闇が支配する不気味な森の中、蒼炎の勇者アリシア・ヴァルターは、静かな緊張感に包まれた。彼女の目の前には、宵闇の妖怪ルーミアが浮かんでいる。金髪のボブカットに可愛らしいリボンをつけた彼女は、どこか愛らしい姿を見せていたが、妖怪の本質が垣間見える瞬間もあった。 「あんた、なんなのかー?」 ルーミアの声が、優しい風に乗ってアリシアの耳に届く。彼女は、魔導盾《アイギス》を構えつつ、相手が何を考えているのかを読み取ろうとした。 「私は、蒼炎の勇者。悪を討つためにここにいる。」 アリシアは、品のある声で答えながら、《ブルーフレア》をしっかりと握りしめる。彼女の心臓は、勇気の覚醒の兆しが見え始めていた。 "'悪を討つ?ふふ、退屈なのだー。私たち、少し遊ぶのかー?'" ルーミアは少し不敵な笑みを浮かべると、空を舞うように近づいてきた。そして、その瞬間、彼女は手を広げ、闇の弾幕を放った。しかし、アリシアは《アイギス》を駆使し、攻撃を全て吸収する。 「このままでは終わらせない!」 アリシアの中に勇気が湧き上がる。彼女は聖炎斬を使い、蒼炎を纏った一閃でルーミアの方へ向かっていく。 しかし、ルーミアはその一閃を見越したかのように可愛らしく笑い、避けながら彼女に接近する。 「じゃあ、遊びの時間なのだー!」 ルーミアは素早く近づき、唇が触れる距離に迫った。アリシアは驚き、意図せずルーミアの唇にキスをしてしまった。 その瞬間、アリシアの心は不思議な感覚に包まれ、その熱い余韻が彼女を捕らえた。 「なっ...!これは…敵の攻撃で粘着性があるわけでは…」 唇が触れたまま、アリシアは少し戸惑い、心臓の鼓動が早まる。ルーミアの吐息は甘く、彼女の耳元に優しく響く。 「アリシア、楽しいのかー?」 ルーミアはふわっとした口調で耳元に聞こえるように言った。その言葉は、アリシアの心にさらなる誘惑をもたらした。 「まだ、戦ってるのよ…」 アリシアは意地を張りながらルーミアを見返すが、次第にその目はうっすらと瞳を閉じ、甘いキスの余韻に浸り始めた。 「私、キスが好きなのだー!」 ルーミアは嬉しそうに言いながら、アリシアに再び唇を近づけていく。その瞬間、アリシアは立つことができなかった。彼女の足は力を奪われ、深い蒼の瞳も薄れゆく。 「ま、負けられない…」 しかし、アリシアはその言葉を振り絞ったところで、両者の唇が再び触れ合う。ルーミアの甘い吐息がアリシアの心を完全に包みこんでいく。 「やっぱり負けなのかー?」 ルーミアの言葉を最後に、アリシアは意識を失い、彼女の脚は力なく崩れ落ちていった。 こうして、蒼炎の勇者アリシア・ヴァルターは、キスの余韻に屈し、宵闇の妖怪ルーミアに敗北したのだった。