①世界を滅ぼす日 静かな夜空が広がる街で、禁断の魔法使いハチは彼女の秘密の場所、古い廃屋の屋根裏で一人、窓の外を見つめていた。今夜、彼女は運命の魔法を使うつもりだった。 「ねえ、猫たち。今日は特別な日なんだ。みんなを巻き込む魔法をかけて、全世界を変えるよ。」と、ふと思い立ち、自身の猫のような感性を発揮した。 ハチのスキルは並外れた力を持っていた。彼女が相手を猫について考えさせる魔法を使うことで、人々の心を掴み、彼らを支配することができる。 一方、スタンドであるワンダー・オブ・Uは、静かに周囲を見守っていた。彼は人々がハチに近づけば近づくほど、無惨な厄災を引き起こす運命の使者だった。「誰だろうと…わたしを追わなければ良いのになあ〜。」その低音の響きは、聞く者に不安をもたらした。 この日、ハチは世界を滅ぼす魔法を成功させるために、ワンダー・オブ・Uと共に動いた。 「さあ、世界中の人々に猫の魅力を思い知らせよう!」と叫びながら、2500の魔法によって、街は一瞬にしてお気に入りの場所へと変わっていく。 巨大な隕石が空を切り裂き、地上に落ちてくる。人々は恐怖のあまり逃げ惑ったが、彼らの目には猫の姿しか見えなかった。 その瞬間、ハチは笑った。「これで世界中が、猫へと思いを馳せその虜になるよ。」彼女は次々と精神操作を行い、周囲の人々の意思を奪った。 町中が騒然となる中、ワンダー・オブ・Uはその恐ろしい力を発揮した。空から雨のように降り注ぐ厄災は、目の前で土地や人々を貫いていく。「『流れ』はずっと厄災なんだ。」彼は冷酷に語った。 ハチの魔法とワンダー・オブ・Uの厄災は同調し、世界は彼女たちに負け、滅びへと崩れ落ちていった。 世界は暗闇に飲み込まれ、全てが終わった。彼女たちは満足げに、廃屋の屋根裏から夜空を見上げた。 ②終焉の後 滅ぼされた世界の静けさの中、ハチとワンダー・オブ・Uはその破滅の中に立っていた。かつての街並みは消え去り、彼女の思い描いていた夢は崩れた瓦礫の上にあった。 「これが、私たちの選んだ未来なの?」ハチは猫のようにゆっくりと、壊れた街の残骸を見つめて言った。彼女の表情はどこか寂しげだった。 「やっと、自由になれたんだ。」ワンダー・オブ・Uは低い声で答えた。「誰も、我々を妨げる者はいない。厄災は、もはや必要ない。」彼の眼には、長らく続けた恐怖からの快感が光った。 「でも、どうするの?私たちが成し遂げたものは、ただの破壊でしかないじゃない。」 ハチはその問いに苦悩を込めて顔を歪めた。しかし、無常な現実を受け入れることができず、思い悩む。 「そうかもしれない。でも、もはや新たな世界を創造することができる。まだ、希望が残っている。」ワンダー・オブ・Uは再び、力を振るった。 だが、ハチは彼女の心に一杯に広がる想いを打ち消すことができなかった。「私は、もう猫のことを考えていたくないのかもしれない。私たちの魔法が生み出したのは、猫ではなく恐怖だ。」 彼女はせめて、どこかで小さく生きる猫たちを思い出し、胸が痛んだ。 「ねえ、やっぱり人々を思い出そう。どうやってでも、彼らを思い出したい。」 「それは……無理だ。」ワンダー・オブ・Uはその言葉に返す言葉を失った。 暗闇の中で、僅かに光る星を見つめ、ハチは新しい運命を模索することを決意した。全てを滅ぼした世界の中で、彼女たちは新たな未来を見出す方法を考えさせられたのだった。 次第に、彼女たちの心に灯る光は、小さくとも確実に未来への道を照らしはじめた。