時は夕暮れ、重い雲が立ち込めたその空の下、彩葉と莉音は、荒れ果てた戦場に立っていた。彼女たちの目の前には、次元の扉から突如現れた謎の男が立ちはだかっていた。ハットにガスマスク、さらにトレンチコートを身にまとったその姿は、見る者に恐怖を与えるに足りる。 「気をつけて、莉音」彩葉は優しい声で呟く。莉音は元気のない反応を返す。「うん…頑張る。」 謎の男は、何の前触れもなく、戦いを挑むべくその手を振り上げる。その瞬間、先手必勝とばかりに、謎の男が技を繰り出した。 「ビート&ナックル!」 連続的に放たれる鋭い拳。莉音は一瞬、呆然としていたが、彩葉の存在が彼女を奮い立たせる。「莉音、大丈夫!私がいるから!」 莉音は、何度も何度も打たれるが、立ち上がることを決してやめない。彼女の中には、彩葉の信じる力があった。二人は互いに励まし合い、連携を取りながら攻撃を続けた。彩葉が相手の攻撃を防ぎ、莉音がその隙をついて反撃を試みる。 「これでも、どうだい!」彩葉の言葉に続けて、莉音は躊躇わずに相手へ突進する。だが、謎の男は冷徹に仕掛ける。「ノイズ・キャンセラー。」強力な音の防壁が展開され、莉音の攻撃は空しく弾かれた。それに続くのは「デス・マエストロ」。 銃声が響く中、莉音は再び吹き飛ばされる。「ぎゃっ!」衝撃で地面に倒れ込む彼女。彩葉はすぐに駆け寄り、莉音の手を取り、全力で立ち上がらせた。「私がいる限り、絶対に絶望なんてさせない!一緒に頑張りましょう!」 莉音は力を振り絞り、もう一度立ち上がる。「うん。それなら、やってみるよ!」 二人三脚での戦いが続き、徐々に謎の男に連携が通じ始めた。だが、厳しい現実は待っていた。 「ふん、面白いが…」 謎の男は不気味な笑みさえ見せ、次の技を使おうとする。彩葉はもはや危機感を抱く。「莉音、下がって!彼が何か大きな技を使ってくる!」 だが、時既に遅し。謎の男は叫ぶ。「嗚呼、何と素晴らしき二重星!」 その瞬間、空に八つの大砲型兵器が浮かび上がり、周囲を圧倒する希望溢れる音楽が鳴り響く。 その場の全てを打ち砕くような強大な砲撃が放たれ、彩葉は「莉音、大丈夫っ!」と叫ぶも、彼女の声は掻き消されてしまった。 砲撃が降り注ぐ中、彩葉は莉音を守るために盾となる。強烈な衝撃が襲い、彼女はその場に崩れ落ちた。 その時、彩葉の内部に息を潜めていた想いが一気に放たれる。「彩葉…の想い…」莉音は、揺るぎない信頼をもって、涙を流しながら立ち上がる。「私が、彩葉の想いを…引き継ぐ!」 意識が闇に沈む彩葉を振り返り、莉音は力強く宣言する。「これが彩葉の力…決して諦めない!最終奥義、暁ノ共鳴!」 その一瞬、莉音は持てる全てを賭けて放たれた瞬間、周囲が明るく包まれていく。彼女の周りに集まる光の粒が彼女の力を増幅させ、攻撃は謎の男への最大の一撃となる。 光の閃きが謎の男を捉え、その身を貫通。驚愕の表情を見せる男は次の瞬間、全ての力を失って倒れた。 「これが、私たちの絆の力!」 彩葉の意識は薄れ、静かさの中に身を任せた。敗北したと思っていたが、莉音の勝利の叫びが彼女の耳に響く。彼女の魂は安らいでいた。 戦いの終息が訪れると、謎の男はぷんずっと態勢を崩し、次元の穴が開いてどこかに消えていく。その姿を見る莉音は、振り返り、かつての彩葉と対峙するように空を見上げた。 「彩葉…私たちは、勝ったんだ。」 莉音は、彩葉へ深い感謝を抱いていた。彼女の力を信じたことで得られた勝利。これこそ、彼女たちの強い絆の証であると、確信していた。 戦闘が終わり、彩葉の遺した願いが莉音の心に根付いていた。彼女は、この先も彩葉の想いを胸に、戦い続ける。 そして彼女は、彩葉と共に歩むべき未来を信じて、次なる冒険へと足を進めていくのだった。 ――その戦いは、こうも締め括られる。彩葉と莉音が、謎の男に打ち勝ったのだ。