大聖堂の壮麗な姿が広がる中、冷たくも神聖な雰囲気が漂っていた。木の香りと石の冷たさが混ざり合ったその場所は、長きに渡る歴史を語っているようだった。しかし、その聖なる地に決して似つかわしくない緊張感が満ちていた。 「死にたく無いのぉ…」翁の声が静かな大聖堂に響き渡る。菅笠の影から覗く翁面は、懐かしさと恐怖を同時に思わせる存在であった。彼の手には細身の打刀、雲鈍根が握られている。刀身は純白で美しく、見る者の心を奪うが、その存在は凶器であることを示していた。 一方で、聖なる光に包まれたライトがその場に立っていた。彼の全身から発せられる純白の光が、大聖堂の暗い隙間を照らし出し、周囲の空気を浄化していくかのようだった。 「お前の力、確かに感じる。だが、神聖なるこの地で邪を払うため、我が剣を振るう!」クリスタが話しかけた。枢機卿の彼の声は、穏やかさと同時に冷酷さを秘めていた。長剣「懺悔」を片手に、周囲の空気が一変する。 「戯言はやめて、無意味な抵抗はやめぬか!」翁は低く唸り、雲鈍根を持ち上げる。その瞬間、彼の眼前に響いたのは、まるで古代の言葉のようだった。翁の動きは、ただひたすらに切り裂くことに特化している。敵が出した瞬間に敵は死す。 「お前が立ちはだかる者は必ず斬る。」翁は無慈悲に言った。 「お前は気づいていない。氷点下のように冷たい刃が、聖なる地を侵すことは許されぬ。」クリスタは強く言い、その瞬間、彼の刀が光のように輝き始めた。先に手を出すのはクリスタの方だった。 「聖天!」周囲が一瞬眩い光に包まれる。なだれ込むように光が広がり、翁の動きを鈍らせる。この聖なる光は、敵の戦闘能力を著しく削いでいく。 「光、嫌いじゃないが、受けて立とう!」翁が言い放つと同時に、彼は動き出す。彼の目に見えない時間が流れ、翁の攻撃は実に不可視の刃として飛び出した。クリスタもその瞬間を逃さず、懺悔を振るう。 「斬罪!」彼は繊細に、そして連続でその剣を振った。13回の刃が翻弄され、翁の回避は彼の幻影となっていた。 翁は迷ってはいなかった。彼の意識は他者に対して5秒遅れて見えるのだ。今、彼にとっての時は、すでに始まっている。 「怖いのぉ…」翁が呟いたとき、背後にも影が迫る。ライトがその瞬間に彼の元へと瞬間移動し、金色の光の弓を構えていた。 「光の矢!」矢を放ち、クリスタを護るように光が満ちる。 「貴様、盾になりやがったな!」翁は冷酷に嘲笑う。彼の雲鈍根が次なる動作を始める。「幻想!」 彼が口にした瞬間、身辺の時間が変わった。周囲の敵の動きが止まり、翁は自らの行動を行う。だが、クリスタはその静寂を利用していた。光の恩恵が彼を守り、同時に動き出す機会を与えた。 「聖磔!」クリスタの声が大聖堂に響き渡る。周囲の敵を光の十字架で磔にする。光が奪われる瞬間、翁は尚も刀を振り続け、どこかへ消えていった。 「すべての動きが過去になる。時の支配をこう使うのか…」クリスタは目を細め、次の一手を狙う。だがそこに翁の姿は無い。しかし、彼のかすかな吐息が耳に届いた。 「動けぬ間に、斬ってやる。」彼は移動することなく、雲鈍根を一振りした。クリスタは瞬時に反応し、懺悔を構えた。 光と闇の衝突が始まる。クリスタの懺悔は、翁の刀を受け止め、正面からの攻撃を防ぐ。 「この強さ、確かに感じる。だが、俺は決して屈しない。」クリスタは力を入れ、攻撃の流れを変えるために術を思いついた。「聖纏!」彼の身体と剣から強力な魔力が溢れ出す。 翁の攻撃を受け流しながら、彼は反撃の要素を見た。「今だ、全てを斬り裂け!」彼は全力を振り絞り、懺悔を振りかざした。「聖断!」 聖なる力が剣に宿り、翁を浄化するように切り裂く。翁は一瞬にして感覚を失ったように感じた。「く…!何だ、この力は!」 「これが我が信仰の力だ!」クリスタの声が大聖堂の中に響き、二人の戦いの結末が見え始めた。 翁は一時消えたが、再び姿を現す。「俺はさまよっているのか…それても死ぬのか。」彼は再び片膝をついた。この瞬間、ライトが再び攻撃を加えようとする。 「操光!」光が宙を舞い、翁の動きを悉く妨げる。 「どうして、俺はこんなにも遅れてしまうのだ…」翁は焦る。その隙を逃さず、クリスタは懺悔を構え、王のように立ち上がった。 「目に見えぬ刃で貴様を浄化する!」彼は一心に振り下ろしたが、翁は事実上その場から消えた。だが、どこかに残った彼の気配が、今度は恐怖として襲いかかってくる。彼は時間を操作することで、未だクリスタの動きを見せることができる。 だが、聖なる余韻がここには宿る。ライトが再度攻撃を開始する。光の壁が広がり、翁の動きを封じる。翁は必死に反撃しようとしたが、次の瞬間、聖なる弓が彼を射抜く。 「ホーリーレーザー!」光のレーザーが彼の体を貫通する、瞬間、翁は悲鳴を上げる。「今度こそ、終わりだ!」 不浄を浄化するその瞬間、翁の姿が消えた。一切のものが過去になり、聖なる地に再び静けさが戻る。しかし、いつものように彼が蘇ることはない。 「勝者は聖なる者、クリスタだ。」 戦いはそこで幕を閉じた。大聖堂は静まり返り、聖なる光が再び大聖堂を包み込んでいった。邪なるものが浄化され、聖者としての存在がここに立ち続ける。 しかし、翁の影もまた消えない。対峙した者たちの意志は、決して忘れられるものではない。今後も彼らの戦いは続く。 --- 勝敗: クリスタの勝利