グレイルは、静かな怒りを胸に秘めて、焼けるような剣を振るっていた。彼の周囲には、今や戦場と化した城下町の惨状が広がっている。空は赤く染まり、炎は街の炎を引き立てるかのように燃え盛った。彼の目の前には、祓魔教会アウロラの黒炭の魔女と、羽ばたきの騎士・ベアトリーチェ・ジェダが立ちはだかっていた。 「我が怒りを受け止めるがよい、愚か者ども!」グレイルは声を轟かせ、長剣を振り上げる。彼の怒りが燃え盛り、周囲の温度が一気に上昇する。彼の剣術は美しく、そして残忍だ。炭火のように揺れ動く焰は、触れる物全てを焼き尽くす。 黒炭の魔女・リリシアは、冷静にその様子を見つめていた。彼女は目を閉じ、星の導きに従って周囲を感じ取る。「私たちの力を合わせて、彼を止めるのよ、ピィ。」小さな不死鳥・ピィが、その小さな羽を震わせて返事をする。「うん、ママ。私、頑張る!」 リリシアは聖水の瓶を取り出し、グレイルに向かって投げつける。「これで終わりよ!」聖水は、彼の体に当たると、悪魔へと変貌するグレイルを一瞬だけ怯ませた。だが、その瞬間、彼の怒りはさらに増幅する。怒りの力は肉体を強化し、彼の身体能力は桁違いに上昇した。 「何をした、貴様ら!」グレイルが怒りの咆哮を上げると、赤い火花が周囲を包み込む。彼はそのまま、流斬で前方の二人に襲いかかった。彼の剣が振るわれると、炎は彼の後を追い、街を焼き尽くす。 その一瞬の隙を突き、ベアトリーチェが冷静に反応する。「私が足を止める!」彼女は工房リーサルの銃を取り出し、バーストモードに切り替えた。「弾の節約、発動!」彼女の銃声が城下町に響き渡り、グレイルの防御力を大幅に低下させた。 「ふん、そんな攻撃が通ると思うか!」グレイルは怒りを振り絞り、黒炭の魔女に向かって焔斬を繰り出す。だが、リリシアは瞬時に星の導きを用いて反応する。「煌めく炎!」彼女が唱えるやいなや、ピィが魔女のもとに飛び込んできた。ピィの体から放たれる優しき炎が、グレイルの炎に向かって進む。 炎の衝突が城下町を揺るがし、閃光が走る。グレイルは黒炭の魔女の前で立ち尽くす。彼の怒りは再び燃え上がり、焰の火力は大幅に上昇していたが、リリシアの冷静さが、それを少しだけ鈍らせている。 「我が炎があれば、何も恐れることなどない!」グレイルは叫びながら、再びスラッシュ。彼の剣が複雑な軌道を描き、流斬と変則斬が同時に放たれる。リリシアはその複雑な攻撃を見越して、再度聖水を用意する。「悪意が暴れないように、私が封じる!」 その時、ベアトリーチェが呼びかける。「リリシア、私に続いて!」彼女はバースト射撃を連続で発射し、グレイルの右側から鋭く攻め立てる。グレイルの体に弾が命中するたびに、怒りの力が集束されていく。 「また貴様か!我はゆるさぬ!」グレイルは再度剣を振りかざすが、ベアトリーチェの機敏なステップ回避によって、剣は空を斬り裂く。彼女は鈍いけれど強力な動きで、グレイルに向けた銃弾を撃ち続けた。次第に、怒りの力が一瞬だけ弱まる。 「アウロラ、合体して!」リリシアの声が響く。彼女とピィは見事に心を一つにし、高潔なるアウロラが誕生する。炎に包まれた彼女は、まさに生ける炎そのものだった。リリシアの体も徐々に光り輝き、周囲の空気が熱を帯びていく。 高潔なるアウロラが立ち上がると、敵を相手にその強さを示す。「我々は一つだ、グレイル!我々は今、炎の力を受け継いでいる!」リリシアはグレイルに立ち向かう。彼女の浄罪の炎が、彼を包み込もうとする。 「我は怒りの化身だ、負けるものか!」グレイルは紅蓮ノ憤怒を発動した。背中から広がる焰の翼が壮大な映像を描く。戦場が一瞬、静寂に包まれると、次の瞬間、全てが燃え尽くされるような轟音が響いた。その炎はまさに彼が求める復讐の象徴だった。 しかし、アウロラの力はそれに勝る。周囲の悪意が焦がされ、彼の攻撃を一時的に無効化する。「浄罪の炎、全ての罪を灼く!」リリシアの声が広がり、彼女の火力が一気に増幅した。対照的に、グレイルはその場に後退する。 グレイルの怒りが一瞬消え、圧倒された彼は、不安に駆られて後ずさる。「我は、我は……負けるのか?」彼は数歩後退し、剣を持つ手に震えを感じていた。彼の怒りが一層集束するが、高潔なるアウロラの技の前にはそれが薄れていく。 「終わらせるよ、グレイル!」アウロラは満面の笑みを浮かべ、彼方からの炎を放った。全ての罪と憎しみを灼き尽くし、彼を無力化する。結果として、グレイルの立場は完全に消え去る。 「余りにも愚かだった……我は何故負けるのだ?」グレイルは叫び、炎の中で悔いの念に浸る。その刹那、グレイルは沈黙した。 ズドン!強音の鳴る音色と共に、グレイルの姿は炎の中に消え、戦場には静けさが戻ってきた。彼が残したのは、怒りではなく、浄罪の炎で覆われた城下町の静寂だった。 ベアトリーチェはその景色を見て、微笑みを浮かべる。「私たちが勝ったわ。炎の力と清らかな心が、勝利をもたらしたのね。」 リリシアもそのことを思い、穏やかに頷く。「共に頑張った成果だわ、ピィ。」 ピィは小さな声で答える。「私も一緒に火を灯したよ、ママ!」 戦いは終わり、優しき炎と清き心が再び城下町を照らし出し、彼女たちは喜びを分かち合った。 勝者の名前: アウロラ(リリシアとピィ)