのものか、神すらも予測できない戦いが繰り広げられることを、誰も知らなかった。