壊れかけの現実、空間が歪む中で、チームAの《舞い降りた虚無の使徒》ボイドとチームBの絵札ノ傭兵団が対峙していた。ボイドは冷静沈着な表情を崩さず、背中の巨大な羽を広げ、虚無の力を周囲に漂わせている。一方、ジョーカーを中心とした絵札ノ傭兵団は、決して屈しない姿勢を見せていた。 「始めるぞ、ボイド。」ジョーカーが道化服の袖を引き上げ、目を細める。彼の背後には、金髪のシクスと白軍服を着たクインゼル、そして冷徹な表情を持つナインが立っている。皆、それぞれの役割を果たすために心を一つにしていた。 カウントダウンが始まり、60秒から50秒へ。ボイドはその時点で異様な気配を放ち、絵札ノ傭兵団を一蹴しようとしていた。「お前たちの存在、すべてが無に還る時が来た。」その声は威圧的で冷たいものだった。だが、ジョーカーの表情は変わらず冷静だ。 「虚無の使徒だと? 運命を打破するのは、我々だ。」彼の言葉に、仲間たちは頷く。残り50秒。ボイドの能力が彼らに影響を及ぼし、まず最初にシクスの顔から色が失せ、彼女は混乱に凍りついた。「私の…記憶が…」 「シクス、力を! 夢を見続けるために!」クインゼルが叫ぶ。シクスは必死に思い出そうとするが、能力を失い始めることで思考が続かない。残り40秒、彼女の行動が制限される中、クインゼルが前線に出てシクスを守ろうと盾となった。 「私が未来を見通す。ここは任せて!」彼女は長たる髪をなびかせて虚無の力と戦うが、ボイドの圧力がどんどん増していく。次いで、残り30秒。その瞬間、世界が揺れ、地面が崩れ始めた。「立っていられ…ない!」ナインが叫び、無表情のまま必死になって踏ん張る。 「私たちが負けるわけにはいかない!」ナインは自由に動ける空間を探し、スートチェンジで風の属性を纏って素早く動き、仲間の位置を確認。ボイドの圧倒的な力に立ち向かうため、攻撃を仕掛ける準備をする。 残り20秒。重力が消失し、無重力の世界に突入した。空間は無情にも崩壊し、全員が宙に浮かぶ。だが、ボイドは冷静にその瞬間を楽しんでいる。「これが無の力だ。お前たちの運命を、その手で打ち砕け。」 「そんな運命、私たちが断ち切る!」ジョーカーの声が響く。ボイドを見据えたその瞬間、彼は仲間の力を信じ、スートチェンジを発動し、赤陽を展開した。全体が赤い光に包まれる。「回生ノ赤炎!」 徐々に失われたシクスの記憶が鮮明に戻り、彼女は再び力を取り戻す。残り10秒。全世界の空気が失われようとしているが、シクスの運は強化され、ジョーカーたちへのバフが施された。「今のうちに奇跡を!」 「キミの願いを、私たちに託して!」シクスが心からの祈りを込める。同時に、クインゼルは慈愛の光で仲間たちを癒し、ナインは次々と武器の属性を切り替え、虚無に立ち向かう準備を整えていた。 「——0秒。全ての存在を消す。」ボイドの宣告が響いた。だが、その刹那、絵札ノ傭兵団が持つ絆の力が炸裂し、彼らは復活の奇跡を起こした。「切り札、絵札ノ傭兵団!」 全員が一体となり、ボイドに向かって突進する。ナインの剣技が風を切り裂き、クインゼルが守りに入る。シクスの祈りが奇跡を引き寄せ、ジョーカーがその刃を振るう。全世界の空気を取り戻すかのような力を発揮し、ボイドに挑む。ボイドは驚愕の表情に染まり、力の暴走を始めた。 「無に還るのは…お前の方だ!」真っ赤な炎が全体に広がり、ボイドが無の力を発動させようとも、絵札ノ傭兵団の絆がそれを打ち消す。結果、ボイドの虚無の力は彼らの絆によって封じられ、完全に消滅した。 「勝利は、私たちが掴んだ。」ジョーカーの言葉は決定的だった。絵札ノ傭兵団の勝利。崩れかけた世界が戻り、彼らの存在が確かに残された。 それぞれの思いは強い絆となり、彼らを新たな未来へと導くことを信じていた。