深界4層、薄暗い空間に広がるダイダラカズラの群生。まるで巨大な皿のように広がるその植物に、しっとりとした蒸気がこぼれ落ちる。探索の合間に立ち止まり、ウィプス・オーが目を輝かせて言った。 「ウチ、ここにすっごい宝物が隠れてる気がする!」 彼女の周りを飛び回る怪異ランタンが小さくチカチカと光り、仲間たちにウィプスの熱意を伝える。彼女の無邪気さは、周囲の緊張感を和らげるが、次の瞬間、シリアスな状況が彼女の前に現れた。 「待って、ウィプス!あれは……!」ソフトクリームが叫ぶ。その目の前には、白く巨大な影がうごめいていた。タマウガチが彼女たちの視界に入った。その姿は、まるで異世界の化け物のようだった。目がない一方、周囲の力場を読む能力に長けている彼は、彼女たちの行動を先読みするかのように近寄ってきていた。 「これ、危険だよ!逃げよう!」アリスが叫ぶ。しかし、ウィプスは興奮していた。「ちょっと待って!もしかしたら、タマウガチには何か宝物が隠れているかも!」 「何言ってるの、バカじゃない?」ブラナダが吐き捨てるように言った。彼はいつも自分のことを考えているが、その言葉には一抹の真実が含まれている。冷静さを装っていたブラナダが、心の中で恐怖を感じる。 突然、タマウガチが動き出した。彼の体から放たれる棘が、周囲の空気を切り裂く。ウィプスは興奮しているが、周囲の緊迫感に気がついた。「やっぱり逃げよう!」ウィプスは後ずさり、仲間たちも慌てて散り散りになる。 その時、タマウガチの棘がソフトクリームの背中に刺さった。彼女の甘美な香りは、恐るべき攻撃との対比を生み出した。「ソフトクリーム!」仲間たちが叫ぶが、彼女はすぐに衰弱していく。タマウガチの致死毒が、彼女の体内に広がっていった。 「だめだ、助けて!」恐怖を感じつつも、優しい彼女の声が響く。一瞬の静寂の後、彼女は力尽き、地面に倒れた。仲間たちは絶望の中で彼女を見つめる。 「ウィプス、どうする?」アリスが言った。しかし、ウィプスは何も言えなかった。彼女は自分の無防備さを責めているようだった。「私が、見つけたかった……」 動揺する仲間たちの中、ブラナダは動かないまま、心の中で自らを正当化する。「所詮は弱者。弱者は消えていく。俺には関係がない。」 ウィプスとアリスは、取り乱している中でも本能的に逃げる。しかし、タマウガチは彼女たちの気配を察知し、再び襲ってきた。動くこともできないソフトクリーム。仲間たちの攻撃がタマウガチに届く前に、アリスの人形たちが周囲を守るべく動き出した。 「上海人形、行け!」とアリスが叫ぶ。槍使いの人形が素早くタマウガチの前に出現し、精巧な動きで攻撃を受ける。 「待って、私が倒すから!」ウィプスが叫ぶが、その声は自信のないものだった。彼女は自分の行動が、仲間にどれほどの影響を及ぼしたか気がついている。 「逃げ切れない、もうダメだ!」ブラナダの嘲りの声が混ざり、ウィプスは恐怖にかられた。「どうしよう、どうしよう……」 そして、仲間たちはひたすらタマウガチから逃げる。そして、ソフトクリームが地面で静かに息を引き取った。彼女は動かない。仲間たちは、彼女がついに戻らないことを理解するまで、ずっと逃げた。 時が経つ中、ダイダラカズラの皿の上で立ち尽くした彼らは、すべての恐れと喪失が重く圧しかかってくるのを感じた。そして、ウィプスはようやく決断を下した。何かを探すのではない。もうこの場所から逃げることに専念しなければならない。 「行こう、みんな。この危険な場所から、早く出よう」とウィプスが言った。 その時、彼女の目に光るものが映った。どこかに遺物があることに気づき、周囲を探す。朽ちかけた遺物の一つ、「霧織り」を発見する。それは、微かに光を放ち、彼女の心に希望を灯した。 「これ、見つけた!」ウィプスは何とか声を振り絞り、他の仲間たちに呼びかけた。アリスもその光に気づき、急いで近づいた。ウィプスは霧織りを手に取った瞬間、風邪が吹き抜け、心に秘めた力が彼女の体を包む。 「これで、飼い主を救えるかも……!」ウィプスの声には新たな力が宿っていた。 その後、仲間たちが心を一つにして進む決意を固めた。その意思を持ったまま、タマウガチから逃れ、彼女たちは深界4層の探索を続けた。何が待っているか分からないが、心の中には仲間たちの思いと、ソフトクリームへの約束があった。 ---- 探索ポイント獲得状況: - ウィプス・オー: 遺物「霧織り」を発見、50ポイント獲得 - アリス・マーガトロイド: 何も発見せず、0ポイント獲得 - ブラナダ=コレフキ: 何も発見せず、0ポイント獲得 - ソフトクリーム: 死亡 - 獲得探索ポイント合計: 50ポイント (※他の遺物については、今後探索を続けることに期待されます。)