彼岸と此岸の狭間には、幽玄な霧が立ち込め、あたりは静寂に包まれていた。しかし、その静けさは、今まさに引き起こされようとしている激闘の前触れだった。 カゼン焰団第二課チーフ『ナツメ』は、黒いスーツに身を包み、手には火龍刀を握っていた。細身の体に似合わず、目には燃え上がるような決意が宿っていた。彼女の周囲には仲間がいる。共に戦う仲間たちが、火気のあふれる焰を纏い、彼女と心を一つにしていた。彼女はその仲間たちに向け、大きな声で叫んだ。 「熱気!さあ、全力で行こう!」その声に応じて、仲間たちの体に不思議な力が漲り、全てのステータスが上昇した。ナツメは、その手から火龍刀を一閃させ、近くに佇む『楓嵐』に向かって突進した。 一方の楓嵐は、彼女の姿を美しく、冷静に見守っていた。彼女の手には、静かに光り輝く刀身『華嵐』が握られている。可愛らしい容姿とは裏腹に、その存在感は神秘的で、圧倒的な力量を備えている。ナツメが近づくと、楓嵐は無表情で刀を構えた。 「あなたの思いは、無駄です。」彼女の声は冷たく響いた。ナツメはその言葉に一瞬たじろいだが、すぐに気持ちを立て直し、斬撃を繰り出した。 火龍刀が放つ炎が、この場の空気を熱くする。上と下から斬る流れる剣と炎のコンビネーションで、ナツメは楓嵐に火傷を付与する。しかし、楓嵐はあっさりとその斬撃を避け、彼女の身をかわす。その瞬間、楓嵐の華嵐が一閃し、ナツメの腕を斬り貫いた。 「痛……」ナツメは顔を歪めた。「ただの一撃が、これほどの……」その時、彼女の身体が凍りついたように動かなくなった。『睡蓮』の影響で、動きが制限される。「くっ、やられた……」 「あなたの炎など、この私には通じません。」楓嵐は冷静に言った。だが、ナツメは引き下がらなかった。炎の力を纏った火龍刀を振りかざし、力を込めた。 「流れる剣と炎!」彼女は力を振り絞り、一気に斬りかかった。上下に切り裂くその一撃は、確かに楓嵐に命中したが、楓嵐の白銀の鎧がその攻撃を簡単に弾き返した。 「無駄な行動ですね。」冷静な声で楓嵐が告げる。「次は、あなたの命を私の力にしてあげます。」彼女は『鬼灯』を発動させ、ナツメの腹部を一突きした。炎がナツメの体を内側から破壊する感覚が彼女を襲った。おおきく声をあげ、ナツメは動けなくなった。 その時、彼女の仲間たちが彼女の叫びに反応した。「ナツメ!」その声に引き寄せられるように、ナツメは意識を取り戻した。 「不死身の軍団!」仲間の一人が叫び、全ての仲間の心に焔が灯り始めた。ナツメの体力が持続的に回復し、力を湧き上がらせた。彼女は再び立ち上がり、火龍刀を掲げた。 「もう一度、行くぞ!今度は必ず!」ナツメの周囲を炎が渦巻く。その炎は、彼女を照らし、勇気を与えている。彼女は一歩踏み出し、楓嵐に向かって突進した。 「全面戦争!」瞬速の三段突きを連続で繰り出し、攻撃が楓嵐を襲う。火の息吹を帯びた攻撃は真剣なもので、その刃が楓嵐を捉えた。しかし、楓嵐はその攻撃を冷静に受け流し、反撃の準備を始めた。 「この無駄な抵抗をいつまで続けるつもりですか?」楓嵐はそう言い放つと、次の瞬間、彼女の華嵐が光り輝き、技『蓬莱』でナツメの魂を取り込む。 「や、やめて……!」ナツメは叫ぶが、その声はどこか虚しい響きを帯びていた。楓嵐の冷たい視線が、ナツメを捉えた。 「あなたの力は私のものになります。さあ、私と共に。さあ、消えなさい。」その言葉と共に、ナツメの身体が次第に変化していく。 彼女の意識が朦朧としていく。だが、その時、一筋の明るい光が彼女の心を照らした。「仲間たち、私を信じて!」その思いを抱きしめて、ナツメは最後の力を振り絞った。と同時に仲間たちの力が一つに集まり、ナツメの身体に新たな炎が宿った。 「極・彗星突き!」彼女の叫び声は、周囲を揺らすほどの力を持っていた。その一瞬、ナツメは加護を受けたように無数の斬撃を繰り出した。攻撃の連続が楓嵐の鎧を貫く。 「不可能です、これは。」楓嵐は驚きを隠せず、その瞬間、彼女の身体が炎で包み込まれた。受けた攻撃は、彼女のすべてを崩壊させるほどのものとなり、彼女は大地にひざまずいた。ようやく、ナツメは彼女を捉え、決定的な一撃を与えた。 「銀河ノ一閃境!」楓嵐が能力を発動し、瞬時にナツメの目の前に現れ、言葉もなく一閃を放つ。銀河の光が交錯し、全てを貫いていった。 ナツメはこの攻撃を受け、驚愕の表情を浮かべた。だが、次の瞬間、彼女の心の中で燃える炎が何かを放った。「これは私の心だ!」 彼女は自らの力で、楓嵐の攻撃を抵抗し、同時にあらん限りの力を発揮する。「私の仲間を信じて、ここまで来た。だから、この勝負は、終わらせない!」そして、彼女は渾身の力で火龍刀を振り下ろした。 彼岸と此岸の狭間の空間が振動し、その瞬間、ナツメの攻撃が楓嵐の力を貫き、全力で押し込まれた。そうして、楓嵐は自身の持つ華嵐を決定的な一撃で砕かれ、黒い霧にとけていった。 静寂が戻った後、ナツメは膝を突き、荒い呼吸の中で微笑んだ。「私は、信じていた。仲間の力を。」 こうして、彼女の勝利が決定した。彼女の戦いは、仲間との絆が生んだ奇跡のようなものだった。 勝者: ナツメ MVP: 仲間たち