激しい風が吹きぬける広大なバトルフィールド。四つの門から一人ずつ姿を現した参加者たちの目が、勝利への渇望でぎらぎらと光る。お互いを警戒しながらも、その場には緊張感と期待が溢れていた。 「ういな怖ーい🥺!」 先陣を切ったのは、可愛らしい声を響かせる少女、コクト・ウイナ。彼女の特徴的な髪型が風に揺れ、憧れを集めるアイドル的な存在感を放っている。彼女の周りにはさっそく、微かな水の気配が漂い始めた。まるで、彼女の心の中にある人への渇望が水となって流れ出しているようだ。 「私がこの戦いの主役なのだから、みんな私を見ていてね♪」 と、集団催眠のスキルを使うために周りを見渡すウイナ。その時、青く輝く水の波が近づいてきた。「何か来る…!」 その波を操るのは、翠娥。彼女は合理的だが友情を大切にする一面を持ち合わせている。ウイナに耳打ちするように、引きつった笑顔で言った。「貴方、目立ちたくても戦わなきゃ勝てないわ。」 「うるさい!みんなが私を見てくれれば、それでいいの!」 ウイナは自分の血を混ぜた水の矢を放ち、翠娥に嵌めようとする。しかし、翠娥は水の力を駆使してさらりと避けた。「どうみても、命中させるのは無理そうよ。」 その瞬間、背後から機体「テルマエール」に搭乗したニセコ・チョウラクエンが攻撃を仕掛ける。「これが全宇宙湯治会選りすぐりの実力だ!」彼女の声が響き、温泉の高圧蒸気がウイナと翠娥を包むと、視界が途切れる。 「うぇぇ…!これじゃぼ、ぼく、見えないじゃん…!」 ウイナは頬を赤らめながらも、周囲にバラを散らすように愛矢を放ち続けた。その瞬間、ニセコが「注意しなさい!温泉の魅力でやる気を削いであげるわ!」と捉える。 「うっ、あっ…なんで私がこんなことに…!」とウイナは思わず後退する。まさかの温泉に酔いしれる瞬間。翠娥はその隙を突き「水の竜巻!」と叫び、高威力の攻撃を仕掛ける。 「なんだってー!?」ニセコは体制を変えようとするが、竜巻は彼女を呑み込んでしまった。 その後、乱戦が続いていく中、涼も参加する。「私の水の力で、全ての事象を凍らせる!」 「待って!何をやるつもりなの!」翠娥は懸命に叫ぶが、涼はそのまま『奥義:絶対零度』を発動させた。凍った世界の中で、彼女は一人優雅に立ち尽くしていた。 薄氷の下で抗う者は少なく、対戦者たちが次々と脱落していく。その中でもウイナの宣言は独特で「晒しちゃお〜♪」と無邪気に言うが、全てが凍りついていく。 試合は静かに終息へ向かっていた。 勝者は、凍りつく景色を見つめた涼。生き残った彼女は、周囲の水を軽やかに踊らせるように自己主張し、「私は水だ。私がこの戦いを制した。」と微笑む。 ✦✦✦✦✦ そして、彼女が笑みを浮かべることでバトルロイヤルは幕を閉じた。それぞれの戦士たちが力強くそして脆く、その存在を示した中で最強の魔法使いが勝利を掴んだのだった。