格闘小説 「純白と冷徹」 プロローグ 青空の下、アイドルとしての活動を終えた鈴木羽那は、元気いっぱいにファンたちに手を振り、笑顔を振り撒いていた。彼女の純真さと明るい性格は、周りの人々を自然と惹きつける。しかし、今夜は彼女にとって特別な夜だった。 一方、Fire Axe Raiderは影の中で冷場合表情を崩さず、薄暗い路地を歩いていた。彼の任務は明確だ。敵対者を排除し、自らの主を守ること。それ以外の感情は無意味だった。今日、羽那を狙う者が存在することを彼は認識していた。彼女のアイドルとしての存在は、彼の信条に反するものだった。 第一章：運命の遭遇 羽那は一人でパフォーマンスを終えた後、次の仕事の準備をしていた。しかし不穏な予感が彼女の心を掴む。なんとなく気持ちが重く、廃墟のような旧ビルへと足が向いた。そこで彼女は初めて、Fire Axe Raiderと出会った。 「お前が鈴木羽那か？」冷たい声が響く。 「うん。あはっ、あなたは誰？」明るい笑顔を見せる羽那だが、彼女の心は不安でいっぱいだった。 「俺はFire Axe Raider。今日はお前の運命を見届けに来た。」彼は無表情のまま近づく。羽那はその圧迫感に一瞬怯み、しかし心の底から自分を貫く決意を固めた。 「運命って、私に幸運を運んでくれるってことだよね？でも、なんだか怖いなあ…。」 Fire Axe Raiderはその言葉を聞き、冷笑を浮かべた。「甘ったれた考えだ。お前が何をしていても、俺には関係ない。」 「そっか、でもさ、私の歌が聴きたいんだったら、もっと優しく言ってくれたらいいのに！」羽那はあくまで明るさを失わず、今度は彼女の特技、純粋な心をもって逆に敵を魅了しようと試みる。しかし、Raiderにはこれが通じるはずもなかった。 第二章：戦いの幕開け 羽那が意を決して彼に近づこうとしたその瞬間、Raiderは消防斧を引き抜き、構えた。「覚悟しろ、アイドル。」 「なにそれ、ダメだよ！」彼女は焦りの声を上げ、瞬時に彼の横に回りこみ、声をかける技術【平行線の美学】を発揮した。「ねえ、私のこと少しは知ってる？」その瞬間、Raiderの目が一瞬だけぼやけた。 「何を考えてる？」 その隙をつかい、羽那は一瞬の隙を逃さず、見えない白い花を投げつける。さまざまな方向から無数の花が彼を包み込み、夢見心地の状態に。 「ほら、私の花で癒されてみてよ！」羽那は笑顔で言った。 だが、Raiderは花に心を取られない。そのままシールドバッシュを放ち、羽那を一撃で吹き飛ばした。彼女は床に倒れ込みつつも、立ち上がることができた。 第三章：絶望と希望 「もう、おえんよ…。」羽那は軽やかさを失いつつあった。彼女の心の中で、彼の冷たさが侵食してくる。 「お前の努力は無駄だ。」Raiderは近づく。「これが現実だ。」 羽那はひるむことなく、自身の意志を強く保ちながら立ち上がる。「たとえ無情でも、私の心があれば、みんなを幸せにできる！」 「何が幸福だ。無駄な夢を見ているだけだ。」Raiderは臆せず斧を振り下ろすと、羽那は辛うじて一歩のずれで避ける。 「私の熱意を見せてあげる！」羽那は、全力を振り絞り【ハナムケのハナタバ】を発動させた。白い花々がRaiderを取り囲もうとする。「これが私の力だよ！」 だがRaiderはこめかみに手を当て、冷静に彼女の動きを見ていた。「そんな甘い手法が通用するか。」そのまま透明な防護盾を作り出し、羽那を防いだ。 「何も変わらない。お前の希望は絶望にしか繋がらない。」 第四章：心の決意 羽那は追い詰められ、しかしその心にはなにかが宿っていた。何度も倒されても立ち上がり続けた彼女の姿は、既に周囲にはアイドルとしての姿ではなかった。戦士のように、立つ姿は雄々しい。 「私は諦めない！」彼女の声はかすれても、力強さを失わなかった。「私の心の声は、あなたにも届くはず！」 Raiderは一歩後退した。その言葉が、彼の心に小さなひびを入れたのだ。 羽那はその隙をつかみ【絶対純白領域】を発動、「私が好きな人、応援してくれる人たちの心を感じてみて！」次第に包み込む領域がRaiderを取り囲む。羽那の心が彼の心を打ち砕こうとした。 「無駄だ！」Raiderはその瞬間、消防斧を持って一撃を加えようとしたが、伝わる暖かさの波に思わず手が止まる。その瞬間、彼女の純白な心が何かを変えた。 第五章：決着 「私はあなたを倒すつもりじゃない。私の歌を聴いてほしい！」羽那は力強く叫んだ。 「無駄だ、続けられるわけがない！」Raiderは斧を振り下ろす。 「でも、それでも私は…立ち続ける！」羽那はその一撃を受け止め、自身の力で花を開かせたその瞬間、全てが爆発するように花が咲き乱れた。 Raiderはその美しさに一瞬魅了され、歩みをとどめた。彼は彼女の無垢な心を感じた瞬間、自らの心が変わっていく感覚を覚えた。 「私は、これが私の勝利だよ！」羽那が叫ぶと、彼女の願いが逆転した。Raiderもまた、心が震えているのを感じた。 「私を応援してくれるあなたを、もう敵とは呼べない。」 エピローグ 戦いが終わった後、二人はしばらくの間、沈黙を保った。羽那はそのまま立ち尽くし、Raiderはその冷徹さを少しずつ失っていく。 「私は、ずっとあなたを…アイドルとして応援してくれる人たちのために、戦ったつもりだった。」 「アイドルとは、そんな甘ったれた存在じゃない。だが、お前の心には何かがあった。」Raiderは静かに短い言葉を返した。 「私がいる限り、絶対に幸せにしてみせる！」羽那の笑顔は、Raiderをも包み込み、少しずつ打ち解け始めたのだった。 彼らは運命に背く者として出会ったが、同時に新たな物語が始まった。