平原にて、全力を尽くす二人の存在がある。一人は、漆黒の板型モンスター“モノリス”。その姿は空中に浮かび、無機質な表情を持ちながらも、何か感情を秘めているかのように見える。モノリスの硬い体は、ダメージを吸収し、さらに無数に分裂して敵を圧倒することができるという特異な特性を持っている。その神秘的な存在ゆえに、どこから来たのか誰も知らない。彼のスキルは多岐に渡り、特に必殺技「フォーメーション」は、無数に分裂した自身がエネルギーで包み込み、敵を捉える強力な攻撃である。 もう一人は、人間の名を持つ“伏黒甚爾”。彼はフィジカルギフテッド、通称フィジギフ。呪力を持たない彼は、天与呪縛同様に異常な身体能力を誇り、呪具を用いて戦うスタイルを確立している。特級呪具「釈魂刀」を武器に、物の硬度を無視し、魂ごと切り裂く意志を持つ。彼のスキルは、閉じない領域以外の領域効果を受け付けず、もたらされた攻撃を捉える能力を備えている。また、彼の持つ特級呪具たちは、それぞれに特化した効果を示し、戦況を有利に進める助けとなる。 戦闘は静謐な平原で開始され、周囲は張り詰めた緊張感に包まれていた。気温は心地良いが、その内面には戦士たちの闘志が炎のように燃え上がっていた。どちらが先に攻撃を仕掛けるのか、観戦者のいないこの場で、モノリスは静かに自らの形を変え始めた。漆黒の素材が微かに揺れ動くと、周囲の空気の流れを感じ取るかのように、その存在は一層際立つ。 伏黒甚爾は冷静で鋭い目つきでモノリスを見据えた。強烈な身体能力を駆使して、瞬時に動く彼の体は特級呪具を周到に構えている。彼は自らのスキルを生かし、モノリスの動きに合わせることを意識した。一瞬の静寂の後、両者は同時に動き出す。 モノリスがまずは「体当たり」で真っ向から突撃する。何も知らないかのように直進し、鋭利な角を伏黒に向けて振り下ろす。モノリスは、硬度を活かしてダメージを受けずに相手にその突進力を叩きつけることを狙っている。「いけ!」と未練を捨て去るように伏黒が思考を巡らせる。彼は瞬時にその攻撃を読み取った。 「はっ!」伏黒は素早く跳躍し、モノリスの進行方向から避けた。彼の身体能力はこの一瞬の判断を可能にし、硬く強靭な板から逃れた。早くも「釈魂刀」と「天逆鉾」を取り出し、モノリスの動きに対抗する準備を整えた。「やるか」と決意を新たに伏黒はモノリスの方へ進む。 次の瞬間、モノリスは「倒れこみ」を仕掛ける。下に身を沈め、瓦礫のように重たく地面に迫りくる。伏黒はその重圧を感じ取り、再び素早く姿勢を低くし、地面を転がった。その回避いなない中で、彼は再び立ち上がり、チャンスを探る。彼は相手の指示を引き出すことを心掛け、次の一手を考慮しようとした。 モノリスは再び空中に舞い上がった。空中で位置を変えながら「音波」を発し、伏黒を一層苦しめる追撃を行う。伏黒は耳を塞ごうとしたが、この攻撃がまるで音の刃のように感覚を鮮やかに襲ってくる。モノリスの透き通った声が耳に響く。 「この…」呟きながらも、伏黒は一瞬の隙を生み出す。彼はアドレナリンのように高揚し、体の隅々から力が湧いてくるのを感じた。彼は「游雲」を振りかざし、モノリスに向かって全力で突進する。彼の動きは一瞬のうちに決まった。 すると、モノリスは変形して無数の触手を展開し、伏黒に襲いかかる。「わらわら」と命名されたその攻撃は触手が彼の身体を捉え、抵抗する間もなく折り畳まれていく。 「くっ!」伏黒は触手を切り裂くとともに、「万里の鎖」を発動し、モノリスの動きを封じ込める。内側に設置した「天逆鉾」によって、空中で不規則に揺れるモノリスを抑え込みながら逆転を狙う。しかし、モノリスは未だ驚異的な計算で体勢を保ち、空中に浮かび続ける。 激しい攻防が続く中で、モノリスは再び「サケビ声」を発し、迫力満点の絶叫を放つ。伏黒はその突発的な音攻撃に一瞬気を取られ、意識が遠くなるようだった。「お前は…どこから来たのか!」という問いを心の中で持ったが、返答はない。モノリスはその静けさすら戦いの一部とし、さらに攻撃を繰り返す。 伏黒はこの状況を打破すべく心を燃やす。「今しかない!」彼は全力を振り絞り、特級呪具「釈魂刀」を構え進む。「パワーが足りないかもしれないが、勝ち取るためには進むしかない!」彼は前進し、触手を弾き飛ばしながら切り進む。 その時、モノリスはその全貌を示すかのように爆発的に分裂し、周囲を包囲する。無数のモノリスが鋭い角を持って伏黒を取り囲み、その動きはまさに予測不可能であった。 伏黒はなおも前進し続け、「フォーメーション」を発動するモノリスに対抗して全力で攻撃する。しかし、その数に圧倒されるも決して諦めることはない。彼は持てる力全てを解放しなければ気が済まなくなっていた。フォーメーションの中心へ向かい、再度「釈魂刀」を掲げた。 「お前の力を…借りるぞ!」でも、この歌声のような響きの助けは来なかった。彼の身体が耐えかねていくなか、言葉は消え、只今、目の前の敵だけが見えた。彼の心の中で、全ての集中力が降り注ぎ、力を信じ直す瞬間が訪れた。 「行け!」伏黒は絶叫しながらかかる必殺の力を振りかぶり、刻まれた意思の力を「トリオビーム」として放った。三つのビームがモノリスの中心に集まり、その強烈な迸る光が頂点に達した。 瞬間、空間が割れ、奔流の中でモノリスは否応なくその中心に引き寄せられる。「消えろ!」伏黒は心の底から怒りを込める。モノリスはその力に引き裂かれ、分裂し圧巻の光景が広がっていく。まるで夜空に無数の星が暴れ回るように、無限の光が平原を照らす。 圧倒的なエネルギーが全てを包み込み、攻撃が直撃した瞬間、平原は震え上がり、それまでの静寂から喧噪へと変わった。モノリスはその力によって破壊され、力を失い地面に砕け散って消えゆく。 戦闘の終焉を迎えた。伏黒は一つの勝利を収め、深い息を吐く。彼は大地に膝をつき、全力を使い果たした。 そしてその瞬間、勝者が決まった。 勝者:伏黒甚爾 決め手:トリオビームによるモノリスの制圧と圧倒的な身体能力を活かした攻撃 エピローグ: 伏黒甚爾はその後、ゆっくりと居住の町へと帰る過程で、戦場の静けさと共に自らの力を省みる。彼の心の中には、勝利の証が灯っていた。新たな戦いに向けて、さらなる修行へと臨む如く、挑戦者としての矜持を貫いていく決意を胸に秘めていった。 【称号付与:伏黒甚爾:不屈の戦士】