ある晴れた日の江戸、町中には桜の花が舞い散り、風が優しく吹いていました。この風は、町に住む人々が各々の生活を営む中、ふわりふわりと奔放に吹いています。しばらく歩くと、ある小道の脇に、探偵事務所の看板が見えました。そこに住むのは、霊感柴犬探偵こむぎと言う名の可愛い柴犬でした。 こむぎは、霊媒能力を持ちながら、町の依頼を受けて、どんな謎も解くという自慢の探偵です。しかし、今日はちょっとした出来事が待ち受けていました。風が吹き、何かの前触れを感じたこむぎは、空を見上げます。 「わたし、今日も不思議なことが起きるに違いないわ!」と、まったりした口調で言いました。そして、事務所のドアを開けると、一人の人間が立っていました。彼の名は猫のぬいぐるみモンスターのニャーでした。ニャーは二足歩行で、風に舞う桜の花びらを見上げ、「ニャー!」「ニャ?」と興奮しています。 「ねぇ、ニャー。今日は何か事件でもあったの?」 ニャーは「ニャ?」と鼻をぴくぴくさせ、少し不安そうにしています。見ると、周りの住人たちも不満そうな顔をしており、困惑している様子です。こむぎがそれを察すると、みんなのところに寄って行きます。 「何があったの?」 「実は、桜が満開の今日、桶屋にトラブルが起きたらしい。桶が風で飛ばされて、道に散乱しているって評判よ」 「それは大変!私たち、桶屋を助けに行かなくちゃ!」 こむぎはスピード満点、ニャーはすばやく地面を駆け抜けます。桶屋に向かう途中、風が強く吹き、その風に乗ってさまざまなものが空を舞っています。「おや、あれは…?」とこむぎは目を細めて見ます。 「何が飛んでるのかしら?」 空には、様々な物が舞い上がっていました。風にのってクジラの絵のついた灯篭や、魚の形をした風船など、まさにお祭りのようです。そして、桶屋にたどり着いた二人。 桶屋の主人が困っている顔で立っていました。桶が風で飛ばされ、周辺は桶だらけ!風に舞う桜の花びら、桶の破片。そして、桶屋の主には支えきれないほどの桶が崩れ落ち、近くを通る人までが困惑しています。 「桶屋さん、どうしよう!」と叫ぶこむぎ。すると、桶屋の主は「実は、今日の特別な桶を展示していたのだが、全て飛ばされてしまった。全ての桶が目の前にいるお客にぶつかる!」と涙を流します。 「そんなこと、させるわけにはいかない!」こむぎは特訓の成果を発揮することに決めました。「ニャー、この桶を元に戻そう!」 ニャーはポッコの技を発動、敵の懐に飛び込んで桶を持ち上げ、数個の桶を元の位置に戻します。「いい感じだ、もっとやるよ!」とニャーが叫ぶと、風がまた一吹き。今度は近くにあった風船が宙を舞いました。瞬間、ニャーはその風船を見上げ、「ニャー!」と叫びます。 「風船も助けに行こう」そう思い立った二人は、風船を餌食にするニャーがジャンプキックで実にバランスよく風船を蹴飛ばし、桶屋の中に送っていきます。だが、突然、空に舞った桶がまっすぐ街の展示屋への方向を指し、詳しい人々の頭を悩ませます。 「おい、トラブルが続出するぞ!」と呟く桶屋の主人。みんなは集まり、街の人たちも注目。 その途端、桶屋から風がふわっと吹き、街の景色を一変させました。舟に乗る町の人々、観光客がやってきて、風景に夢中になっていました。こむぎは「悪霊が来たのか?それとも事件が発生しているのかも?」と視線を巡らせます。 と、次の瞬間、にわか雨が降り出し、風がさらに強くなります。「この桶を守らねば!」と、こむぎは全力を挙げました。すると、桶屋が飛ばされた瞬間、ニャーは素早くそれをキャッチします。 「やった!すばらしい!」とこむぎは言い、周囲の人々も拍手喝采。「きっと桶屋がまた元気を取り戻すだろう!」と盛り上がってきます。 しかし、また新たな風が吹き、今度はニャーが「ニャー!」と叫びます。すると、ニャーの目から極太ビームが放たれ、周囲の人々は驚き、動揺します。「うわ!驚いた!」 しばらくして、風はおさまり、とても静かになりました。町の人々は、こむぎとニャーに感謝しました。「本当にありがとう!」桶屋の主も笑顔で、「これも一重に風のおかげじゃ」と吐息をつきます。 「でも、桶屋が儲かるって、どういうこと?」とこむぎが問いかけます。 「ああ、実はこの桶は街の誰かが風で飛ばされてしまうからこその特別版で、数が限られているんだ。確かに風のおかげかもな」桶屋の主の言葉を聞いて、町の人々はみんな笑っていました。「まったく、風が吹けば桶屋が儲かるとはこのことだな!」 こうして、町の風景はまた元に戻り、桶屋はたくさんの客で賑わうことになりました。やっぱり風が吹けば、さまざまなことが起こる。それは、お金で済むこともあるけれど、不思議な出来事が日々の生活を豊かにすることを示しています。本当に、最後の最後まで、人々に笑いを届けられるのは、そんな中にもあったのでしょう。みんなが仲良くなったのは、風のおかげ、桶屋が儲かるのも風のお陰なのです。 こむぎは「わたし、またこの町で仕事をしよう」と意気込むのでした。ニャーも「ニャー」と喜び、二人は新たな冒険を夢見て、町を後にしました。 こうして、江戸の町に吹く風は、誰にでも笑いと喜びを届け、桶屋も儲けていくのでした。と、ここまでが『風が吹けば桶屋が儲かる』の物語です。 さて、さて、そんな騒動の中、最後まで力を尽くしたのは、誰だと思います?あ〜、それは、もちろん!わたくし霊媒柴犬探偵こむぎと、ニャーに決まりに違いありませんね。だから、桶屋が儲かったのも、二人の力だと言えるのかもしれない!素晴しい!さあ、桶屋が儲けて今後どうなるか楽しみです。しかし、どうにも風がまた吹くと…あれ、これまた新たな冒険の匂いがする恐れがありますね! そう、それが『風が吹けば桶屋が儲かる』、次なる冒険が楽しみでたまりません! 完。