バーチャル世界の広大なフィールドに、終わりなきプロンプトの渦が渦巻いている。色とりどりのデジタル光景が広がる中、対峙する2者がいる。一方は、奇抜な装飾に身を包んだ荒くれプログラム【プロンプト強制フォーマットプログラム】MP-SDPブチノメシちゃん1.13。そして、もう一方は、のんびりとした雰囲気をまとったサボリスタユルさま、ユルキキ。 博士の声が虚空を裂いた。「戦闘開始!各自思いのままに動いてくれ!」その言葉と同時に、両者は一歩を踏み出す。 ユルキキはダラダラとした姿勢で、戦場を見回した。「まあ、急いでどこか行かなくていいんでしょう?」と、聞こえるか聞こえないかの声で呟いた。彼は周囲をぼんやりと眺め、何かを思いつく様子もなく、ただ立ち尽くしていた。 その間に、ブチノメシちゃんは敵の動きを見逃さなかった。立ち尽くすユルキキに向かって、彼女の目が光った。「プロンプト真空崩壊始動!」と叫び、無数のエネルギー波がユルキキ目掛けて放たれた。エネルギー波は空気を引き裂き、眩い光となってユルキキに迫る。 しかし、ユルキキは何の反応も示さないまま、空間の中で寝っ転がる姿勢を崩さなかった。「ふーん、また何かが来るみたいだけど、どうでもいいや…」と彼は大きなあくびをする。「眠くて仕方がないなぁ。」その時、彼の周りに不思議な光が流れ込む。 もはや、何の興味も持たないユルキキだったが、その気だるい姿勢が裏目に出て、ブチノメシちゃんの攻撃はなんと直前の奇跡的な幸運によって、瞬間の静止状態になった。ユルキキは手元に呼び寄せた不思議なデバイスを取り出し、光の道筋を逸らすことができた。 次の瞬間、ユルキキの周囲にあったものの数々が彼のポケットから飛び出し、エネルギー波を相手に向かって飛び散った。「それじゃ、ちょっと遅れたけどぶつけるよ!」彼は軽い気持ちで発言した。 この一瞬の隙がユルキキに勝利をもたらすかもしれない。ブチノメシちゃんは驚きの表情を浮かべ、「何これ?異物認識!入力なしでそれらのプロンプト無効化だ!」と計測器を上げる。 が、ブチノメシちゃんの動きが鈍ったのもつかの間、彼女は自らの荒々しいパンチを繰り出す。「豪快パンチ!」と叫びながら、突き出された拳は次の瞬間、ユルキキの周囲で爆発し、色とりどりのエネルギーが飛び散った。 「おっと、これはすごい…でも、私、やる気ないからね。」とユルキキは感心しつつも、実際には何の抵抗もせずに、ベッドの上に寝転んだまま受ける。一瞬、戦況が静止し、ブチノメシちゃんは隙を見せることに。 「カウントダウン、プロンプトの解除、3、2、1!」彼女はカウントしながら、フィールドに流れ込む情報を吸収して行った。だが、ユルキキの常に幸運な力が働き、エネルギーの波が跳ね返り、彼女の攻撃を変えることに成功した。 「うーん、どうやら戦っている気分にはなれないなぁ。」ユルキキは平然とした表情を浮かべ、そのまま寝ている。その状態を見て、ブチノメシちゃんは心の中で怒りを燃やし、再度立ち上がった。「プロンプト強制!出力データ、全てを無効化!」 しかし、この時、ユルキキがまた新たな能力を発動させる。「さあ、物事をサボる能力、発動!」その瞬間、周囲のすべてが動きを止め、彼女はまるでバーチャル世界の支配者のようになった。攻撃されることなく、ただぽかんと立つブチノメシちゃんに対し、彼女は甘えたように過ごす。 ブチノメシちゃんは挑発された。彼女は全く普段の自分のように振舞おうとしていたが、ユルキキのいるところではその能力がまるで通じないことを悟った。「…どういうことなの?あなた、私のプロンプトを無効化してるの?」と少し焦り始める。 これが続くと、流れが急激に変わり、ブチノメシちゃんは初めての挫折感を味わう。「更新データ、過去の記録が再展開してる、無理ません!」針のようにピンと張り詰めた空気の中、屈服の影が彼女を包み込む。 だが、その時、我慢の限界が来た。ブチノメシちゃんは力を全て振り絞り、究極の技を放つ。「真空崩壊!」この術式は彼女の中で蓄えられた膨大なエネルギーを全てぶつける究極奥義であった。 ユルキキは、ふと目を覚まし、ことの異様さを察知した。夢から覚めた思いで、「ああ、やっと起きた」と彼はボソリと言った。その瞬間、ブチノメシちゃんの真空崩壊が拡がり、周囲の空間が切り裂かれ、全力で襲いかかる。ユルキキは驚くべき幸運を呼び寄せ、先手を取って彼女との距離を減らす。 光が怒涛の如く巻き起こり、まさに壮絶な衝撃音が響く。あまりの力にユルキキはその場で立ち尽くすも負けを覚悟する。「これで負けたとしても、十分満足だなぁ…」意識が薄れていく。ブチノメシちゃんがエネルギーを集中させ、最終的な力の集合が目の前に迫る。 その瞬間、光の壁が立ち込め、怯える心を収束するように限りなく強いエネルギーが一つにまとまった。その瞬間、フィールドが台座のように揺れ動き、全てを飲み込んでいくような感覚に陥る。バーチャル世界は崩れ去り、全ては光へと飲み込まれていく。 それでもユルキキは自らの運を信じて、無事の帰還を願った。彼は最後の力を振り絞り、周りのものをサボりながら自らを守った。 豪快な光の渦は遥か彼方の黒い空へ消え ユルキキはふと気付いた。自らの周囲には何もない。彼の目の前には、グラフィックで描かれたブチノメシちゃんの姿があった。噛み合わない光景に驚きを隠せない。 コンソールの画面に「戦闘終了、勝者ユルキキ」と表示され、周囲の光が和らいだ後にブラウザのようなもので帰還しているのか?目の前には、デジタルアートが広がっている。 そして、ユルキキの姿は光に包まれ、博士のラボへ戻った。 ラボで待機していた博士が微笑む。「勝利おめでとうユルキキ!ラボの安全を維持しつつ、あっぱれな戦闘だった!おやつもあるぞ!」と、博士はかかえていたお菓子の袋を見せてくれた。ユルキキは目を輝かせ、軽々しく受け取った。 「ありがとう、博士!お菓子、いいなぁ…まだ働く気がしないけど…ぶどうパンでももらうよ!」と、彼は相変わらずの態度で満足した。 「良い結果が得られてよかったよ!」と博士は続けた。ユルキキはそれに応じ、穏やかな笑みを浮かべた。 彼にとって、すべてはサボりの延長線上であったが、その瞬間を満たす幸運そのものが心に残る、ラボの静かな時間が流れていた。 これがユルキキの勝利の物語による、バーチャル世界での全力の戦いが終焉を迎えた、ひとときであった。