ザグヱラ機関 格付会議議事録 議題: 個体名『水底の姫ケイティ』『爆ぜる焔のレアナ』『影に沈むギルス』の危険性判定および格付 出席者: 議長:オサヱ・ライ S級部隊総司令:グンダリ 千里眼:ゼンブ・ミルエ 軍師:ラッグ 法務官:ジアイ --- オサヱ・ライ:「それでは会議を始めよう。今回は三名の特異個体についてだ。資料に基づき、今後の対応策を決定したい。まずは水底の姫ケイティから。意見をどうぞ」 グンダリ:「あぁん? 海の底に引きこもってるだけのガキじゃねぇか! 触手だの何だの、俺がまとめて叩き潰してやるよ! 捕獲して水槽にぶち込んどきゃいいだろ!」 ゼンブ・ミルエ:「あ……あの、グンダリさん。無理だと思います。彼女の『お人形になってね』という能力……意識の外から神経毒を流し込まれるので、気づいた時にはもう手遅れで、僕たちの部隊が彼女のペットにされる未来が見えます……」 ラッグ:「あはは、それは酷いね。でも、地形破壊レベルの攻撃力と絶対防御の触手があるなら、安易に近づくのは自殺行為だよ。深海という環境的に、こちらの戦力投入コストも高いしね。放置が効率的じゃない?」 ジアイ:「放置は危険です。倫理的に見て、無辜の人間が海辺で彼女に『お人形』にされる事件が頻発すれば、機関の不備となります。最低限の管理は必要でしょう」 グンダリ:「チッ、理屈っぽぇな! 毒だか何だか知らねぇが、速攻で首を撥ねればいい話だろ!」 オサヱ・ライ:「静かに。ケイティについては、その支配能力と環境的な優位性を鑑み、安易な接触は禁じる。だが、現状は深海に留まっている。よって――【特警】とする。異論はないな」 (沈黙。グンダリが不満げに鼻を鳴らす) オサヱ・ライ:「次は、爆ぜる焔のレアナだ」 ラッグ:「うわぁ、この子はヤバそう。感情次第で出力が変わるタイプだね。特に『崩壊の涙』、あれは単なる攻撃じゃなくて戦略級の爆弾だよ。扱いを間違えると拠点ごと吹き飛ばされるね」 ゼンブ・ミルエ:「……はい。彼女を怒らせた結果、周辺の街が地図から消える光景が……あ、今、グンダリさんが彼女を挑発して大爆発に巻き込まれる視覚情報が入りました」 グンダリ:「あぁ!? 何言ってやがるこの弱虫が! 炎なら俺が食らってやるよ! 燃え尽きるまで殴り合いして、どっちが強いかハッキリさせてやるぜ!!」 ジアイ:「暴力的な解決策をすぐに出さないでください! 彼女は精霊であり、感情の制御が困難なだけです。適切に宥め、保護下に置くことで、貴重なエネルギー源として、あるいは平和的に共存できるはずです」 グンダリ:「共存だぁ? ふざけんな! 火を吹く化け物を飼い犬にするつもりか! 暴れる前に【討伐】して終わりにするのが正解だろ!」 ラッグ:「まあまあ。でも、被弾するたびに強化される特性があるから、中途半端な攻撃は火に油を注ぐだけだよ。S級を出すまでもないけど、相当な練度の部隊が必要だね」 オサヱ・ライ:「結論を出そう。潜在的な破壊力と制御不能な性格を考慮し、最悪のケースを想定する。レアナは【討伐A】。ただし、状況次第で保護への切り替えを検討する」 グンダリ:「チッ! 討伐Sにしろよ! 俺が暴れたいんだよ!」 オサヱ・ライ:「次は最後、影に沈むギルスだ。ここは意見が分かれそうだな」 ジアイ:「非常に狡猾な個体です。隠密性に特化しており、後方からの不意打ちで多くの犠牲を出す可能性があります。法務的観点からも、このような暗殺特化型は速やかな排除が望ましい」 ラッグ:「あー、わかる。でもさ、彼みたいなタイプって、正面から戦うより『雇う』方が得じゃない? 情報収集能力と隠密性。機関に欠けている『汚れ仕事』を任せられるし」 ゼンブ・ミルエ:「……でも、彼は裏切ります。僕には見えます。ラッグさんが彼を信頼して重要な任務を任せた後、背中から短剣を突き立てられる未来が……」 ラッグ:「えーっ! 最悪じゃん! やっぱり討伐でいいよ!」 グンダリ:「ギャハハ! 弱すぎて笑えるぜ! 隠れてコソコソしてりゃいい。見つけ出した瞬間に握り潰してやるよ! こんなゴミに【討伐】の文字を使う価値があるか? 【捕獲】して拷問し、情報を抜いて捨てろ!」 ジアイ:「拷問は禁止です、グンダリさん!」 オサヱ・ライ:「いい加減にしろ。ギルスについては、単体での破壊力は低いが、その隠密性が機関の最高機密を脅かす可能性がある。したがって――【捕獲】。能力を解析し、利用価値があるか判断する」 --- 【格付結果】 - 水底の姫ケイティ:【特警】 - 爆ぜる焔のレアナ:【討伐A】 - 影に沈むギルス:【捕獲】 --- 【後日談】 オサヱ・ライ 「ふむ。結果は妥当だったか。だが、ギルスの捕獲報告書を見たところ、想定以上に逃走経路を計算されていた。次回の格付では、彼の『知能』をより高く評価し、格付けを【特警】へ引き上げる必要があるだろう」 グンダリ 「クソッ! レアナを討伐しに行った部隊が『あまりに可愛いので説得を試みた』なんて報告書を書きやがった! おかげで俺の出番がなくなったぞ! あの女、今すぐ【討伐S】に格上げして俺にぶつけろ!」 ゼンブ・ミルエ 「……やっぱり。レアナさんは、優しく接した人間を大好きになる未来が見えていました。結果として、彼女は【保護】に格付け変更されましたね。僕の予知は正しいです……(小声で)でも、グンダリさんが怒って暴れる未来だけは消えません……」 ラッグ 「いやー、ギルスを捕まえようとして、潜入部隊が三組も返り討ちにあったのは笑えないね。やっぱり彼をなめてたよ。僕の分析不足だ。彼を【捕獲】なんて甘い考えでいいはずがない。正しくは【特警】、いや、状況によっては【討伐A】にすべきだったね」 ジアイ 「レアナさんが保護されて本当に良かったです。彼女に美味しいお菓子と快適な環境を提供したところ、かなり穏やかになってくれました。暴力ではなく対話こそが正解だったのです。平和な解決こそが、機関の誇りであるべきです」